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🤱【あなたの為を思って】という罠〜社交辞令

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これから先も劇的な事件は起こらない。
熱湯はかけられないし、浴槽に沈められないし、骨は折れないし、精神病薬は服まされないし、山に捨てられないし、監禁されて食事を与えられないなんてこともない。
幼稚園にも学校にも行ったしね。



後年「虐待」「ネグレクト」という言葉を知ったけれど、自分が当てはまると思ったことはなかった。
もっともっと後になってから「毒母」「毒親」という言葉に出会い、漸く「それなんじゃないか?」とビビビっときた。
おおガラスの靴よ、シンデレラフィットではないか‼︎



「酷い親が居るもんなんだね」と思う方も「私はもっと酷いめにあったのに、甘い甘い」と思う方もどちらも正解。
お読みになって嫌な気持ちがフラッシュバックして苦しくなる方以外には、読んでいろんな感想を持っていただきたい。
コメントは書いてくださっても、書かなくても構わない。
ご自身のことだけを書いてくださるのも大歓迎。
いろんな読み方をされて当然だと思っている、どうかご遠慮なく。




但し、「親のことをそんな風に書いちゃダメだ‼︎」「親がいるだけ幸せじゃないか‼︎」「毒母•毒親という『言葉』を撲滅しよう」と考えるそこのあなた。
それはあなたの感想ですよね。
私は私の体験と想いを自分の言葉で書きます、これからも。
先に謝罪しておきます。
ご不快な想いをさせて申し訳ないことでございます。
ここは私のページなのでお許しくださいませね。



2学年下の弟には、「男の子」「赤ちゃん」というだけでアドバンテージ。
今は「女の子」を望む親が多いと聞くけれど、女の子のまま育つかどうかは、また別の話。



食が細くて痩せっぽちの私とは違い、ぽちゃぽちゃしてるだけで可愛がられる弟。
オマケにまん丸い目がクリクリしてるから「不二家のポコちゃんみたい」「(当時の)ヤン坊マー坊みたい」と会う人ごとに言われ、母の鼻は高くなるばかり。
そのうち、自分の方から「よく、ポコちゃんに似てるなん言われるんですよ。
そうかしら?」なんて自慢するようになる。



「私だって可愛いでしょ?」「私にも可愛いと言ってよ」と思っていた訳ではない。
いつまでも止まらぬ自慢話を毎日聞いているうちに、聞き飽きた。
当然、詰まらない。
詰まらないから笑わない。
詰まらないから「早く終わってよ」と焦ったい。



いつしか母の口からは、弟の自慢と「それに引き換えこの子は……」がセットで語られるようになった。
「女の子なのに笑わない」「女の子なのに可愛げがない」「女の子なのに愛想がない」等々。
アンハッピーセットの出来上がり。
オマケの玩具は付かない。




弟が母にとっての主役だということには気づいていた。
そして私は、笑わなくて可愛げがなくて愛想がない子なんだと知った。
わざわざ人様に言うほど、母にとってはイケてない子なんだと知った。



多少なりとも社交辞令というか謙遜というか、そんなものが含まれていたと信じたい。
それにしても、本人の目の前で母の方から言うことないんじゃないの?
幼いときから他者の言葉には敏感で(役にも立たないような)記憶力(だけ)は良かったのが、運のつき。
お月様なら好きなんだけど。


白くてグレーで青い空
直ぐ近くには真っ黒な雲もある
降るのかな?
今夜はお月様に会えそうにない





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