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「受験に命をかけるな!」 …受験に成功した息子の経験から。

大学受験に関しては、
まもなく共通テストですね。
そして、高校受験に関しても
私立の推薦はもうまもなくという時期。

我が子たちの受験と
その後の彼らの人生を見てきたNAMIEは、
毎年この受験シーズンになると
自分のラジオ番組で
必ず同じことを訴えたくなる。

「『受験に命をかけるな!』
人生は
自分で想像しているよりも
もっともっと長いし、
自分で想像しているよりも
もっともっと
びっくりするほど広いぞーーー!」。

受験シーズンに突入すると、
NAMIE自身も親として経験があるけれど

受験生本人も、その親も、
なんだか急に
目の前に狭き門や小さな扉だけが現れて

なんていうのか

〈ゾンビ映画の世界にいて、
必死で走って
その扉に飛び込まなければ救われない〉

みたいな感覚に近いものを
感じることがある。
(どんな感じか味わってみたければ
「新感染 ファイナル・エクスプレス」
あたりをご鑑賞ください笑)

けど!

我が家の息子みつきは かつて、
高校野球の世界へ飛び込むために
〈熱望していた第一志望の高校〉へ
入学したはいいけれど、

その強豪野球部で
チームメイトのはけ口となり、

自宅療養となって
わずか二か月で高校を辞めたぞ。

入学後わずか2週間のあいだに2度も倒れ、
救急搬送された


これはまさに、
〈受験には成功したけど
高校生活には成功しなかった、という
分かりやすい例〉

でも、その後

「とりあえず高校卒業資格だけは」
のつもりで
県外の社会人リーグで野球を続けながら
通信制高校の単位を取っていたら

そこから
大学野球への道がつながって
大学を視野に入れるようになり

野球のために大学に行くつもりで
大学野球部の監督さんとも会うことになり、
その大学の
オープンキャンパスに参加してみたら

その大学で
「子ども教育をやりたい」に
息子本人の気持ちが完全シフト。

教育実習が大学野球メインの大会と
重なってしまうため
実質的にはどちらかしか選べなくなる、
と聞いて

なんと彼は
「それでも、どうしても子ども教育をやりたい」

受験に向けて
野球の方をきれいさっぱり引退、

ADHDで
学校生活も宿題等々もテスト勉強も
何もかもはちゃめちゃだった男が
「教員免許を取る」と
すっとんきょうなことを宣言した!

(そしてNAMIEは
大学野球部の監督さんに
謝罪の電話を入れることになった笑)

まさかあんなに勉強嫌いだった男が
野球無しで大学に勉強に行く、ということも
勉強が中心となる将来を選ぶ、ということも
親のわたしたちには信じがたく

「勉強だけをしに行くっていう意味が
ホントに分かっとる?」

「中学時代みたいに
ただ通ってたら卒業できるわけじゃないよ?
ちゃんと単位を取らないと卒業できないよ?」

「学校の先生になるってことは
ずーっと勉強がつきまとうってことだよ???」

…と
本気で何度も本人に確認したが笑、

彼は完全に進路をそれ一本に絞り、
子ども教育の学部をAO入試で受験
(通信制高校だったことと野球加点もあり
受験時の最終で高校から提出された内申点は
「オール5+A」という
見たこともないような成績だった。
普通の高校に通っていたら
こんな成績は間違いなく取れていない)、

昨年春に普通の大学生となり
現在大学一年生。

しかも、一年生でありながら
なぜか学生会の副会長となり、
今では FMラジオの大学関連の番組にも
毎週出演中だったりする。

現在は自宅から大学へ通っています


社会人リーグの寮生活時代には、
それ以前の
高校ブラック部活のPTSD的なものもあって
一時はうつ病や過食など
しんどい時期も経験したけれど

高校生活というものを失ったことで
かえって学校生活への渇望が
湧いてきたそうで、

今ではとにかく
めんどくさい授業だろうがなんだろうが
それも含めて
大学に通っている生活が
楽しくてしょうがないらしい。

これらは
〈高校受験には成功したけど
高校生活には失敗し、
その後
うつ病や過食というルートもたどったけど
現在大学生活を謳歌中、という
ひとつの例〉

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でも、大学へ入れたからといって
その先の人生がバラ色かと言えば
それも全く別の問題だし
ここから先の彼の人生は
もちろんまだまだ未知数で

これまでもずっと
すっとんきょうな決意ばかりで
驚かされてきた息子なので、
この先の彼がどんな道を選ぶのかは
親のわたしたちにも
まったくもって分からない。
(ここから先も
彼自身が壁にぶち当たったときくらいしか
親の出番はなさそうだし笑)

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人生には
本当に腹をくくって
〈退路を断って〉
〈人生をかけて〉
挑戦したり踏ん張ったりしなきゃいけない、
という
そういうときも確かにある。

けど

「受験というのはそれじゃない!」。

第一志望に合格しようが
それでその先のバラ色の人生が
確保できるわけでもないし、

受験そのものに全部失敗しようが
ゾンビ集団に埋もれるような
暗闇の世界に堕ちて
人生が終わるわけでもない。

むしろ

受験に成功しようが失敗しようが

その先の人生で自分が選ぶべき門や扉
選択や決断の数は多すぎて

しかもそっちは
偏差値等々の指針がないような
選択肢ばかりで

人生なんてそこから先の方が
迷うことだらけで
面白いことも
いっぱい転がってるんだぞーーー!

しつこいようだけど
何回でも言う!

人生は
受験の合否で定められるほど
そんなにシンプルじゃないし、

人生は
受験の合否で道が閉ざされるほど
そんなに狭くて退屈じゃない。

だから、
受験生のみんな、親のみんな、
ゾンビ映画みたいな感覚で
受験に臨むんじゃないぞ。

まだ十数年しか生きてないその視野の中で
退路を断つなんて馬鹿なことを
考えるんじゃないぞ!

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ちなみに、NAMIE本人は

子どもの頃
進学校へ推薦で入学したものの
自身のADHDもあって
高校生活もうまく過ごせず落ちこぼれ
大学受験にも失敗笑!

家出した先で、
劇団飛行船という
子供向けマスクプレイミュージカルの
事務員として
たまたまアルバイトで入社し

そこで人生を変える出逢いに恵まれた。

身内とも社会とも
人との関係をうまく築けなかったNAMIEは、
当時の社長にたくさんの愛情を受けて
ときに厳しく、ときに優しく
人間性を磨き続けてもらって

数年前にこの方が亡くなるまでずっと
手紙や電話のやりとりを続けて
我が子のように本当に可愛がってもらった。

大学に行かず(行けず)、
この劇団飛行船での
社長との出逢いがあったことで
NAMIEは人生で初めて
「人を信頼する」という経験をし

この社長の存在と
この社長が与えて見守ってくれた
人間としての経験値が、
その後のNAMIEの人生を
長きにわたって導いてくれることになった。

西日本新聞さんの記事より写真をお借りしました。
わたしの人生を変えてくれた、田中久弘さん。
NAMIE入社時の社長だった、素晴らしい人です。


本当に人生なんて
何が起こるか分からない。

「いま目の前にあるこの受験は
自分の人生の価値とは全然関係ない」
ってことを
絶対に忘れるんじゃないぞ。

あなたの人生の価値は
合格とも不合格とも関係のない、
そのずっとずっと先にあるのだから。



★ラジオ番組


 ゆめのたね放送局 東日本第1ch
 毎週日曜 朝8時~放送
 「カオスの女王」

 放送はこちらから↓↓↓


★著書

「3人のADHD
 ~奇跡を起こす少年と不登校の癒しの少女
 &モンスターペアレントの物語」


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