ソーダにアイスを添えただけ?【男子大学生がクリームソーダにハマった理由】
クリームソーダが好き。
紅茶でもなく、コーヒーでもなく、クリームソーダ。
好きが高じて大学の課題である社会人インタビューでは、クリームソーダ職人であるtsunekawa氏と脱サラカレー職人である玉置氏の2人が店主として営む「旅する喫茶」を取材するにまで至りました。
では、なぜ好きなのか。
まともに言語化した覚えがなかったので、これを機に語っていきたいと思います。
クリームソーダとの出会い
2021年8月5日。
汗も滴る真夏日に唐突に頭に浮かんだ「クリームソーダが飲んでみたい」
地元の喫茶店「珈琲茶館OB」に訪れました。
迷うことなくクリームソーダを頼み、出てきたのが...
まるで金魚鉢のようなグラスに惜しみなく注がれたソーダに、
ディッシャー2杯分のアイス、ホイップクリームの上に添えられたさくらんぼ。
規格外のサイズ感に圧倒されながらも、ひたすらに飲み続け、なんとか飲み干しました…
その後、喫茶店のメニューを見るたびに、Instaglamのお洒落な投稿を見るたびに、X(旧Twitter)のタイムラインを眺めているたびに、クリームソーダに目を止めてしまう自分。
「あともう一度…」そうしてクリームソーダを頼むこと数回。
気づけばクリームソーダの虜になってしまったのでした。
完成されたビジュアル
クリームソーダ(以下クリソ)を語る上で外せないのはビジュアル。
クリソの主な構成要素は
・グラス
・ロックアイス
・ソーダ水(シロップ+炭酸水)
・アイスクリーム
・さくらんぼ
特別なものはなにもなく、それぞれが多種多様な飲食物に用いられる、いわゆる「消耗品」の類い。
丸みを帯びたグラスにこれでもかとロックアイスを積み上げ、ソーダ水を注ぐ。
ディッシャーですくったアイスクリームを浮かべ、最後にさくらんぼを添える。
消耗品をまるで積み木のように積み上げていく。
そんな過程を経て出来上がるクリソが織りなすのは、あの独特なビジュアル。
絶妙な弧を描く曲線に囲われる中で、泡と色と氷とがひしめき合っている様は
綺麗なものを敷き詰めた、淡い万華鏡とでも形容したくなる美しさ。
その上に悠然と浮かぶアイスクリームはクリソがデザートであることを視覚的に訴えかけ、さくらんぼの赤はよきアクセントになっています。
要するにクリソのビジュアルはそのすべてをもってして完成されているのです。
どのように撮れば一番魅力的に映るのか。
そうしてクリソに思いを馳せる時間すら楽しいのです。
移ろいゆく姿
クリソは儚い。
当たり前だが、アイスクリームもロックアイスもすぐに溶けてしまう。
うまく写真が撮れずに唸っていると
溶け出してかさ増しされたソーダ水がグラスから溢れそうになることもしばしば....
だがそれがよい。
美しく澄んでいたグラスの中も
時間が経てばこの通り。
ソーダ水とアイスが混じり合い、クリアだった世界が曖昧に溶け合う。
時間とともに移りゆく姿は刹那的でどこか幻想的でもあります。
その瞬間を逃すまいと、しっかりと目に焼き付けた後に、何度でもシャッターを切ってしまうのです。
炭酸とアイスが混ざることで、まるで泡風呂のような姿になることもあります。
こういった「かわいい」側面もクリソが愛しい理由です。
クリソは自由だ。
クリソはもはや概念なのではないか?と時々思うのです。
ただ「クリームソーダ」とメニューに書かれていても、お店ごとに本当に様々。
こちらは全国チェーンPRONTOでの夜業態「キッサカバ」にて注文できる
クリームソーダ(メロン) ¥649
実はこのクリソ、本来の姿ではない。通常のものはアイスクリームが上にのっているのですが、私が来店した際にお店がちょうどアイスを切らしてしまい、生クリームで代用してもらったという激レア一品物。
おそらく2度と巡り合えないという貴重さよりも「生クリームでいいんだ!」という感動の方が強く印象に残りました。
別にいいじゃないか。
「クリーム」ソーダという名前なのだから。
続いての一品はもう何度も紹介している「旅する喫茶」の
12月のクリームソーダ ¥1100
高円寺の店舗では月替りで限定のクリソを提供しているのですが、
12月ということでかなり豪華でクリスマスなクリソでした。
というかこれ、もはやケーキでは?
クリソは飲めるケーキなのかもしれない…
こちらは日本橋高島屋の中にある「cafe 黒澤文庫」の
クリームソーダ ¥1200
「本と珈琲とインクの匂い」と銘打たれている店内は本棚が立ち並び、
振り子時計がたくさん壁にかけられているなど、シックかつ独特な世界観。
総じて落ち着いた雰囲気の店内で読書して過ごせば
至福のひとときとなるでしょう。
そんなお店のメニュー表にさも当然のように擬態していたのが
こちらのクリソ(?)。
いやクリームってそういう意味じゃねぇよ
声に出してツッコみたい衝動を抑えられたのは本当に奇跡だった。
どうしてオレンジソーダにソフトクリームを突っ込んでみようという発想に至るのか。
アイスクリームが逆さでも成り立つのはトルコアイスと
このクリソくらいではないでしょうか。
最後に紹介したいクリソは三軒茶屋駅から徒歩数分、居酒屋「酒羅場」より
大人のクリームソーダ ¥440
なんか怖いよ...
あれだけ可愛いくて綺麗なはずのクリソが
たった3文字で意味わからないくらい覇気を放っています。
グラスで様々なシルエットに変わるのもまたクリソの魅力ですが、
まさか怖い方面に舵を切るクリソが現れるとは思いもしませんでした。
「クリームソーダ」と名がついていさえすれば、味も中身もビジュアルも自由。
漫画、小説、新聞、雑誌、ブログ、クリソ...
創意工夫が試される名だたる媒体たちに、クリソが並ぶ日も近いのかも…
クリソを通して省みる自己
冒頭に述べた社会人インタビューでtsunekawa氏に
「旅の魅力とは?」と伺いました。
旅を通して自分を見つめ直していく。
好きなものに触れているその時々の自分が何を感じていたのか。
旅への愛とともに彼の人間性と創作性を表すような、素晴らしい回答をいただけました。
この言葉を自分に反芻させた時、そこに当てはまるのはクリソなのかもしれない。
「甘いものを飲みたい」「疲れたから癒やされたい」
「きれいな写真が撮りたい」「好きな人と共有したい」
様々な想いを胸に
「あの時飲んだクリソは〜で」「こんなお店にあったクリソで」
「旅先で偶然見つけたクリソで」「あの人と一緒に飲んだクリソで」
たくさんの思い出とともにある好きなもの。
たかが2年、されど2年、クリームソーダを好きでい続けた。
撮った写真を見返せば、まるで鏡のように自分をうつしだす。
そんなクリソをこれからも愛していきたいのです。
あとがき
ようやく出せた3記事目。
前回の記事の「スキ」が50手前まで至り
それに伴って最初の記事も同時にご覧いただけたようで全体ビューが200を超えフォロワー数も100人間近という
予想を遥かに超える反響をいただけてとても嬉しかった反面、
次の記事はどういった内容がいいものかとかなり思い悩んでいました。
自分の恋愛の前日譚のような、断片のようなものを描いた前回の音と紡ぐ自己①。
そこからなぜクリームソーダになったのか。
「好きな人と共有したい」
「あの人と一緒に飲んだクリソで」
そうです。
私の恋愛はクリームソーダと共にあった。
男女2人きりで出かけることをデートと呼ぶのなら
そのデートとやらで何度もクリソがある喫茶店を訪れました。
好きな人と好きなものを同時に目の前にしたときの胸の高鳴りほど心地いいものを私は未だに知らない。
ならばクリームソーダへの愛を説くことは
本格的に自分の恋愛を書いていく前書きとして申し分ないなと。
同じく前書きとすべきものと考えられるのは、もう一つの好きなもの
バリトンサックス。すなわち吹奏楽との出会い。
こちらも追々記事にしていきたいと考えていますが、近々文学関係で大きなイベントに参加することになっており、そちらで出展するものを鋭意制作中のため、
またしても次の記事までかなりお時間を頂いてしまうかもしれません。
代わりに制作物を形にして上記したイベントの詳細等をお伝えできればと思いますので、首を長くしてお待ち下さい🙇♀🙇♂🙇
それでは、また次の記事で。
↑ 前回記事です!
↑ 自己紹介の記事もぜひ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?