孤独を埋めるもの

人の心の何か足りない部分を埋めるべきは

恋人でもなければ親でもない そうだろう

大好きなミュージシャンの紡いだ歌詞の先を

自分自身で考えていかなければ 


2020年晩夏

ふんわりとした孤独感を払拭すべく

わたしは40歳を目前に意気込んでいた


けれど音楽をふたたび聴きはじめ

「肌荒れ」という言葉では片づけられないほどにひどくなった顔の状態に悩まされ

痛みと絶望感と真っすぐ向き合い

それでも心動かされる音楽を必死で追いかけた結果


40歳になったわたしは孤独という感情を忘れていた

心の中に残る15歳の自分に助けられながら

日々を暮らす

ただそれだけの毎日


そこにあったはずの孤独は

名前のない感情に戻っていた

痛みに必死で耐え 音楽に夢中になる中で

いつの間にか孤独をかみしめる暇もなくなっていた


わたしを包む名前のない感情に

孤独という名をつければ 孤独になり

孤独以外の名をつければ それは孤独ではなくなる


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