詩『June』

君の肩を守っている
雨に濡れないように、包み込む

前の雨の日、君は僕を置いていった
僕はここにいるよ、気づいて
その声は届かなかったみたい

君は僕を置いていった
ずっとずっと待っていた

毎日この場所で行き交う人を眺めていた

雨が止んで、晴れて、また雨が降っても
僕は君がここへ戻ってくるのを待ち続けていた

待たされるのは別に苦ではないよ
ずっと君のことを考えていられるから
絶対君は迎えに来てくれると信じていたから

だけど君が来る前に、僕は別の誰かに連れ去られた
初めて車というものにも乗った
僕は遠くへ運ばれた

どんどん離れていく
元いた場所
きみと一緒にいた場所から

そして今、知らない誰かの肩を守っている
雨に濡れないように包み込む

雨の日も晴れの日も君のことを想いながら、
誰かを守りながら、
僕は僕を、雨と涙で濡らしている


季節はもう夏に移りかけている

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