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#上橋菜穂子

通勤電車の憂鬱を和らげてくれる(ほんのはなし11)

通勤電車の憂鬱を和らげてくれる(ほんのはなし11)

朝、ホームで電車を待つ。私が乗るのは都下に向かう電車。反対ホームにやってくる電車はいつも混雑している。反対方面よりは空いているけど、それでも途中からどんどこ乗ってくる。乗り換え駅に到着。乗り換える電車は階段の下。ホームには階段が一か所しかないたから、電車の到着が重なると階段を上がる人と下りる人ですごいことになる。そして三か所しかない自動改札。ピンポーンと鳴って閉まるとなかなか開かない。私もタッチし

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自分の今をしっかり見つめる(本のはなし6)

自分の今をしっかり見つめる(本のはなし6)

久しぶりにファンタジーを読みたいな、と思って手に取ったのは上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』。前に『獣の奏者』を読み、不思議なお話の世界に連れて行かれた。そして今回もまた、どこかの国の不思議なお話の中に引きずり込まれた。

本の中に天狗や狐が出てくる。人に化けた狐や天狗はどんな風貌をしているのか?と想像したり、「若芽をはらんだ枝先がうっすらと赤みを帯び、あわい靄のように山肌をおおっていた。花が咲いた

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違う視点でものを見る(本のはなし5)

違う視点でものを見る(本のはなし5)

『明日は、いずこの空の下』(上橋菜穂子)は旅のエッセイ。スコットランド、オーストラリア、ポーランド、イランなどを旅されている。著者のお人柄だろう、優しい文章で、豊かな経験を味わうことができる。

オーストラリアでは羊のしっぽをおいしい!と食べたり、イランの印象が全然違ったこと、お城の階段がぐるぐるで奥行きが狭めてあるのは、鎧を着た人が歩きにくいようにしてあるなど、私の知らないことをたくさん教えても

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