見出し画像

夢の詩

夢を見た。

過去未来現在どれにも当てはまることのない、時間を失った宇宙のような、濃藍に埋め尽くされた空間に私達は立っている。

何にも遮られることなく広がる満天の星空、星々の光を浮かばせた幾つもの底なしの水溜まり、空っぽの中に空虚を詰め込んだ私と彼。
存在するものはただ、それだけ。

絶望の淵のように清冽な美しい無の世界で、気配を無くした心を抱え、祈るように手を繋ぎあう。

私は生まれて初めて透明な愛を知る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?