⭐️絶滅危惧種⁉️【杼】と【漆刷毛】
※ヘッダー画像は、毎日新聞川平愛記者の記事よりお借りしました
これが「杼」です
元夫Hの伯父(Hの母の兄)は人間国宝。
京都の西陣に住んでいて、機織りの杼(経糸の間に緯糸を通す道具、シャトル)を作る最後の職人。
つまり杼を作れる唯一の人間。
伯父夫婦には子どもがいない。
一時期、Hを養子にしたかったらしいけれど実現には至らなかった。
Hの姉より先に生まれた兄が夭逝していて、Hが長男として育ったから。
この辺りは、私の身内のエピソードをミックスしたみたいで、初めて知ったときには驚いた。
余談だけれど、Hの父と私の伯父、Hの姉と叔母と私の叔母の名前は同じ。
Hの母と伯母には私の名前と同じ漢字が入っている。
縁を感じたこともあったんだけどなぁ……
弟子入りを希望する人も居ないではなかったけれど、衰退の一途を辿るのが判りきっているからと、弟子を取らなかった。
生活の保障はできないからね。
以前は修学旅行生の受け入れをやっていた時期もあって、伝えたい想いは持っていた筈だけど。
久しぶりに検索してみたら、写真入りで新聞に載ったらしく、今も伯母が手伝いながら伯父が作っている。
実際に会うことはもうないだろうけど、写真で姿を見ることができて良かった。
想像したくはないけれど伯父が亡くなったら、作れる人は途絶えてしまう。
修(仮名、長男)が突然伯父の家を訪ねたことがあった(らしい)。
友だちと出かけたときに「京都に親戚がいるけど、行ってみる?」みたいなノリで突撃したらしい。
Hも私も知らなくて、お土産にもらった本物の杼を見せられて驚いた。
杼なんて甥であるHですら持ってないのに。
伯母からは「来るなら前もって連絡してね。何のお構いもできなかったから」と言われたけれど、嬉しさだけじゃなくて、お邪魔だったんじゃない?
だってほら、京都の人だからね。
杼は今でも修のコレクションと一緒に置かれている。
埃をかぶっているから、「飾られている」とは言い難いけどね。
スベスベして堅い木は宮崎県産のアカガシ。
この堅い堅い木じゃないと、スルスルと織れないんですって。
堅い木から、杼を作るのは大変だ。
どうしてHの伯父のことを書く気になったかというと、noteで漆刷毛のことを拝読したから。
漆塗りの刷毛が人毛でできているとか、毛は先にだけ植えてあるのではなくて、持つところの端まで人毛が入ってるとか、鉛筆のように削りながら使うとか、まぁ目から鱗。
作れる方は3人だけなんですって。
#中川喜裕5代目漆塗り職人塗師 様⤵️
書いていらしたのは、漆塗りの5代目。
漆塗りって高級で扱いが難しいイメージだったけれど、食器や花器以外の用途が広がっていて何だか嬉しい。
古くは英語でJapanって言ったくらいだから、これからも日本を代表し続けてほしいよね。
職人が3人ということは、杼の3倍。
しかもご年齢がお若い。
杼は廃れてしまうけれど、漆刷毛にエールを贈ろう。
漆刷毛にご興味を示される方が増えることを心からお祈り申し上げます。
拡散しなくっちゃ。
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