見出し画像

不登校の【我が子も私も大丈夫】そう思えるように

マガジンシリーズ2回目。今回は以下を書いていきます。


ではどうぞ。↓ ↓

 【100万回の「あなたは大切な子」の言葉よりも】

 子どもというのは、一見、意味のないような遊びを延々繰り返すことがあります。私も小さい頃に、地面にずっと座り込んで虫と遊んだり、雲と会話しながら踊っていたり、昔の田舎は「注意危険!」などという看板は少なかったですから、友達との危険なあそびや大人には内緒の遊びもたくさんあったように思います。

 そんな遊びによって、胸がスッキリするような「からだの感覚」が育てられたり、やんちゃをすることで人や自然との「つながりの感覚」が育てられたのかもしれないなと思うことがあります。

 仕事でも、発達や教育、心理学と同時に、プレイセラピー(遊戯療法)やアートセラピーという、言葉以外を使うカウンセリングで子どもたちと会うことが多かったために、実感していることがあります。それを一言で表すと、「ボトムアップ」という言葉になります。 


💡ボトムアップって?

 簡単にいうと、知識や思考や頭で考えた正解よりも、からだや感情、無意識や偶然などの流れが大切だということ。心の声やからだの声って、頭で練り上げた正解よりも大切だよね、ということです。

子どもと会っていて思うのは、子どもたちは私たち大人よりも「からだの声」に正直です。そして、 子どもは「あそび」でできています。それは無意識からの流れや欲求のようだなと思うことがあります。

100万回の「あなたは大切な子」というメッセージよりも、1回でも思いっきり一緒に遊んだら

「なんかいいかも」
「なんかわかんないけど、ワクワクする」
「楽しい。私っていいかも」

などと感じるものです。

これを言いあらわす言葉として 「ボトムアップ」という言葉を使っています。

一つの会社で、トップが命令をして部下に指示をすることを「トップダウン」、部下の思いを上司が聞くことを「ボトムアップ」と言いますね。

それと同じことが私たちにも起こっていると理解していきます。つまり、頭、思考がトップで、からだや気持ち、遊び、無意識などをボトムと呼んでみるいうことです。

この、ボトムアップの支援が、私が子どもに関わる上で一番に大切にしていることなので、本題に入る前にお伝えしたいと思いました。


「ボトムアップ」の意味は伝わりましたか?

 からだ、気持ち、あそび、無意識や偶然の流れなどを大切にしていきたい、子どもから教えられるものを大切にしていきたいということでした。

第4章 不登校の【私も我が子も大丈夫、そう思えるように】 


 さて。この章では、私が不登校のお子さんや保護者の方と実際にお会いしてきて感じたことを、今まさに不登校のことで悩んでいらっしゃる保護者の方向けに、5つのメッセージにまとめてみました。

*  *  *

 冬の時代を過ごした子どもたちの中に、自然と春の時期が訪れて、「私にはチカラがある・俺にはチカラがある」という気持ちが芽生えてきますように。保護者の方も、不登校というテーマを通して「私も我が子も大丈夫」と歩んでいけますように!

では、メッセージを一つずつお伝えしていきます。まずは一つ目。

🌱小さな変化を大切にすること。

 笑顔が増えた、リビングに出てきた、着替えをした、バスに乗れた…そういった日常の小さな変化に心を寄せましょう。もちろんできない日もあります。1歩進んで0.9歩下がるくらいの小さな変化に気づけることは、力がある証拠。

 心理学の学びの中でも、「Less is More(小さいことの方がより豊かだ)」と、合言葉のように言われることがあります。この言葉を、「もっともっと頑張らなくちゃ」「まだまだダメだ…」と自己否定に入りそうになった時に、思い出していただけたらと思います。

そして2つ目。

🌱自分のための休息を。

 まずは、自分を休ませて整えることから。同じ景色を見ても、心に余裕がない時には、同じ景色なのに何も感じないことがあります。それよりも、至らないところにばかり目がいってしまうもの…。そんな状態の時に、「子どものいいところに目を向けましょう」と言われても、難しいものです。

 まずは、当たり前にやっていること、(たとえば子どものことを想ってこの記事を読んでいることもそうですね)、そんな自分のがんばりに、想いに目を向けるところからやってみてください。

🌱普通に接すること。

 子どもたちは言います。「自分が辛いことよりも、親が辛そうにしているのが一番辛い」と。自分が自分を信じることができなくなっている時に、自分のことを黙って信じてくれている人の存在は大きな支えになる、それは私たち大人でもそうですね。

 「普通に接する」というのは、過剰に「信じているよ」と言うのでもなく、被害者(あなたのせい)にもならず、加害者(私のせい)にもならない、という意味です。それが、子どもたちの助けになります。

 どのように接するかというコツについては以下のような生活の工夫や、この後の章につづく『不登校の道のり〜回復までの4つの段階』を参考にしてください。

では、4つ目です。

🌱具体的なことを行動すること 。

 子どもに対して年齢が上がるにつれて、親が手出しできないことが増えていきます。そのため、心をサポートしたいと思うけれど何をしていいか分からないことがあります。

 そんな時には、食事、部屋や家の環境づくり、運動や遊び、散歩、年齢に応じたスキンシップなど、現実的なことから始めてみると手応えや達成感を感じやすいものです。結果的に自律神経も調整され、親子ともに元気が溜まっていきます。

最後に5つ目です。

🌱一人ですべてを抱えず、つながりを持つこと。

 親は、近い関係であるからこそ悩み、もがき、試行錯誤するものです。親にとって、「客観視できる他人に近い人」という存在が大きいですし、子どもにとっても直接的な関係よりも、斜めの関係性での関わりが大切になってきます。フリースクールの先生、祖父母、幼なじみ、いとこのおじさん、塾の先生、大学生のお姉さん、などなど、ゆるやかにつながれる人、誰か思い浮かぶ人はいますか?

 なるべく、利害関係や評価されたりしない関係性だったり、最近ではオンライン上の自助グループなども増えていて、直接的な関係性ではないつながりから始めていくのが、楽になる秘訣のようです。


では、次回は『不登校の道のり〜回復までの4つの段階』に入っていきます。

「子どもの状態」 「その時、家族は?」 「各時期ごとのポイント」一覧を、それぞれの時期ごとに色付きの画像で載せていきますので、整理する時などにお使いください。

こちらの記事の前後の記事は、マガジン【不登校の回復までの4つの段階と道のり〜子どものカウンセリングと保護者相談から見えてきたこと】の中にあります。必要な方に届きますように。フォローやシェアも嬉しいです。

https://note.com/chikako_ai_hana/m/me42fb071cb39


* * *

一般社団法人この花舎
聴くだけではないカウンセリング、心と身体の関係を重視する身体指向性の心理学を取り入れた、保護者向け子育てプログラムや子ども支援者研修・育成を行なっています。公式LINE登録や体験会なども開いています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?