Chiba

気がつけば41歳

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花火がうつくしくて泣いた夜

雨にぬれるコンクリートに腰掛け 傘をさしながらその時を待っていた 予定時刻ちょうど  ゆらゆらと天に昇りはじめる火の玉 ぱっと煌めき視界におさまりきらないほどに広がる光に時が止まる 夜の空気を揺らす振動と内臓に響くような低い爆発音が後を追う 人々の歓声 ちらちらと水面に落ちる火花 うつくしさに涙が流れた 40代になると花火がうつくしくて泣くこともあるんだな とぼんやり思う 花火大会がある夏 それがままならなかったこの2年ほど 花火職人のみなさまの心情な

    • 心の隙間

      春を前に持ち上がった配偶者の引っ越し騒ぎもおさまり 娘は春休みで実家へ 時間ができたわたしはまた心の隙間なんてことを考え出す 40歳の孤独を埋めてくれた音楽に加え 5月6月と夢のようなライブチケットが「ご用意された」とのこと 心を満たす音楽に囲まれているこの幸せな現状で なぜまた隙間を埋めたくなるのか 隙間はあるのか もう埋まっているのではないか お金があれば埋まるのか きっとこの性格である限り 財産の有無は関係なく わたしが死ぬまで永遠の問いになって

      • 祝福

        生まれた日を おめでとう  と言ってもらえる相手がいることも おめでとう と言える相手がいることも 永遠には続かない とても尊く幸せなことなのだろう 41回目の誕生日 B'zPARTYからのバースデーカードと 献血のラブラッド会員メール ただ2つだけ お金と血液からもらえた祝福 その心境を伝えたら娘が救いの一言をくれた お母さんおたんじょうびおめでとう あとは自分で自分を祝うだけ 今宵は宴だ

        • 1年

          SSW2020の配信で浅岡さんの声に心がふるえたあの日から、もう1年ほどが経つ SSW2021は絶対に会場で参加して、あの唄声を大阪城の夕焼けの下で聴くんだ、と強く思った その割に情報収集が甘かった今年 気づけば大柴さんひとりのSSW2021は終了していた きっと素晴らしく熱い熱い時が流れていたに違いない 今年は叶わなかったけれど、2022はきっとまたみなさんの音楽が唄声が、そしてギターの音色が集まるSSWに参加できますように

        花火がうつくしくて泣いた夜

          たいせつなもの

          好きな音楽 映画 本  人生を豊かにするかけがえのないものたち 受け手としての自分の器の状態によって その響き方は カタチを変えるけれど 10代から40代を迎える現在まで わたしはいくつかの大切なものに出会いに 背中を押され 支えられてきた 一時的に熱を上げすぎると静かに冷めてゆき あんなに響いたものが響かなくなる ということが多々ある中で AllyMcbeal 恋のチカラ  B'z Muse Fun. NateRuessさん  伊

          たいせつなもの

          Re:start

          いつか いつか と願っていた夢が叶ってしまった 浅岡さんの音楽をこの目と耳で感じたい  という夢 わたしがCDや配信ライブで心奪われていた浅岡さんの歌声 ライブで聴くそれは  想像をはるかに上回るほど魅力的で不思議な力にあふれていた 心動かされる美しさが目の前で奏でられる この素晴らしくただただ尊い時間を過ごせたことで また今ここからがんばっていける そんな力をもらえるライブだった  浅岡さん サポートメンバーのみなさん スタッフのみなさん 本当にあり

          うつくしいもの

          流れつづけるTwitterの世界 少し休みたい そう思って立ち止まっている間にも どんどん流れゆくタイムラインの速さについていけなくなり もう追いつけないほどに遠く離れてしまったな と ふと感じる 改めて自分の熱量と経済力の不足を実感して音楽からも遠ざかる それでもなんとかイヤホンを耳に押しこみ 再生 からだじゅうに響く声にまた心を奪われる なんてきれいな声なんだろう うつくしさと一瞬で心魅かれる不思議な力になぜか目が潤む 心が色づき わたしも再生する

          うつくしいもの

          自由

          今さらながら 自分の社会性のなさを実感している 仕事はコロナの影響で在宅と出社が五割ずつ 他者との関わりが著しく減っている わたしにとってはありがたいこの平穏な暮らしも 母親として 学校 学童 町内児童クラブなどとの関わりからは逃れられないのだ 普通ならば仕方がないと受け入れるべき社会的活動 ついつい悪いクセが出て  それすらからも逃げようとした愚かな40歳 結果逃げられず ひとりダメージを受けて布団に引きこもる 30代前半に夫の母国でまったく社会性のない

          2021

          2021年の幕開けとともにわたしを考えさせる三つの言葉 「普通」「幸せ」「貧困」 最寄り駅へ向かう年の瀬の朝  道端で20年ぶりに声を交わした同級生は 「普通」ではないその人生は「幸せ」なのか という問いをわたしに投げかけてきた そして統計で計算される数字によると 将来設計を描くことなく40歳を迎えてしまったわたしが大黒柱である我が家は相対的「貧困」世帯に定義される 20年違う世界を歩んできた同級生にとって普通ではないと感じられるこの人生がわたしにとっては普通

          孤独を埋めるもの

          人の心の何か足りない部分を埋めるべきは 恋人でもなければ親でもない そうだろう 大好きなミュージシャンの紡いだ歌詞の先を 自分自身で考えていかなければ  2020年晩夏 ふんわりとした孤独感を払拭すべく わたしは40歳を目前に意気込んでいた けれど音楽をふたたび聴きはじめ 「肌荒れ」という言葉では片づけられないほどにひどくなった顔の状態に悩まされ 痛みと絶望感と真っすぐ向き合い それでも心動かされる音楽を必死で追いかけた結果 40歳になったわたしは孤独と

          孤独を埋めるもの

          40歳の孤独

          きっと暇なのだと思う 孤独感と虚無感に包まれてひとりモヤモヤしていられる時間がある そういうことなのだろう 仕事は以前に比べて体力的にも精神的にも負担の少ない職種に変わった 小さな命は気がつけば私の手を振りほどき 自分の世界へと羽ばたいていく時期がきっともうすぐそこにきている そしていちばんの悩みのタネである我が配偶者は Covid-19により母国から戻って来られないまま半年以上が経つ モヤモヤする時間ができて当然 もともと多いとはいえない友人たちも それぞれの

          40歳の孤独

          きっかけ

          それは本当に偶然のできごと 長らく音楽から遠ざかっていた フジロック サマソニ ライブハウスからコンサートホール  音楽のために心を弾ませ遠征することから遠ざかってどのくらいだろう 音楽とともにはじまり音楽とともに終える毎日は いつ途切れてしまったのだろう 無意識に音楽を口ずさみながら過ごす時間 頭に流れる音楽に心奪われながら過ごす一日 そんな日々は一体いつわたしの毎日ではなくなってしまったのか 気がつけば鏡の中の自分は わたしがわたしと思い描く脳内のイメージ

          きっかけ