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黒板に全員を集中させる技 ワクワク文字練習⑥ イケイケ編(後)

前回「『き』で始まる言葉見つけ」の授業例では、子どもたち全員を授業(黒板)に集中させる技として次の5つ(●1~●5)をご紹介。

●1 他の子が知らなそうな言葉は、発表者に説明させる。

2 指示・発問を入れて、全員に声を出させる。時には「手を上げて」と体を動かさせる。

3 わざと濁点・半濁点を間違えたり、1字抜かして書いたりして、子どもに訂正させる。

●4 文字数、濁点(び)・半濁点(ぴ)、拗音(ひゃ・ひゅ・ひょ)、促音(ひっ)に注目させる。

●5 全員の発表が終わり、授業時間が数分あったら、黒板に書かれた言葉を使って授業をする。

今回はイケイケな発表活動の後編。

その後、どんな変化を授業に加えていくか?

ズバリ! ●5の変化形!

黒板に書かれた言葉を使って、子どもたちに問題を作らせる。

問題を作るのは子どもたち!
子どもが出題者であり、回答者!

コレで、子どもたちを授業に集中させる。

前回●5では、黒板に書かれた言葉を使って、教師が次の問題を出した。

「この中に『食べ物』は、いくつあるでしょう?」
「この中に『生き物』は、いくつあるでしょう?」

(黒板イラスト他、この後の授業展開は前編をご覧ください。)

『き』『く』で同じ発問をしたら『け』の時には、大半の子どもが「先生、また言うんだろうな」と思っている。

だから『け』の時には「先生は、次に何て言うでしょう?」と聞く。

可愛い声で「この中に『食べ物』は、いくつあるでしょう?」と教師の口マネをして答えてくれるかもしれない。

勘のいい子どもなら既に数えて待っているかもしれない。

得意がって「それなら13個だよ」と早々に答えるかもしれない。そんな子は間違いなく「それくらいのことお見通しだぜ!」って、いい面構えを見せてくれる。

ヨッシャ! ヤッタゼ!
楽しい授業全開だ。

「嬉しいなぁ! そこまで分かってくれているの!」
「ホントに13個かな? みんなで確かめてみよう。」
そう言って、授業を進めればいい。


そして「じゃあ、今度は、みんなに問題を作ってもらおうかな。」と言えばいい。

「黒板を見て、みんなで答えを確かめられるような問題を作ってね。」と条件をつける。

子どもたちは問題に答えるのも好きだけど、問題を出すのはもっと好きだ。

このような活動を繰り返すうちに、黒板に書かれた言葉を見ながら「オモシロイ問題を作れないかな」と考えて待つようになる。

『し』の頃には、もう準備万端。子どもたちは、イケイケ状態で黒板を見て待っている。

子どもたちの発表を書いた後の黒板は、こんなイメージ。

子どもたちが考える問題は、こんなカンジかな。(「この中に『○○○』はいくつあるでしょう?」の『○○○』部分だけ以下に並べます。)

『食べ物』『生き物』
『お菓子』『野菜』『動物』『鳥』『虫』
『乗り物』

もっと、あるかもしれない。
たぶん、これを読んでいる大人なら『中華料理』とか言い出すのかな。

問題作りを経験すれば、次第に言葉の仲間分けを理解する。子どもたちは、文字を読み、意味を考え、仲間分けを考えながら黒板を見るようになる。

つまり、こういう流れだ。

「『○』で始まる言葉見つけ」とその発表は慣れるに従って短時間でできるようになる。
その時点で、教師からの問題提示。
そして更に、子どもたちでの問題作りと変化を入れていく。


最初は「『○』で始まる言葉」と見つけることに集中していた子どもたちは、慣れるに従い、文字数や濁点・半濁点の有無、発表された言葉の意味や既に発表された言葉との仲間分けも気にしながら黒板の文字に集中する。

『食べ物』『生き物』から始まって、『お菓子』『野菜』などの下位分類を見つけたり、『乗り物』などの新しい分類を子どもたち自身で見つけたりする。

意外な言葉、意外な仲間分けが出ると大きな歓声が上がる。
意外な子が、意外な言葉に気がついたりする。それが楽しい。

「黒板に集中しなさい」
「友達の発表をしっかり聞きなさい」
と注意する必要はない。
そんな注意は無駄で、効果がない。


黒板に書かれた言葉、友達の発表に興味を持たせればいい。

「8文字にテンテンとマルの両方つきだ」
「また『動物』が出たぞ」
と興味をもって黒板の文字を読み、友達の発表を聞くようにすればいい。

それだけだ。

できていないコトに「~しろ」と言わない。
できるコトを「~しよう」と言う。

(詳しくは『悪魔払い 2の極意』

そういうことだ。

余談だけど、「『し』で始まる言葉見つけ」をしていて、たつやくんが『しんけんしらはどり』と言った。

当然、「それ、何?」って話になった。

「あのね……」と言って、たつやくんは掃除用具箱から教師用の長箒を持ち出し「先生、ちょっといい? これ持って。」と相手をさせられたワケですよ。もちろん、スローモーションだけどね。

それにしたって、子どもの脳天めがけて長箒を振り下ろすなんて、人に見られたらどうすんじゃい! キミがよくても、私が困る!

以後、「やって見せるような『動きのあるもの(動作)』はナシね」とNGワードを増やしました。

放置したら、お調子乗り男子が『背負い投げ』とか『卍固め』とか言い出すのは目に見えてるからね。それは私には出来ないワルノリです。
もちろん、自信のある方はどうぞ! 盛り上がることは確実です。

次回、ほんとのワルノリ編。

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