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12.白髪とハゲは誰のせい?

最近の私の悩み。
産後一年を機に仕事復帰したとたんに、
急に白髪が出てきた。

出産という大仕事を成し遂げたからか、
はたまた日頃の慣れない育児によるものなのか、
単純に加齢?
でもまだ早くない?

一本目は、ちょうど前髪と後ろ髪との境目の、なおかつ、真ん中の分け目という
見つけてくださいと言わんばかりの場所から
生えてきた。

今まで、白髪が生えている女性がいたら、
なんで染めないんだろう、
なんで気づかないんだろう。
と疑問に思っていたのだが、
いざ自分のこととなってみれば、
記念すべき初白髪だから、
とひとまずしばらく様子を見よう!
となぜか、少し楽しくなってしまった。

1週間した頃、
急に我に返り、
突然出現してきて、
遠慮もなくめちゃくちゃ目に入る場所に鎮座する白髪を忌々しく感じて、
旦那に切って貰う事にした。

私も旦那も初めての白髪カット。
とりあえず、場所を伝え、
ちゃんと根元から切ってね。
と何度も念を押した。

なぜ止めなかったか分からないが、
旦那はキッチン鋏を持ってきた。

他の髪まで切らないでね。
と言い切る前に、

シャキッ

っと、なかなかのいい音がした。
バサバサと落ちてくる髪の毛。

あれ?切れなかった。
ちょっと!
動かないでね!

などと抜かし、
旦那はまだチョキチョキやっている。

え?
何してんの?
えっ?
えっ?

財布を落とした時のように、
慌てふためく私。

あっ切れた!

そんな私を完全に無視して、
旦那は、切り取った白髪を手に、
満面の笑みを浮かべている。

大切そうに
根元10センチから白く色が変わってしまっている私の白髪を手渡してきた。


あ、
ありがとう。

内心、

なーにやってんだよ!
切りすぎだよ!

と思いながら。

途中からの白髪と言うところが、
これまた辛い。
最近、心労が多かったからなあ。
一瞬で悲劇の主人公になれるという
特技を持つ私は、
はぁ、、、、
と深いため息をついた。

洗面台には10本くらいの健康な黒髪が落ちている。
鏡をよーく見ると、
前髪の分け目の部分に
ツンツンした短い毛がいくつもいて、
まるで
雪の華を歌っていた頃の中島美嘉みたくなっていた。

チキショー!
旦那のヤロウ
人の毛だと思って適当にしやがって
もし逆だったら、大惨事だぞ!!


そう、最近の旦那は、
髪の毛が薄くなってきた疑惑が浮上しているのだ。

ある日私は気づいてしまったのだ。

薄毛の友達をからかっている旦那の頭が
彼とそう変わらないことを。

最初は、まさかと思っていたが、
よく観察してみると無くなっている
箇所は、薄毛の彼となんだか似ている。

そして頭頂部なので、本人は見えない。

ひとまず私はその疑惑を心の中にしまって、
美容師さんに相談してみた。
私は最近、旦那と同じ美容院に通いはじめ、
担当も同じ人なので
共通の話題と言えば、
何かと旦那の話になる。


あのー、最近旦那がちょっと薄くなってきた気がするんですけど。

美容師に軽いノリで話してみると、

あ、あぁ〜、
そうですかね?
まだ気にするほどではないと思うんですけど。

いやいや、
あんた完全に
思い当たる節がある顔しとるで。

美容師がそう思うと言う事は、間違いない。
確信を持った私は、
家に帰って旦那に打ち明けてみた。

ねぇねぇ、
最近さぁ、
頭頂部分減ったんじゃない?

どストレートな私の物言いに、

、、、
なわけないだろ。

と、呆れた様子で取合わない旦那。

いやいや、ほんとだって、
見てみなよ!

洗面台に旦那を連れて行き、
私は合わせ鏡で見せてあげることにした。

、、、
いやっ。
そんなことないだろ。
めっちゃあんだろ!

いやいや、動揺してますよね?

なんか前髪も、、、
おでこが広くなったよね?

えっ!?
いや、変わってねーだろ!

明らかに激しい動揺。

ビンゴー!


やっぱり、自分でも思ってましたか?

こっちばっかり白髪増えて不公平だものー。
やっぱりさぁ、夫婦と言うもの
いろいろ痛みも分け合わなきゃ。
それでこそでしょ。

何かそれでこそでしょって感じだけど。


そんな会話を忘れた頃に、
またまた出てきました私の白髪。

見つけた瞬間、つい叫んでしまった。

あー、ショック!!!

懲りないなぁ。
しかも前回と同じ場所からまた生えている。
忌々しい白髪め。

前回同様、旦那を呼びつけ、
朝の忙しい時間だろうと関係ない。
白髪のカットを依頼する。

今回は学習したのか、鼻毛切りを手に持って現れた。
鼻毛切りかよ!と思ったけど、まぁいいか。

あーまた出てかわいそう。

かわいそうだなぁ。

はぁ、ショック。。。

かわいそう。


私は、
あんたのせいで白髪だよ!
と言わんばかりに、
ひたすらオーバーに
かわいそうを言えるだけ
旦那にお見舞いしてやった。
最近の旦那のむかつきを、
全部そのことばに詰め込んで。

いやいや、白髪は歳やろ。
30過ぎたら誰だって
白髪の一本、二本出るでしょ。

と旦那。
続けて、

それ言うなら、ハゲこそ誰のせいだよ!

なんと自分からハゲネタを振ってきた!


ぽかーん。

え?
今なんてった?

あんだけ俺はハゲじゃない宣言してたのに。

なんだかんだ、
気にしてたんだね。
ごめんごめん。
ちょっとストレートすぎたね。
余計無くなっちゃいますね。
気をつけまーす。

私は、
学生時代に蕎麦屋でアルバイトをしていた。
その店に、お客さんで来ていた夫婦を見て、
いたく感動した出来事がある。

その夫婦のご主人は50歳位で
真面目そうな見た目。
メガネにセーター、
スラックスにバーコードという
官僚のお決まりスタイルのような出で立ちだった。

暑い夏だったけど、その人は温かいそばを
注文していた。
蕎麦が大好きなようで、
持っていった瞬間にものすごい勢いで
一心不乱にすすり出した。

私は一瞬恐怖を覚えたが、
奥さんはこれを見てどう思うんだろうと思ってしまい、
今度は正面に向かって座っている奥さんに目をやった。

すると、
奥さんは驚くどころか、
まるで無邪気な子供を見つめるような目で、
もう髪の毛乱れてるよって
セリフが聞こえてきそうな顔で、
何も言わずに笑っている。

そして、私はものすごい瞬間に立ち会ってしまったのだ。

無心でそばをがっついて
バーコードがピローンとなって、頭皮がむき出しになっている旦那さんの少なめの髪を、
あろうことか
奥さんが、
また本来のバーコードの配置に整えてあげていた。

えー!!!!


私の中に衝撃が走った!

これこそ全てを受け入れた究極の愛!
あんたすごいよ!
日本全国の、いや全世界の嫁の鏡だよ!


私はえらく感動してしまった!

私の将来の夢は決まった!

旦那がバーコードになったら、
いつ、何時だって元の形に戻してあげること。
そしてぜひ、蕎麦屋で実践したい!
熱々の蕎麦をすすりながら。


だから大丈夫!

気休めにもならない私の夢を
朝の忙しい時間に
こんこんと旦那に語っている私。

だからね、ちょっと早いけど
バーコードになっても大丈夫だから!

いや、50になるまでは、
俺絶対薬で粘るから。

淡々と言う旦那に、

まぁ、お互い頑張ろうや♪
じゃーね♪

と謎の声をかけて、
1歳半の娘、みーちゃんを連れて、
私はバタバタと保育園へと向かったのだった。


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こんな拙い文章を最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

それにしても、文章書くのって難し〜!
毎日書いてる人、ほんと神。
尊敬しても、し足りません!!

最近の悩みは、
イライラしたくないけど、
イライラさせてくれないと
書くことが思いつかないと言う事。

なかなか更新頻度を伸ばせませんが、
これからもゆるく続けていきたいので、
読んでいただけると励みになります。

よろしくお願いいたします。

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