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島5/10 フォゴ

通年夏のカーボベルデにいても、どこか春は旅行がしたくなる季節。
3連休を使って、フォゴ島に行ってきました。

フォゴ島は、カーボベルデの中でも火山島として有名。最後に噴火があったのは、なんと2014年。幸いにも緩やかな噴火だっため、島に住む人々は全員無事に他の島に避難することができたとのこと。
カーボベルデワインや、コーヒーの生産地としても有名。
それから、カーボベルデの中で最も標高が高い2800mの火山があり、これはアフリカの中でも一番高い地点。
ということで、今回は、この「カーボベルデの頂点」Pico do Fogoを目指しての旅行。


私たちの住むサンティアゴからは、なんと飛行機で20分。離陸したと思ったらすぐに着陸してしまう。そんなあっという間の移動。
今回、1歳半になっていたたろうは、初めて「飛行機」というものを認識して大興奮。普段は優先レーンを使わず、できるだけ機内にいる時間を減らす+飛行機に乗る前にエネルギーを消費させるようにするのだけれど、今回はそうならず。
小さな空港なので、私たちが乗る飛行機は目の前に着陸。その瞬間から大騒ぎ。早く外に行きたくて仕方ない。周りの皆さん大爆笑。
これまでは、「手のかかる荷物」だったたろうの成長を実感して、親として少し嬉しい瞬間でした。
そして、2歳未満は飛行機に無料で乗れるので、乗り物好きの子にはディズニいーに連れていくよりも最高のアトラクションなのではと、親たちは調子に乗って自画自賛。

ちなみに、やはりここはアフリカなので、優先レーンなんて関係なく、割り込み放題。その点ヨーロッパの空港は、幼児連れ旅行がしやすいです。

とにもかくにも、あっという間にフォゴ島のサオ・フィリッペに着き、早速宿泊地に。タクシーで1時間くらい登っていき、最初の2泊はチャという、ワインの生産で有名なエリアに。ここが登山の出発点。

ところどころ、溶岩の熱が発生していて、温かい岩石があったりする。

カーボベルデ人の旦那さんと、フランス人の奥さんが経営するホテルに。奥さんがセント・アンタンに旅行に来た際に、ガイドをしていたのが旦那さんだったのだとか。フランスからアフリカの果てに嫁ぐなんて、私にはできないなあ…。愛ってすごい。笑 
ここの魚料理は、これまでカーボベルデで食べた料理の中で一番と言っていいくらい美味しかった。

すでに標高が高い(おそらく1300mくらい?な)ので、夜は家族揃ってなかなか深い眠りにつけず。高山病にならなかっただけラッキー。翌朝、早速登山に出発。



結論から言うと、本当にしんどい登山だった。ハイキングではなく、文字通り「登り」ました。
1日の間に数回も結婚生活の危機が…。苦笑


カーボベルデの情報は、日本語では皆無、英語でも少なく、予習はポルトガル語のできるだんな任せなのですが、このだんな、度が過ぎるプラス思考なので、あっけらかんとしていてやらかすことがある。
どうやら、後から聞くと、フォゴ登山の情報はポルトガル語でもとても少なかったらしく、手探り登山だったとか。

おいおい。大人だけならまだしも、子連れだし、実は、第二子妊娠7ヶ月の私。
ギャンブルはやめてくれよーーーーーと半泣き。

問題は、(1)セント・アンタンのように、生活・ハイキングの道が整備されているわけではなく、どこを登っていくのかまるでわからなかったことと、(2)登山中終始誰にも会わず、登り切るまで正解がわからなかったこと。それから、(3)足元が火山灰と岩で、脚にものすごく負担がかかる登山であったこと。
せめて、ガイドを連れてくるんだった。と後々猛反省。というかだんなを責めまくる。

そういうわけで、そもそも登山口がわからず、1時間ほど同じ道を行ったり来たりし、結局よくわからないまま一番登りやすそうなところから登山開始。8合目くらいまできたところで、目印から少し外れ、道が悪くなり、岩を渡らなくてはならなくなった時は、ついつい「ここで死んだら、火山灰に埋まって腐ってなくなるんだな」とか縁起でもないことを考えて怖くなり、ここで半分だけでなく全力泣き。
セント・アンタンで発狂した高所恐怖症のだんなは、「傾斜はゆるく、例え滑ったとしても砂なので転がり落ちる心配がない」と力説してくるのだが、すでに体重増加で普段のバランス感覚を失っている私としては、登っている時は足元に負担がかかっているし、すぐそこに岩があったりするものだから、転がる自分を想像して、岩に頭をぶつけて流血する自分を想像して…これは精神的なトレーニング以外のなにものでもない。


と、ここまでぐちぐちと書いてきたものの、山頂に着いたときの感動はやはりたまらない。
それから、なんと言っても、下りが最高に楽しいのが、この登山の売り。
火山灰を一気に駆け降りていく。
自然が作る巨大な滑り台。
大の大人が思わず大興奮。笑
そして、ここまでくると、だんなが力説していたことの意味がよくわかる。体がズボズボと沈んでいくので、落ちようにない。

何よりも、この巨大な山を独り占めできてしまうのだから、本当に贅沢。

↑ぜひ動画を見てください。

最後はめでたく、家族みんなで笑っての下山となりました。

残りの1泊は、アメリカ人夫婦がオーナーのエコロッジでのんびりと過ごし、素敵なプールと、バーを満喫。

フォゴは、これまで行った島の中では、水や電気の不足を感じた島だったけれど、その分、とにかく星が綺麗だったなあ。


これで一度他の島への旅行は打ち切り。この夏は、アメリカのミシガンに戻ります。




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