オレンジの記憶【全3話】3
モートは眠っているレーリーを抱きかかえて裁縫屋に連れて行った。
疲れて眠っているだけだ、2時間もすれば目を覚ますから寝かしてやってくれというと、女店主は、うさん臭そうに信じようとはしなかった。
けれど、モートがいくばくかの金を握らせると無理やり納得したようだった。
「さて。これで魂が肉体にもどっているといいんだがな」
屋敷にもどると、モートはわき目もふらずに魔法陣の部屋に直行し、呪文を唱えるとルーの胸に手を当てた。
「ダネル、魂が戻った反応があるぞ。俺は行く。あとはよろ