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◎四ツ谷駅から信濃町駅までのディープな散歩道

四ツ谷には、土木学会があり、最近何かと所用が多いので、足を運ぶことも多く、ある意味おなじみの街です。一方そのお隣である信濃町駅は、神宮外苑に何度か行った以外はあまりなじみが無く、未知のエリアであると言えるでしょう。このお隣の駅との間を結ぶ街歩きを楽しみました。

今回の歩行コース。四ツ谷駅から信濃町駅に向かう約2.7kmの行程です。

■コース
①四ツ谷・外濠公園(土木学会前)
→②四谷見附橋(架け替えられた大正の名橋)
→③外濠とJR・地下鉄丸ノ内線→④迎賓館
→⑤朝日橋(御所トンネルのビュースポット)
→⑥鉄砲坂(凹凸地形の楽しみ)→⑦谷町(谷沿いに広がる住宅街)
→⑧鮫ヶ橋通ガード(古いガードをくぐる)
→⑨首都高直下のディープな小径→⑩JR線の小さなガード
→⑪一行院(古い石碑等)→⑫千日坂(首都高をくぐる隠れた坂)

■まずは、今昔マップをチェックしてみましょう

今昔マップで、大正時代と現在の地図を比較します。JR四ツ谷駅周辺は、外堀の中を走るJR中央線や、土木学会がある場所です。そこから台地上にある迎賓館を過ぎると、信濃町駅にかけて、谷部があり、起伏の激しい場所が出現します。そういうエリアにJR中央線、地下鉄丸ノ内線、首都高などがあることで、とてもディープなエリアとなっています。

なお、昔の地図では、赤坂離宮や青山練兵場、新宿御苑などが「空白」になっていますが、これは地図上で標的にされそうな施設をあえて「描かない」ようにカモフラージュしている「戦時改描」によるものだと思われます。昔の地図には、そんな時代背景を反映している場合があるのがとても興味深いですね。

今昔マップによる、昔の地図と今との比較。
赤坂離宮や青山練兵場が空白なのは、いわゆる「戦時改描」の影響と思われます。

■土木学会からスタート

外濠公園にある、「①土木学会」からスタート。
なぜか電柱のプレートには「図書館支」の文字が。
四ツ谷駅前にある、古い石碑。
明治30年代に外濠に植樹した人の記念碑のようです。
四ツ谷駅の改札脇にある、江戸城外濠の展示コーナー。
なかなか見て飽きないような展示が充実している場所です。
②四谷見附橋」は、大正時代に架けられた橋が架け替えられました。
昔の橋は、多摩ニュータウン・長池見附橋となりました。
線路を跨ぐ形で架かる四谷見附橋。

外濠にはJR中央線が通っていますが、その上に地下鉄丸ノ内線が通ります。丸ノ内線が地下1階、JR線が地下2階のような立地でしょうか。

こちらは、JRの御所トンネルのポータル。
こちらは、③外濠内を通る丸ノ内線の地上駅と、それに続くトンネルへの線路。
そして、丸ノ内線のトンネルポータルにも遭遇します。

そして、四ツ谷といえば、④迎賓館に、学習院初等科といった、皇室ゆかりの場所を通ります。

こちらは学習院初等科。やっぱり風格漂っていますね。

今回のルート、JR中央線、地下鉄丸ノ内線に加え、首都高新宿線のトンネルポータルの直上が眺められるコースなのです(笑)。

そして首都高新宿線のトンネル直上へ。

⑤朝日橋の上は、まさに絶景スポット。首都高とJR線が並走する姿を真上から見ることができます。

この景色、眺めていて飽きない景色です。
反対側は、JR線の御所トンネルを眺めるビュースポットです。
⑥鉄砲坂を下ります。江戸時代からの地名です。

鉄砲坂を下ると、谷底に広がる⑦谷町の住宅地が。昔の川跡を辿るような曲がりくねった街路に古い宅地や商店がつながるのが味わい深いです。

谷町の古い住宅地。昔は谷底に住んだほうが水を得やすいので
谷底が栄えているケースが多かったようです。
谷町と言う地名は今は無く、「新宿区若葉」となっていますが、
電柱にはしっかり古い地名が刻まれています。

谷を進むと、JRの線路に差し掛かります。線路沿いに「出羽坂」という坂が。スリバチ地形に坂道、という組合せがこの地域の特徴です。

出羽坂は、旧松江藩主松平出羽守の屋敷跡が由来だとか。

そして、谷に出現する複々線の線路のガード。

4本の線路と交差する、古びた鉄橋が架かるガードです。
ガードの名前は、「⑧鮫ヶ橋通ガード
桜川の支流、鮫川が流れていたことが由来のようです。
明治時代の地図に書かれた「元鮫河橋町」の地名。

このあたり、元鮫河橋町という地名が古い地図には残っています。昔は近くまで海で、鮫が遡上してきていたという説もあるようです。

そして、⑨首都高の真下に続く、不思議な道路が。
片側車線は土構造物で、片側だけ橋梁形式のようです。
都心に潜む、不思議な道路空間です。
「1963年2月 首都高速道路公団 施工 村上建設株式会社」
東京オリンピックに合わせて施工された高速道路です。
少し進むと、JRの小さなアンダーパスが。
⑩第1号南鮫ヶ橋通ガードという名前のようです。
すぐ近くに、第2号ガードもあります。
第2号ガードのすぐ脇に、何と現役の木製電柱が。
古びた看板を背負った、年代ものです。
もう少し歩くと、信濃町駅。
こちらは、公明党本部です。

信濃町駅付近は、実は創価学会や公明党などの本部があるエリア。こうした坂のエリアの中に関連施設が建ち並びます。閑静な住宅地にさりげなく政治の舞台が出てきて驚かされます。

こちらは、千日坂。坂の上は信濃町駅です。
坂の途中に、⑪一行院千日寺があり、様々な石碑等があります。
真上を通るのは、⑫首都高新宿線外苑出口
急カーブしている橋と立体交差します
坂を上から眺めるとこんな感じです。
すぐ下には、首都高新宿線が。結構急角度で出口ランプがつながっています。
着いた先は、信濃町駅。急坂を登ると突然到着する感じです。

■終わりに

四ツ谷の土木学会から少し歩いて、1駅隣の信濃町駅まで歩く散策。何だかとてもディープなエリアで、周囲と違う雰囲気の散策が楽しめました。

この散策は、土木学会の「D&Iカフェトーク」の開催に合わせて実施しました。1月27日にライブで出演します。そこでこの散策の内容も少し紹介することになりそうです。街歩きの裏側やそのきっかけなども含めてお話する予定ですので、もし興味ある方は視聴ください。


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