『この世界の片隅で』①サハラ砂漠に会いに行って、流れ星が10分間隔で流れるのを見たのだ(その1)
注)御礼:この写真はみんなのフォトギャラリーから頂きました。
マガジン『この世界の片隅で』では、私がこれまで生きてきた中で、長期短期に滞在した国、ふらっと訪れた国で出会ったひとびと、忘れられない思い出や、忘れられない人々、人生を変えてくれた出来事、などを書いていきたいと思っています。
時系列ではなく、その時書きたい、と思った国の想い出を書いていきたいと思います。
記念すべき?!最初の記事は、大学を卒業して、夏休みに、大学時代の友人ほかりちゃんと、初めてのアフリカ旅行で、サハラ砂漠を見に行ったお話です。
当時、22歳くらいで、金はないが体力はあり、少々くらい不潔でもなんでも耐えられた、目が遠くを見てしまうような時代のお話です。
アフリカは、その頃、まだ海外旅行といえば、大学3年の春休みにインドに人生初の海外旅行をしただけの私にとっては、秘境、あこがれの土地でした。当時、私は、大学卒業後、フランスに1年間の語学留学で、Pauという、ピレネー山脈の緑多い地方都市で3か月過ごした後、9月末からのパリでの学生生活を送る前に、3週間くらいの休みがあり、そこで、大学時代の友人ほかりちゃんと合流し、あこがれのアフリカにわたる!!という計画をたてていたのでした。
ほかりちゃん(以降、ほかり)は大学院に進み、院生の1年生をしていて、大学時代のほかの友人たちが社会人になる中、唯一、ふらふらしていた私の相手をしてくれたのでした。
ほかりとは、フランスのPauで合流だ!ということになり、Pauで合流して、陸路でスペインのジブラルタル海峡まで行き、そこから船でモロッコに渡る!という、今から思うとかなり無茶な旅を計画していたのですが、携帯電話などまだない時代、どうにかすれちがうことなくほかりと半年ぶりに再会し、南を目指したのでした。
フランス南部のPauから、ジブラルタル海峡までは、夜行列車で、多分、20時間以上、列車に揺られ、電車の中でご飯を食べ、、、という長旅。でもここはまだヨーロッパ。この先のことを考えると、まだ快適ではありました。
長旅を終え、やっと着いた先は、スペインとモロッコを結ぶ、連絡船の発着する港街タリファ。なにか、ヨーロッパなんだけどもう半分アフリカのような、最果てのような、ざわざわした雰囲気でした。
その街から、モロッコのタンジェにわたるフェリーに乗り、あっけないほどはやく、1時間ほどでタンジェの港町に到着!!
フェリーから降りて、入国審査を終えて外にでて自由になると、『私はあの秘境アフリカにいるんだ!!!!』と足を地面につけて、バタバタさせて叫びたくなったのでした。
そこからは、一路、マラケシュを目指し、またバスで移動。
マラケシュでは、初めてのアフリカの喧騒にどぎまぎしつつ、ケバブを食べ、チャイを飲み、かわいいアクセサリーが売っていたりして、観光。アフリカといえど広く、北アフリカとサハラ以南のアフリカとはまたかなり雰囲気も、人もちがうのでした。なにより、フランスの旧植民地であるとか、イギリスの旧植民地であるとか、は街の雰囲気にも影響があるように思いました。
さて今回の旅は、実は私はどこに行きたいということもなく、でも休みにせっかくだから旅行したいな、と思い、ほかりに声をかけたら、ほかりが『サハラ砂漠を見に行こう!』と言い、それにのったのでした。
ほかりは、心理学系の専攻で、用意周到、頭がよく、その時も、おそらく、ロンリープラネットかなんかの旅行ガイドを買ってきていて、砂漠に行くにはXXXという街からバスが出ていて、そのバスに乗って、中継地点のXXXという街に着いて、そこから、砂漠の入り口の街に行くのにさらに、個人の四駆のドライバーを探して乗って、そして、その砂漠のホテルのある街(街というより、砂漠の前にたたずむ、ただ1軒の宿泊施設)にはそこ1軒しか宿泊できるところがなくて、、、みたいな話だったのですが、私はとにかく考えがなかったので、ほかりが言うようにバスに乗り、中継点で宿泊し、またバスに乗り、、、という旅を丸2日くらいしたのでした。
このバスの旅、マラケシュでの観光まではよかったのですが、バスでの南への移動は、もちろん、観光用のバスではなく、普通の長距離バスで、荷物を抱えた家族がいっぱい乗ってきては降り、暑く、ホコリにまみれ、地方都市について休憩、そしてまた何もない草もはえていない土ボコリの中を走る、、、といった旅なのでした。食事をとるために止まってはくれないので、乗る前に、水とパンを買って準備。ほかりと私は大きなボトルを二人で分け、黒いレジ袋にはいったパンを、ふたりでちぎりながら空腹をしのぐ、という旅で、今から思えば、結構きつい旅だったのでした。
でもこのバスの旅で、夕暮れ、何も景色の代わり映えのしない山の中を走っていた時、しばらくして、広大な、なだらかな丘陵が目の前にひろがり、そ大地を、羊飼いと羊の群れが歩いていた。その景色が、夕焼けに照らされて、映画のワンシーンのようにとても美しく、思わず見とれてしまった。そうしたら、後ろの座席に座っていたモロッコ人の農民風のオジサンが、私の肩をたたき、羊飼いと羊たちの群れを指さして、『XXXXX(←わからない)』と言い、アレ、見ろ、見ろ、という風に何回も目で合図してくれた。私は、そうか、オジサンたちにとっても、これは見慣れた風景じゃなく、美しい風景なんだな、と妙に感動してしまった。
そんなこんなで、丸2日のキツイ旅のあと、やっと、砂漠の入り口の街に行く中継の街につき、宿泊施設にありついたのでした。
そしてそこで、なにやら怪しい、二人組の日本人の大学生らしき男の子たちと出会うのでした。
次回は、感動のサハラ砂漠の星空の旅です!!
お楽しみに~
チェロで大学院への進学を目指しています。 面白かったら、どうぞ宜しくお願い致します!!有難うございます!!