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社会をつくる力を育てる授業づくり52 未来の工業生産を考えるプロジェクト〈2〉

未来の工業生産を考えるプロジェクトです。

1 課題発見

今回も、食料生産の時と同じように、身の回りの工業製品を概観するところから始めます。

工業製品がどのように作られたのかを想像していきます。

手作りなのか?それとも、工場で作っているのか?身の回りにあるものがどこで作られたのかは、意外とわからないものだと思います。

2 課題追究

課題追究の場面では、工場での生産の様子を追究していきます。

工場を見学できるのが一番ですが、自動車工場などの大工場は、ある場所が限られていますので、オンライン工場見学や映像資料を活用してものが作られる様子を調べていきます。

取り上げる工場によって、それぞれの工夫や努力がどのようなものなのかが違うと思います。

大工場であれば、効率の良い大量生産の方法を長い年月追い求めてきた部分があるのではないかと考えています。

自動車工業に代表されるように、ひとつの工場で全てのものを作るのではなく、関連工場と連携して分業して組み立てていたり、それぞれの場所で作られたものをちょうど良いタイミングで組み立て工場に集めたりするような仕組みがあります。

中小工場では、生産量は多くないものでも、より質の高いものや、高い技術が要求されるものをつくっている工場に焦点を当てて調べていきます。

それぞれの工場について調べていく中で、できた製品を輸出することや、原材料を輸入すること、もちろん逆もあると思いますが、そのような貿易や輸送のことについても関連して調べていくと思います。

こうして日本の工業生産の様子について概観することで、その中で見えてくる課題もあると思います。

工業生産は、環境との両立が大きな課題になります。

持続可能な工業とするために、原材料やエネルギーをどのように調達するのかや、製品を作って終わり、ではなく、その後のことまで考える生産が必要になってきます。

こうした課題を解決する方法を考えていきます。

3 提案・参加

取り上げた課題の解決策を提案するために、個人やグループで構想します。

どのような課題を解決しようとしているのか,明確になるようにしていきます。

例えば、原材料などの資源の問題を課題に抱えているのであれば、その解決策のためには、資源を安定的に使うためにはどうすれば良いのかを考えます。

持続可能な、というところがキーワードになることが多いのではないかと思います。

また、国内だけではなく海外にも展開している工業が多い時代なので、そのあたりの今後の展望を考えるのも重要です。

こうして考えた解決策を、社会に向けて提案したり、お互いの解決策について議論することが、社会をつくる意識につながっていくと考えています。

未来の工業生産について考えるプロジェクトについて書きました。

ご参考になれば幸いです。

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