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【爪噛み】症状の見立てと具体的アドバイス

爪噛みは幼児から小学校高学年まで幅広く見られます。中学生になると減っていく印象ですが、目立たなくなっていったり皮膚むしり(症)やリストカットになっていく女子などを散見します。

また、噛んだ爪を食べている子、噛んでいる姿を人には見せない子、など様々です。

この辺りの症状は、スペクトラム(連続性)になっていると感じでしょうか。

つまりは、相談員やカウンセラー、医者によっても、どこに焦点を当てるか、どこを見るかによって、見立ても変わってくるということです。

例えば、抜毛の子で毛根を食べている子、普通では食べないものを食べてしまう異食の子、先ほどあげたリスカや皮膚むしりや爪噛みなども、どこからどこまでが自傷行為なのか自慰の行為なのか、強迫行動なのか、摂食に関する問題なのか、発達障がいがあるのか、症候群なのか・・・

栄養面から見て、例えば鉄分が足りてない子に多い症状だという方もいるし、噛むというのは原始的な要求だったり、怒りの放出だったりと解釈する方もいらっしゃるし。愛情不足だという人もいたり、ざっくりと「ストレスからくるもの」と捉える人もいるわけです。お医者さまによっては不安が背景にあると見立てて、SSRI系の薬を処方する場合もあるのではないでしょうか。


では、どのように周りの大人は接したら良いのでしょうか?

現場にいて、以下の2つに注目してみるとわかりやすいと感じています。

まず一つめは、『爪を噛むことで安心していますか?』
ということに注目してみましょう。

・爪噛みが安心材料になっている

この場合は、不安やイライラがあるときにストレスを和らげるための対処行動になっているので、「新しいストレス対処法を一緒に考える」「新しいストレス対処法を提案する」「今できている、ストレス対処法でいい感じのものを肯定して強化する」などができそうです。

二つめは、『爪を噛むときの様子はどうですか?』
ということを見てみましょう。

・時間を忘れている。ぼーっとした感覚になっている。

この場合は、意識が低覚醒の状態なので、新鮮な空気を入れてあげるように接していきます。

人は不安が高まると、交感神経が活性化します。それが過剰になると、ボーッとするような感覚で自分のバランスを取っているのですね。

つまり、ストレスが過多でバランスを取っているのに、余計なストレスになる(交感神経の活性化が起きる)ような対応は、逆効果ということがわかります。つまり、爪噛み自体を「怒っても意味がない」「叱っては逆効果」ということです。

【北風と太陽】のお話のように、服を脱がせようと北風を吹かせるよりも、太陽でぽかぽかしていたらいいということですね。

では、放っておいていいの?という話

放っとけばいいというのは、私たち日本人は苦手なことが多いように思います。人との関係性の中で、境界線が”あいまい”というのが得意な民族だからです。

そのため、具体的にできることがあった方が、安心できると思うのでよかったら以下を参考にしてみてください。

具体的にできることの例

具体的なプチテクニックをご紹介します。

マネキュアを塗ったら噛むのがやめられた子がいます。

一緒に折り紙をする時間を設けたら母子の関係・つながりも作れるきっかけになったケースもあります。

ハンドマッサージで指のツボの絵などを見て練習する時間が楽しみになった親子がいます。

そのほかにも、爪噛み自体には注目せず
・部屋の空気を入れ替える。
・お風呂や(楽しいと思える)外出などに誘って場面を変える。
・ハンドクリームなどでハンドマッサージの時間を取る。

このようなことで気持ちが入れ替わることが多々あります。

そして、大事なのは、こういうことをした時に、
「気持ちいいね」
「さっぱりしたね!」
「落ち着いて眠くなるね」などとカラダの気持ちの共感をすることです。

このカラダの気持ちの共感というのは、通常の共感とは違って体感覚が含まれています。

気持ちの共感は、身体感覚も含めて

私たちは、ストレスを受けた時に自分の身体から抜け出てしまって、感覚が麻痺してしまうことがあります。そんな時に、自分の身体感覚や何が今起こっているかを観察できると、ぼーっとした状態から少しずつ抜けていくことができます。

「今、わたしは(僕は)こんな感じ」という自分の気持ちや自分の体の状態、身体感覚を言語化できるように、少しずつ大人も一緒に(大人こそ!かもしれませんね)チャレンジしていきましょう。

僅かな変化でも、よくそれを言えたねなど、強化してあげたりするとよいですね🌟

お読みいただきありがとうございました。

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