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生活に活きる心理学vol.39〜広告は見た数週間後に効果を発揮する・スリーパー効果〜

今回はスリーパー効果について解説します。


研究 アメリカ旧陸軍省

第二次世界大戦の頃、陸軍はプロパガンダ映画(兵士や国民の戦意を上げるための映画)の効果を調べた。


その結果、プロパガンダ映画を見た直後には戦意高揚が見られませんでした。


しかし、二ヶ月後にもう一度調査したところ、

二ヶ月前にプロパガンダ映画を見た兵士は、見ていない兵士より戦意が高い傾向が見られました。


なんとプロパガンダ映画の効果が、二ヶ月の時を経て表れていたのです。


このように時間が経ってからの方が影響が強く現れることをスリーパー効果といいます。


ちなみに、この名前は心理学者のカール・ホブランド氏によって名付けられています。


このような現象が起こる理由はまだはっきりしていませんが、有力な説のひとつは

「情報そのものは残りつづけるが、情報源はすぐに忘れてしまう」

という説です。


これを先の映画の例に照らし合わせれば、


戦争を肯定する内容の映画を見た、という事実はすぐに忘れてしまいますが、

戦争は良いものだ!という考え方だけは残ってしまうということです。


このスリーパー効果は、主に広告に利用されています。


例えば、プログラミングスクールの広告で

プログラミング業界が今熱い!

というような説明があるとします。

注)このCMの内容が事実かどうかは一回横に置いておきます。


見た直後は「プログラミングスクールのCMなのだから、プログラミングのことを褒め称えるのは当然だ」

と思うかもしれません。


しかし、2〜3週間経てば

ほとんどの人が情報源を忘れてしまいます。


しかし、頭の中に「今プログラミングが熱い!」というような

情報そのものは残りやすいのです。


このようなスリーパー効果を利用した広告によって、今まで興味がなかった人もやがて興味をもつようになるのです。


そして私たちが一番気をつけるべきなのは、

スリーパー効果を利用したフェイクニュースです。


フェイクニュースを見たとき、見た直後は嘘だったことを覚えていますが、やがてその情報が嘘だったことを忘れて本当のことだと思うようになる可能性があります。


ですから、

情報を手に入れた時は、必ずその情報源もセットで覚えておくようにしましょう。











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