1ヶ月後に3年住んだ部屋を出ると決めた。 大きな窓が4つもあって、入ってくる光が包み込んで慰めてくれるようで、気分が落ち込みやすかった私にとって、とてもとても心強く…
川の水が流れるように、私の中には言葉が流れている。 湧き水のようにどこからか溢れ出てきた言葉たちが目や耳から抜け出し、世界を撫でていく。 それを眺め、光を掬い、流…
夢を見た。 過去未来現在どれにも当てはまることのない、時間を失った宇宙のような、濃藍に埋め尽くされた空間に私達は立っている。 何にも遮られることなく広がる満天の…
愛梨
2023年4月18日 21:20
1ヶ月後に3年住んだ部屋を出ると決めた。大きな窓が4つもあって、入ってくる光が包み込んで慰めてくれるようで、気分が落ち込みやすかった私にとって、とてもとても心強く居心地の良いお部屋だったのに。数年間イギリスで生きていくことが決まって、必ず離れる時が来るとわかってはいたけれど、いざ電話をかけ終わって一息つくと、寂しさがゆっくりと歩み寄ってきた。これまでは、人や物と離れるときに寂しいなんて思った
2023年4月5日 21:47
川の水が流れるように、私の中には言葉が流れている。湧き水のようにどこからか溢れ出てきた言葉たちが目や耳から抜け出し、世界を撫でていく。それを眺め、光を掬い、流れに身を任す。そうして私は生を得る。今よりもずっと激しく世界が荒れ狂っていた頃、いっそこの体ごと捨ててしまいたいと祈り、もがいていると、半透明の膜が静かに私の周りを覆っていった。私が苦を感じるたびに少しずつ重ね合わさり、厚みを増して
2023年3月9日 22:34
夢を見た。過去未来現在どれにも当てはまることのない、時間を失った宇宙のような、濃藍に埋め尽くされた空間に私達は立っている。何にも遮られることなく広がる満天の星空、星々の光を浮かばせた幾つもの底なしの水溜まり、空っぽの中に空虚を詰め込んだ私と彼。存在するものはただ、それだけ。絶望の淵のように清冽な美しい無の世界で、気配を無くした心を抱え、祈るように手を繋ぎあう。私は生まれて初めて透