マガジンのカバー画像

能登半島地震

22
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

被災してわかった命の重さの違い

被災してわかった命の重さの違い

能登半島地震が起きてから、近くの小学校に避難した。母校だ。
電気が来ていた。停電している場所が多い中、ありがたい。ただし、水はない。電波状態も悪い。格安スマホをうらんだ。緊急地震速報も通知が来たり、来なかったり。娘に契約し直してと言われる。そうだね、いつか追いついたらね。いま必要な機能なのに遅いけど。

避難所には電気しかない。自宅から布団や毛布を持ち込み、体育の授業で使うマットを敷いて場所を確保

もっとみる
2次避難のすすめ(能登半島地震の場合)

2次避難のすすめ(能登半島地震の場合)

被災しないと避難の違いを意識することはありませんが、知識として知ってくと惑わされることがありません。私自身の経験を踏まえて紹介します。

避難の種類地震など災害時の避難には何種類かあります。

1次避難(地域の学校や公民館などに避難すること)

1.5次避難(県が設営した避難所に一時的に避難すること)

2次避難(被災地から離れた旅館やホテル・福祉機関に避難すること)

在宅避難(ライフラインや倒

もっとみる
震災で書けなかったライターが再び

震災で書けなかったライターが再び

書けなくて悩んでいたときに、ライティングの師匠がくれた言葉にハッとした。書くことが目的ではなく、生きるために書くのだ。家族や生活、私を取り巻くすべてのものを支えるために、自分のために書いているのだ。いま書けないことは罪ではない、いつか書けると思った。

2024年1月1日の能登半島地震はすべてをリセットした。
叔母は亡くなって無念だったが、ほかの家族が無事だったのが本当によかった。生きてこそ。

もっとみる
義援金?寄附金?支援金?被災地のためにできる支援3種類の違いを整理します

義援金?寄附金?支援金?被災地のためにできる支援3種類の違いを整理します

(冒頭のイラストは、穴水町出身のデザイナー・竹野順子さんの作品です)

2024年1月1日に起きた能登半島に、全国から支援をいただいています。現地で毎日、各地の車両や支援してくださる方に感謝し勇気づけられています。読者の方の中にも、何かの支援をしたいと考えてくださっている方がいるかもしれません。ありがとうございます。

現地の状況とボランティアの受け入れ現在の被災地では、上下水道が復旧しておらず宿

もっとみる
被災地の焦り〜忘れないで

被災地の焦り〜忘れないで

被災して一番の心配事は、世間から忘れられることです。発災直後は何時間でも報道されていたのに、取り上げられる時間は日に日に減っていきます。NHKは、毎日短時間でも取り上げてくれているので本当にうれしい。

報道される量が減ると、被害が収まっているかの印象を与えるかもしれません。現地の認識は違います。地震が起こった1月1日から、町の様子は変わらないどころか悪化しているのです。

初日の地震で崩壊した建

もっとみる
親の選択、子どもの将来〜震災時の決断

親の選択、子どもの将来〜震災時の決断

子どもの将来を背負うなんて無理だと思っていた。親と子は別人格。どんな将来が待ち受けているかはだれにも分からない。被災地を離れるかどうか、学校はどうするか、感染症が流行する被災地で悩んでいた。

迫られる決断2024年の1月1日の能登半島地震が起こって以来、決断の連続だった。家族の身の安全を守ること、自宅を片付けて修理すること、仕事を継続できるか判断すること。考える間もなく決断しなければならないこと

もっとみる
自宅で起こった能登半島地震が自分ごとになったとき

自宅で起こった能登半島地震が自分ごとになったとき

令和6年1月1日午後4時10分頃、能登半島地震が発生した。そのとき私は石川県輪島市の自宅にいた。被災地のど真ん中である。しかし、何が起こったか分からず、どこかで傍観している自分がいた。まずは事態を冷静に把握しようと思っていたのかもしれない。

発災時の状況発災当時、私は2階の寝室で小学校5年生で発達障害の息子とベッドの上で寝転がっていた。そこに地震が起こる。私をはじめ能登の人間は地震慣れしている。

もっとみる
大規模火災の跡を歩く〜能登半島地震から1ヶ月

大規模火災の跡を歩く〜能登半島地震から1ヶ月

2024年1月1日能登半島地震により発生し、3日以上続いた大規模火災。報道によれば、焼失面積は約4万9千平方メートル(東京ドームより少し広い)、240棟が消失したという。私は、1カ月後の現場を訪れました。

行きたくて行けなかった大火事の現場へ行くと、思ったより冷静に受け止められました。行く前は、現地へ行ったら感情が抑えきれず、立ち直れないかもとしれないと心配していたのです。そのため、小5の子ども

もっとみる