一般社団法人 この花舎

一般社団法人「この花舎」代表の相山と言います。臨床心理士・公認心理師、スクールカウ… もっとみる

一般社団法人 この花舎

一般社団法人「この花舎」代表の相山と言います。臨床心理士・公認心理師、スクールカウンセラー。SE™プラクティショナー。心のこと身体のこと、子ども支援について、またトラウマセラピーや心のケガについての発信もしています。https://vision-of-heart.com/

マガジン

  • こころとからだの心理学〜ソマティックに臨床を語る〜

    臨床心理士がソマティック心理学について語っています。 1〜7のシリーズで「こころとからだの心理学」というコラムを書いていきます。 vol.1 心理学の新しい分野 vol.2 カウンセリング現場の実際 vol.3 第四世代のマインドフルネス vol.4 こころの周辺にある「からだ性」と「瞑想や宗教性」 vol.5 日本人の特性とこれから vol.6 有機的なからだとは vol.7 傷や悩みが癒えることについて

  • 臨床心理士の子ども臨床・子育てコラム

    臨床心理士、スクールカウンセラーの子育てや子ども臨床についてのコラムや日記をまとめています。

最近の記事

こころとからだの心理学 vol.3 第四世代のマインドフルネス

「こころとからだの心理学」シリーズ7の vol.2 カウンセリング現場の実際 からの続きです。 こころとからだの心理学 vol.3第四世代のマインドフルネス お笑いの世界では、第七世代と呼ばれる世代があるそうですね。実は心理学にも、第4世代(5という人もいます)と呼ばれる新しい心理学の分野があります。 「生きている身体」を扱う分野だったり、禅的な生き方に近いマインドフルネスの分野です。身体心理学やソマティック心理学という分野の発展や、ポリヴェーガル理論という考えが、トラ

    • こころとからだの心理学 vol.2 カウンセリング現場の実際

      「こころとからだの心理学」シリーズ7の vol.1 心理学の新しい分野からの続きです。 こころとからだの心理学 vol.2カウンセリング現場の実際 私たちがカウンセリングを受けようと思った時、どうするでしょうか。 具体的な症状がある時は、精神科や心療内科などの病院やクリニックに行くこともあるでしょう。 その場合、保険適応になるカウンセリングは、医者による問診に加えて薬物療法を適応されるか(薬の服用を勧められるか)もしくは、心理士による認知行動療法という思考や言葉を使っ

      • 【爪噛み】症状の見立てと具体的アドバイス

        爪噛みは幼児から小学校高学年まで幅広く見られます。中学生になると減っていく印象ですが、目立たなくなっていったり皮膚むしり(症)やリストカットになっていく女子などを散見します。 また、噛んだ爪を食べている子、噛んでいる姿を人には見せない子、など様々です。 この辺りの症状は、スペクトラム(連続性)になっていると感じでしょうか。 つまりは、相談員やカウンセラー、医者によっても、どこに焦点を当てるか、どこを見るかによって、見立ても変わってくるということです。 例えば、抜毛の子

        • スクールカウンセリング日記〜過剰適応から、等身大の自分へ。

          スクールカウンセリングに興味のある方へ 私がスクールカウンセラーとして相談室で行なっている、カウンセリングの一コマの日記です。 カウンセラーには色んな背景があり、学んできた心理学や、経験してきた現場がそれぞれ違うため、相談室という密室で行われているカウンセリングの内容はそれぞれです。また、守秘義務があるので、その様相はあまり知られていません。 そのため、スクールカウンセリングに興味がある方、勉強中の方、初心の方に何か参考になればと、守秘義務・プライバシーを守りつつ、真実

        こころとからだの心理学 vol.3 第四世代のマインドフルネス

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          こころとからだの心理学 vol.1心理学の新しい分野(ソマティック心理学)

          以前に書いた7回シリーズで「こころとからだの心理学」というコラムを載せます。以下のリンクから読むことができます。 vol.1 心理学の新しい分野 vol.2   カウンセリング現場の実際 vol.3   第四世代のマインドフルネス vol.4 こころの周辺にある「からだ性」と「瞑想や宗教性」 vol.5 日本人の特性とこれから vol.6 有機的なからだとは vol.7 傷や悩みが癒えることについて ではvol.1から始めていきます。 こころとからだの心理学 vol.1

          こころとからだの心理学 vol.1心理学の新しい分野(ソマティック心理学)

          不登校の6つのステージと

          (この記事は2023年3月に書いたもので、公開し忘れていたもののため5月にアップしています) お別れの季節がやってきました。 このシーズンは お別れの準備をしています。 手紙を書いたり 作品をまとめたり 事務的な記録や統計など 色々なことを思い返しながらしています。 人によっては 3、4年間の付き合い 1、2年の付き合いと様々だけれど 不登校の子の卒業を見送ったり 卒業生のその後の姿を見たりすると 小中学校でつまずいたと 深刻になって 泣き明かす必要はないと

          不登校の6つのステージと

          6歳児が語るやさしさについて

          【6歳児が語る、“優しさ”について】 10年以上前のこと。当時、6歳くんが眠りにつく直前に、何かが降りてきたように弾丸トークを始めました。言いたかったことは、こんなことでした。 『やさしさってね、嫌なことは嫌、疲れたときは疲れた、できないことはできないって言うことなんだよ。ご飯つくってて一緒に遊べないときは、遊べないけどお手伝いして?とか、嫌だって泣いてるときは「いやなんだね」って言うこととか「分かったよ」とか「しょうがないね」って言うことなんだよ。 やさしさっていうのは

          6歳児が語るやさしさについて

          ちっちゃな君が教えてくれたこと。

          一度できちゃうと、できないには戻らない。   できないって素敵だ。   できることが増えて成長を感じるのは うれしいけれど・・・   今のその瞬間の未完成の君が、 とてもとても素敵です。 *** 最近、子育て日記を見返しながら、今感じることを加筆して投稿しています。 さて。年度末のお別れの季節です。 園にいると、年少さんの小ささに胸がきゅんとして 小学校にいると、1~2年生の小ささにときめきます。 中学校にいくと、1年生の初々しさにほっとして。 きっと、高校でも

          ちっちゃな君が教えてくれたこと。

          かくれんぼと愛着。そして、その奥へ。

          2023年2月22日。猫ニャーニャーの日に、初めての『子ども支援者グループ』を開きました。 昨年末に、支援者どうしで遊んだり、子どもとのコミュニケーションを学ぶリアルな会をやりたい!と思い立ちました。そして、1月にイベントを立ち上げて実現した会でした。 この記事では、子ども支援者グループで遊んだ「かくれんぼ」について考察しています。遊びの中に隠れている、深淵さ、遊びの大切さについてを書いていきます。     目次 私の中の3つのパーツ 子どもの居場所になる大人を増や

          かくれんぼと愛着。そして、その奥へ。

          ”心配な子”がいるわけではなく、”心配している自分”がいるだけ・・・?

          勉強や運動ができて、優しくて、好きなこと好きな人がたくさんいて自己肯定感が高い…のが理想?ホント? この社会には、世の中には できるーできない あるーない 高いー低い 多いー少ない 本当に、この物差ししかないのでしょうか? 自分はダメだ。生きてる意味がない・・・など まだ生まれて10年前後で、そんな考えが浮かぶ子どもたちがいます。 何かの評価や人との比較の中でつぶれそうになっている子どもたち障害や検査、診断や薬でいわゆる健康に、平均にさせられている子どもたちに自分

          ”心配な子”がいるわけではなく、”心配している自分”がいるだけ・・・?

          ソマティック心理学とは?

          こんにちは。 子ども専門・トラウマ専門の臨床心理士が運営する、一般社団法人 この花舎では、心や育ちが心配なお子さんに関わる大人たちが「私も、この子も大丈夫」と思えるように、大人の安心を増やしたい、そんな思いで活動しています。 子どもの心のカウンセリング、子育て支援の現場にいると感じることがあります。   🔶「カウンセリングは、話を聴いて共感するだけでいいの?」 🔶「何でも、発達障害、グレーゾーン、H S C(P)、起立性調節障害・・・にしてしまう風潮に、カウンセラーも巻き

          ソマティック心理学とは?

          子どものセラピーに必要なもの。適度な活性化あそび

          セラピーというと、優しい感じの癒しというイメージがありますが、子どものセラピーの場合は、適度に活性化してくれる遊びが、とてもとても助けになります。 特に、トラウマ反応のある子には、癒しは脅威だったりするので、適度な活性化のある遊びがかかせません。 私の相談室には、静かな遊び、動の遊び、感触あそび、感覚統合あそびなどが意図的に置いてあります。 お気に入りは、マンカラ。 先日の記事でも書いたコグトレ棒。 そして、先日ミニビリヤードが届きましたーー!! なかなかです。 オン

          子どものセラピーに必要なもの。適度な活性化あそび

          母子間の愛着・橋渡しセラピー

          愛着というと、どうしても母子間のテーマというイメージがあります。 けれど、違う視点をカウンセラーの立場から書いてみます。 1,愛着や愛着障害とは? 「愛着」というのは、ある特定の人(親に限りませんが多くは母親もしくは父親)との絆のことを指しています。二者関係での心のつながりが基盤となって、その後の社会的な関係性が積み上げられていく土台のようなものです。 現場では、発達障害と呼ばれているお子さんの中に愛着障害と呼ばれるお子さんがいたり、愛着関係のやり残しがあって、情緒面

          母子間の愛着・橋渡しセラピー

          トラウマを4つに分けるとしたら。

          みなさん。 「トラウマ」という言葉を聴いて何を連想しますか? 大きな災害や、P T S D、フラッシュバック、そのようなことを連想する方がいらっしゃるかと思います。 もちろんそれらもトラウマ分野で出てくる言葉なのですが、トラウマには4つの分野があると言われています。 急すぎる 大きすぎる 多すぎる 長すぎる この中で、「急すぎる」ことや「大きすぎる」出来事というのは比較的イメージしやすいと思います。急な事故や事件、身近な人の死や災害などです。 では、「多すぎる

          トラウマを4つに分けるとしたら。

          子どものための、今ここワーク(イルカと遊ぶ・マインドフルワーク)

          お子さんのための、マインドフルネスとしてのご紹介です。 大人だと、瞑想になりますが 子どもの場合は、ファンタジー・イメージ・遊び心で 心の中に自分が支えられている感覚を 理屈ではなく感覚で育てていきます。 6つのステップがあります。 ①【今の元気度を数字で聞いていく】 ②【君の大切なもの4つ教えて?】 ③【全集中の技を発動!からだに集中してみよう】 ④【想像・イメージの力を手に入れる・ゲットだぜ!】 ⑤【プレゼントを受け取る方法】 ⑥【振り返り:今はどんな感じ

          子どものための、今ここワーク(イルカと遊ぶ・マインドフルワーク)

          有機的な私たちのからだ

          からだの時間はどうやって流れているのでしょうか。 もしかしたら頭で考えることよりも、ゆっくりと流れているのかもしれません。そして正直に動いているのかもしれません。 私たちの頭というのは、〜しなければならない、次にこれをしてアレをして・・・忙しく動いています。頭の役割というのは、私たちが社会で生きていくために頑張ってくれています。 一方で、からだはどうでしょうか。 頭の言うことを聞いて動く、動き方 習慣で身についた動き からだ本来の動き この、3つあると考えます。

          有機的な私たちのからだ