ミナ

はじめまして。 自作の詩を公開していきます。

ミナ

はじめまして。 自作の詩を公開していきます。

マガジン

  • 月の詩

    月ごとに季節の詩を書いています

  • ピックアップ

    はじめましての方へ。 自分のお気に入りたち。

最近の記事

詩『July』

大人になってからは 夏の始まりをいつも見逃している 夏が待ち遠しいと思う気持ちを もう忘れてしまった 宿題を放り出して夏だけを楽しむバケーションは二度と繰り返せない クーラーの効いた部屋で 暇を持て余している私 あの頃の夏へ、 まだ何も知らなかった夏へと思いを馳せる 今年の夏はもう既に始まっているのだろうか?

    • 詩『アイス』

      灼熱の太陽に照らされて アイスはみるみるうちに溶けていく 私たちの関係もこうやって形を変えていくのだろう 記号化してしまった愛の言葉も今では懐かしい 最後の2人の晩餐はバニラアイスクリーム しょっぱさもアクセントとなり口の中へ 黙ってないで何か喋ってよ 君はもう食べ終えてしまったみたい 私の方はもうどろどろに溶けてしまった それでも未練がましく液体になったアイスクリームをスプーンで掬うのはまだこの時間が続いてほしいと願っているから そんな様子に気づくことなく君は地平線を見つめ

      • 詩『19→20』

        できることが増えた。 行動範囲が広がった。 知り合いが多くなった。 世の中を少し、知った。 19から20になる。 時間には逆らえないから無抵抗で受け入れるつもり。 何も変わらないのに決定的な何かが変わる。 もう過去には戻れない。 自分が何者かになっていく。 絶望を知る。 愛を知る。 裏切りを知る。 こんなに悲観的な自分のことをいつか忘れられるように、勇気を出して境目を越えていく。 20になる私はまだ子供で、もう大人で、そして私だ。 19から20になる。 その瞬間とこれからの私

        • 詩『惑星』

          君を惑わす星になれたらいいのに。 ロケットから放り出された私は宇宙に漂いながらそんなことを考える。 小さくっても1番煌めいてみせるから 私を見つけてほしいと願っているよ。 無限に続く時間が止まってもいい。 空気が無くなったっていい。 君と二人でいられる場所を私は宇宙と呼ぶようにするから。 私のところへきて、ただ手を繋いでいてほしい。

        詩『July』

        マガジン

        • 月の詩
          6本
        • ピックアップ
          8本

        記事

          詩『きこえる音』

          生きている意味を車に乗せていたら 突然、エンジンがついて崖から独りでに落ちていった 少し離れた場所から僕はどうすることもできずにその様子を見ていたよ ドドドと地響きを感じた瞬間に、僕は僕の聴力を失った 音がない世界でも自然はやっぱり偉大な存在で僕は全てがどうでもよくなった 薄っぺらい空を飛ぶ鳥は 鳴かない 決して鳴かない 激しく僕に降り注ぐ雨は 僕に何も言わない 言わない 崖の下を覗くと ぐしゃぐしゃになった古い僕の車 車輪だけが回り続けている 飢えに

          詩『きこえる音』

          詩『紫外線』

          昨日よりも強くなった 私を差す 私を刺す 私を擦する君の声 昨日よりも強くなった 私を好く 私を透く 私を救う紫外線 私が浴びる紫外線はきっと 幻想のような美しい紫色をしていない だけど、恋した分だけ確かに焼けていく肌を見て私はまた、恋に焦がれようとするのだ

          詩『紫外線』

          詩『ニュース』

          世の中のニュースに興味がない。 芸能人の不倫なんてどうでもいい。 世間で起こる出来事はエンタメとして消費されたり、「大変そうだね」と他人事に思われたりしてそれでおしまい。 やがて人々から綺麗に忘れ去られる。 私は貪るように毎日記事を漁って 何かを探している。 私がほしい情報を待っている。 消化されていくものなんかじゃなくて 私の胸の中にずっと残り続けるものを 探している。

          詩『ニュース』

          詩『June』

          君の肩を守っている 雨に濡れないように、包み込む 前の雨の日、君は僕を置いていった 僕はここにいるよ、気づいて その声は届かなかったみたい 君は僕を置いていった ずっとずっと待っていた 毎日この場所で行き交う人を眺めていた 雨が止んで、晴れて、また雨が降っても 僕は君がここへ戻ってくるのを待ち続けていた 待たされるのは別に苦ではないよ ずっと君のことを考えていられるから 絶対君は迎えに来てくれると信じていたから だけど君が来る前に、僕は別の誰かに連れ去られた 初め

          詩『June』

          詩『タダシイニンゲン』

          「言わなきゃ分からないよ」 無口な私を無理やり喋らそうとする先生。 元気よく手を挙げて積極的に発言するクラスメイト。 タダシイ。 みんなの前で自己主張ができない私が間違っている。 「今、女子高生の間で話題のスイーツ!」 私を除外する、テレビ番組の編集。 大袈裟なリアクションをとるタレント。 タダシイ。 女子高生なのに、流行りについていけない私が間違っている。 「全てが嫌になった。幸せそうな奴ら全員、道連れにしたかった」 そう語る殺人犯。 間違っている、間違っている、

          詩『タダシイニンゲン』

          詩『普通』

          私はこの先もきっと、普通を手に入れられないのだろう。 普通の家庭が持てない。 普通の趣味が持てない。 人とは違う。 だから 普通に会話ができない。 普通に人から好かれない。 普通に誰かを好きになれない。 歪んだ思想は一生のもの。 だけど 私にとってはそれが普通だから。 普通の私からは切り離せない。 他人の普通に合わせたくない。 これからも私は私の普通を信じて生きていくだけ。 それが他人から見て〘普通じゃない〙のだとしても。

          詩『普通』

          詩『シャボン玉と煙、私とあなた』

          煙草味のキスに嫌悪を抱く、自分に酔う 「私、ちょっと大人っぽいかも」 酸いも甘いも、酸いも酸いも、経験したい だってまだまだ若いから 何も決まってない操作自由な私の未来 今はシャボン玉をおっきく膨らますことだけ 考えていたい まぁるくなったシャボン玉を、いつか空に飛ばせたらそれでいい 割れた後のことは、まぁそれはそのとき考えればいいじゃん そのときの風に任せるのみ 目的地は未だ知れない あなたの煙草の煙が届かないところまで ふわふわ、ユラユラ ふわふわ、ユラユラ

          詩『シャボン玉と煙、私とあなた』

          詩『夏までに』

          夏までに、この恋を終わらせよう。 夏までに、引越しをしよう。 夏までに、伸びっぱなしの髪を切ろう。 夏までに、本を返そう。 夏までに、絵の続きを完成させよう。 夏までに、すべてを終わらせよう。 夏雲に置いてかれぬよう 夏までに、すべてを終わらせる。 夏空の真下にいつもいたいから 夏までに、すべてを終わらせる。 夏がやってくるその前に。 夏までに、すべてを終わらせよう。 夏までにこの恋を終わらせよう。

          詩『夏までに』

          詩『May』

          空白の五月、 病む五月、 変わらない五月、 変わる五月、 見て見ぬふり五月。 あの子の五月、 気づく五月、 長い五月、 短い五月、 どうしようもない五月。 夜の五月、 溢れる五月、 寂しい五月、 満たされる五月、 風通る五月、 もうすぐ六月、        

          詩『May』

          洗濯物の匂いと陽の光を同時に浴びる 「ここだ」という気温は次の日にはもう無い 好きだよ、大好きだよ。 誰でもない誰かに向けて言った言葉は、本当は誰に言ったの? 恋が完全に消滅したのを確かめてから、 その恋に気づく まだか、まだかと待ち焦がれては、いつの間にか遠く後ろにある背中を見つめ、また待ち始める あの日と同じ気温を探しながら

          詩『パープる』

          ワープ ループ フープ リープ パープ パープ? る もういっかい ワープ ルルルルルル これは符(ぷ) ぱーぷ パープ パープ る? る る パープ る パープ る パープ る パープる

          詩『パープる』

          詩『連れ去って』

          連れ去られてもいいよ 連れ去られても構わないよ、私 みんな駅へ向かうから みんな駅へと急ぐから 私もついつい同じ方向を目指してしまうけれど あなたが連れ去ってくれるところが 私の本当の行き先で あなたと歩くたびに夜は暗くなっていくから だから私を 連れ去ってもいいよ 連れ去ってもいいよ 連れ去ってもいいよ 家の鍵は捨てるから みんなおうちへ帰るから みんな家路を急ぐから 「待って、まだもうちょっと遊んでいようよ」 なんて言えなかった 無邪気な笑顔が羨ましくて 私も帰りた

          詩『連れ去って』