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#59 ひきこもり経験者が語る「やっておけばよかったこと」リスト



はじめに

私はひきこもり経験者で、現在は無職です。
多くの人は過去の行いを悔いたり反省した経験があることと思います。それは私も同様です。そして、過去に向き合い、反省することでマイナスをプラスに転化したいと思うのですが、それもまた皆同じなのではないでしょうか。
今回は、そんな現在の私が過去のひきこもり期間中に「やっておけばよかった」と思うことをリストアップしていきたいと思います。
私専用の処方箋という意味合いが強いものですから、読者の方々の参考になるかどうかは疑わしいのですが、一瞥していただけるととても嬉しいです。
(今回は練習を兼ねて目次を設けてみました。例に漏れず、今回も思い付きで書いていますから、整理が甘く乱雑な点はご容赦ください。)

私が考える「やっておけばよかったこと」リスト

就労のことは一旦置いておく

まず一番始めに、就労のことは一旦忘れましょう。
ひきこもりもグラデーションがあります。
いきなり就労で社会復帰、みたいなひきこもりはどれだけいるのでしょうかね。私は怪訝に思ってしまいます。
そんな「ひきこもりLite+(30日間お試し版)」みたいな感じの人だったら就労、結婚、ディンドーン。そして来るハッピーデイズ。でいいと思うのです。寧ろそうすべきです。
しかし、少なくとも私はそうではありませんでした。そういう人は、自分がどれほどの困難を抱えていて、どういう行動を実践すべきなのか、ということを自分で考えなくてはなりません。「私の、私による、私のための首脳会議」の開催です。今、自分はどのあたりにいるのだろうか、ということを確認します。それから、自分のゴールは一体何なのか、ということも知る必要がありますね。
その際に、必ず紙に書いて整理します。この「紙に書く」ということに関しては改めて後述したいと思います。
とりあえず、就労のことは置いておく、保留する。
その「ただちに就労すべし」という強力な暗黙の了解=思い込みを外すことが第一歩です。

体力をつくる

これはそのままですね。有酸素運動、無酸素運動、できることから無理なくやりましょう。私のオススメはウォーキングとスクワットです。まずは健脚を手に入れましょう。健脚こそ最高の移動手段です。移動手段のことを「足」っていうじゃないですか。とても象徴的ですよね。
体力は意欲の源であると同時に、「とても潰しがきく技術」であるとも感じています。
因みに、私は散歩を兼ねたウォーキングを二年ほど、自重トレーニングを半年ほど継続していたことがあります。習慣化までこぎつけることができれば、そこからは全く苦では無かったです。参考までに。
それから、私は散歩が好きなので、それを端緒にして行動できたところもあります。積極的な動機を上手く利用するのもコツかと思います。手垢まみれの一般論かもしれませんが。
それから、私の例ですが、運動習慣がバイトの面接でも役に立ちました。体力アピールする際に実践していることを具体的に言ったんです。それで面接官にはちゃんと伝わりましたから、とても良かったと思いました。で、実際に採用されましたよ。それから余談になりますが、採用面接は自分の実力以上のものを出そうとするからしんどくなるんです。実践している人はただ事実を述べていけば良いだけなので、取り繕う必要が皆無なんです。自信に過不足がない状態。嘘をつかない。これはメンタルヘルス的にもお得です。
いつでも冠婚葬祭や就職を見据えて準備しておくことが大事ですよね。武士道と同じです。誠意と準備によるひきこもり道を皆で極めましょう。
と、偉そうなことを言いましたが、私は直近一年間ほど運動をサボっています。ダサいひきこもりですね。何が武士道だよ。ふざけやがって。
そう、決して私のようになってはいけません。

家事をやる

家事は技術です。家事は立派な仕事です。ですから就職にも役立ちます。
いざというときに必要なものは技術です。「芸は身を助ける」といいますものね。それです。
で、技術を裏付けるのは経験ですから、結局やるしかないんですよね。
私の祖母を見ていると、本当に家事をこなしてきたのだなぁと痛感します。彼女は別に特殊な才能のある人ではありません。何ならポテンシャルは平均以下だと思うのですが、キャリアが桁違いに違うんです。歴戦の猛者です。私など家事スキルがマジで小1レベルですから、そりゃ敵いっこありません。
掃除は清掃バイトをやる時に役立ちますし、料理・皿洗いは飲食店とか福祉施設などの調理バイトに役立ちます。
他にも買い出しや洗濯も普通に役立ちそうですよね。因みに、以前私はバイト先で洗濯をしていたことあります。何がどこで役立つかわかりませんね。
そして何より家事は頭を使うんです。私はそこそこ頭が悪いので、結構ハードに感じます。でも、慣れないと元も子もないと思うのです。
それから、仮に家事が就職に直接役立たなくてもいいんです。でも、面接とか履歴書を書く際に役立ちますから。できるにこしたことはないんです。
更に、所謂「毒親」から逃げる際にも役に立ちます。
自立できないから不安になるんです。他者に依存するから窮屈なんです。
私は、ようやくそういったことが解ってきました。
就職しようがしまいが、家事は必要ですし役に立ちます。
つまり、良いことづくめ。損のしようがないんです。こういうところから始めるとお得感がありますね。
因みに、私の課題は料理・裁縫・日曜大工(修繕など)です。とりあえずやるとしたら料理かなぁ、と思っています。裁縫と日曜大工は毎日やるものではないので、スキルが上がるのに時間が掛かりそうですからね。飯食わんと死にますし。迷ったら優先度が高いものから攻略しましょう。

ものをつくる

「もの」といっても多種多様ですが、手芸や絵画でもいいですし、音楽や文章といったものでもいいです。
現物でもデータでもいいので、作るといいです。
それが積み重なると、はい、ポートフォリオの出来上がりです。
これもまた就職に役立ちます。少なくとも私は役に立ちました。履歴書の上では空白の期間であっても、実際に活動している=中身が詰まっているのであれば何も恐れることはありません。
請負仕事にも繋がります。何らかの実績=形あるものがないと、そもそも発注してもらえません。当然のことです。
大事なことは、好きなことをやることです。
何故なら、その活動がお金にならなくても不幸を感じずに済むからです。
リスクは最小限に抑えたいものですよね。要するに自分にとって益にしかならないことをやればいいんです。まぁ、私も頭ではわかっているんですけどね・・・・・あまり簡単に言ってくれるなよって感じですよね、反省します。
不用意にリスクを負うから不安になったり憤ったりして、ある時、まるで世界の終わりかのように全てが厭になるんです。ということに私はようやく気付きました。これもまた長い道のりでした、、、、泣
因みに私は音楽(音源)を作りますが、お金にならずハードディスクの肥やしになったものも沢山あります。デジタルお蔵入り。
でも、充実した時間を過ごせて良かったと思いますし、自分で聴きたいものを主に作っているので、自分で聴いて楽しんでいます。そこに不満はありません。

時間で行動する

これは現在の私が実践中の項目です。
スケジュール通りに動く習慣づけです。
仕事にしても遊びにしても、外の世界は時間(クロノス)を基準にしてきっちり動いていますから、それに慣れておくといいです。
自由すぎると、ダメです。これは今年、私が身をもって痛感したことでもあります。
私は時間に自由=ルーズ過ぎて、苦労しました。バス・電車の時刻、就業時間、サークルの集合時間、基本的に全て時間で固定されていますから。
ルーズな人がいきなりちゃんとしようとするからストレスを感じてしまうんです。
無理をするから疲れるんです。体力のない人がいきなりフルマラソンを完走することは出来ません。やはり日頃の行いの蓄積がものをいいます。
自らを律すること、自律こそが自立だと悟りました・・・・・
自律/自立こそ実質的な自由です。

認知行動療法をする

認知行動療法を既にご存じの方も多いと思います。
私が思うに、ひきこもりの人って思い込みが激しすぎる気がするんですよね。個人の感想に過ぎませんが。私も例に漏れずで、強烈な主観によって生きているところがあります。でも、そのままでは、ただの勘違いマンです。
そこで認知行動療法の出番です。
思い込みが引き起こす生きづらさを緩和しましょう。
私が使用しているのは以下のものですが、他のものでも良いと思います。

中古で買えばなんとか費用も捻出できるでしょう。
認知行動療法の肝は「客観の獲得」であると思います。それから「思考の柔軟性の獲得」もとても重要です。個人的には「意識を外へ向ける」ことも役に立ちました。
言語と数値化による外在化を通じて思い込みを緩和し、楽さ・快さが増やせるといいですよね。
これも習慣化が大事です。私は以前、半年ほど継続してそれを実践していました。そして現在は完全にサボっているのですが、効果はそれなりに持続していると感じます。一度メタ的な感覚を鍛えると、それが持続するようです。
とはいえ、紙に書いて整理すること(=外在化)が一番効果的でしょうから、またやりたいものです。
それから、神経症の度合いが酷い人は独習ではなく、医療機関で行った方がいいかもしれませんね。まぁ、そんなこと百も承知でしょうが、念のため。悪しからず。

好きなことをやる

先述した「ものをつくる」ということと共通する部分も多いのですが、好きなことを是非やりましょう。
これに関しては、ものづくり以外でも良くて、なんでもいいです。より自由度が高いので、ものをつくるよりもハードルが低くていいですね。
例えば茶道とか、サッカーのリフティングとか、ピアノ演奏などは形に残りませんが、それでもいいのです(録画・録音すれば「もの」になりますから、それができればベストです)。
こうしたことも立派な活動です。
いきなり就労、みたいなのは多分頑張り過ぎです。時間も守れないような低レベルの奴(=私)が一度に色々と詰め込み過ぎなんです。欲張り屋さんめ。それは頑張り屋さんではありません。ただの無謀な馬鹿です。
登山する前にはちゃんと準備するでしょう。それと同じです。準備しなければ失敗して当然なんです。というか下手すりゃ死にます。それは努力とか才能以前の問題だと思いませんか?
閑話休題。まずは、とにかく好きなことを動機にして活動しましょう。
それで、就労したくなったときには履歴書や職務経歴書に書けることが既にもう出来上がってますから、お得なんです。またもや。
私は学歴も資格も活動実績も大したものがありませんから、就活の際は、こうした小さな活動とかエピソードを書くしかないんです。何かしら書かないといけないようでしたから無理やり書きました。でも、本当に何もやっていなかったら何一つ書けません。ほら、少しは役に立つでしょう。
しかし、ネット記事やSNSを読んだり、配信を見ているだけじゃ不足があるような気もします。ただの消費は残念ながら活動実績とはなりません。
仮にネット記事を見る習慣があるのならば、その行為が結構好きなのかもしれませんから、気になった記事をキュレーションして、そこに自作の記事も忍び込ませて新聞風のZINEを作るとか如何でしょう。あるいはnoteに政治批評を書くとか。形あるものにすればこっちのもんです。人は超能力者でもない限り不可視なものまで認識してはくれませんから、自分で具現化する必要があります。なんだか私は当たり前のことをわざわざ言っていますね。無粋が滲み出ちゃってます。
仮に就労とか金銭に直結しなくても、好きなことをやる時間それ自体が報酬になるので、絶対に損はしません。ノーダメージです。無敵です。
逆に、嫌なことはリスク高いですから、気をつけたいですね。

「やることがない状態」を減らす

これは、主に不安対策のためです。完全に私の場合は、ですが。
やることがないと、なんとなくスマホで動画見て、ネット記事見て、気づいたらもう日暮れ、みたいなことになります。あれ、私だけでしょうか・・・・?
それで、自己嫌悪になりますよね。あぁ、自分は一体何をやっているのか、という自責も始まります。それに加え、私は病気不安もありますから、虚無の時間はなるべく減らしたいんです。
とにかく、やることがない状態の慢性化はヤバいんです。
経験者は語る、です。悪いことは言わないので受け入れてください。恐らく良いこと一つもないのではないか、と思いますよ。それぐらいヤバいです。
でも、大丈夫です。
先に挙げた項目を実践していれば、暇などさほどありませんから。
ですから、自ずとやることがない状態は解消されます。またしてもお得感ありますね。
好きなことができて、就職にも役立って、自立にも近づく上に、不安が無くなる特典がもれなく付いてくるんですよ?嬉しくないですか!?
あ、ウザいですよね。失礼しました。

大事なことの多くはお金がかからない


さて、もうお気づきの方もおられるかもしれませんが、どうやら大事なことにはお金はかからないようです。
ひきこもりにとって金銭問題は思い煩いの定番といっても過言ではないでしょう。
ですが、大事なことをやるには、大概、お金がかからないんですって。
これ、すごい希望じゃないですか?今すぐ始められるんです。
「○○をするためには資金調達が必要だから、短期バイトやるか~」、なんてことはしなくていいんです。予備動作はいらないんです。いきなり本番を迎えることが出来るんですから。クイックモーション。いざ行かん。
それに、そもそも我々はその軽い気持ちで「短期バイトやるか~」、的なのができないわけじゃないですか。
でも、それをやる前にできることが沢山あるんです。悩んでる暇はありません。やりましょう。
私はだんだん楽しくなってきています。どんどんやる気出てきてます。
親の不安は払拭しきれないでしょうが、我が子が元気にせっせと活動をしている方が親としてもいくらか気が楽になることでしょう。そう信じます。少なくともだらだらスマホやるよりもずっと好印象だと思いますよ。
一体何しているのかと聞かれたら、ポートフォリオ、見せてあげてください。

本気で生きる

必死に考え、本気で実践する

私が自身の人生を振り返って思うのは、「必死」と「本気」が足りなかったということです。
恥ずかしながら、なんとなく生きてきました。それで幸せならば問題ありませんが、私はそうなることができませんでした。
なんとなくバイトして、別にやりたいわけでもなくて、そんなに楽しくも無くて、不器用で上手くできなくて凹んで、でも変に真面目だから手を抜けなくて、他者に振り回されて、要領が悪いから労働だけで毎日が終わって、好きなことをやる気力も無くなって、お金もらってもあまり嬉しくなくて、お金使っても面白くなくて、久しぶりに同級生に会ってもつまらなくて、仕事辞めて、ひきこもって、働くのが億劫になって、貯金が減ってきて、不安になって、気づけばまたなんとなくバイトしていて、、、、、、
それの繰り返しだったように思います。振り返ってみても楽しい記憶とか、殆ど無いんです。
でも、私は楽しく生きたいですし、幸せにもなりたい。
ここでようやく本音が出てきました。素直でよろしい。あとはやるだけですね。
とどのつまりは、必死に考えて、本気で行動するしかないようです。
本気出さない奴はきっと楽しくなれないんです。何故かといえば、自分の人生を他人任せにしてしまっているからです。それでは、きっとつまらないし、満足できません。
もういい加減、斜に構えて生きるのは終わりにしたいのです。
腰を据えて本気を出す時が来たんです。今まで出番が無かった根性がようやく日の目を見る時が来るんです。腹くくって、やりましょう。

とりあえず紙に書く

私の長年の悪癖なのですが、「なんでもかんでも頭の中で考えてしまう」というところがあります。
今更ですが、これは本当に良くなかったなぁ、と猛省しているところです。
そういえば、認知行動療法でも紙に書きだして外在化をしますから、それはやはり大事なプロセスなのだと思います。
悪いことは言いませんから、書きましょう、紙に。
PC上でも別に良いと思いますが、PCを立ち上げる時間がもったいないです。人は一瞬でやる気を喪失します。それでは習慣化が難しくなりますし、なにより紙が一番直感的でいいと私は感じます。速くて自由なのが良いんです。
紙と鉛筆を常備して色々な場所に置いておきましょう。
なんでもまずは紙に書きましょう。
やりたいこと、やりたくないこと、好きなこと、嫌いなこと、できること、できないこと、これからどうなりたいのか、それには何をすべきなのか、それには何がどれくらい必要なのか、犬を飼うべきか猫を飼うべきか、アニマルライツとウェルフェアはどちらが自分にとって良いか、ジョン・ケージの問題点とは何だったのか、何故暴走族は群れで走りたがるのか、ヤフオクにするかメルカリにするか、お金をどうやって得たいのか、実家を出たいのか否か、結婚をする気はあるか、出産する気はあるか、石けんとボディソープではどちらが自分に適しているのか、自分の怒りとなるトリガーは何なのか、整体と整骨院どちらに行くべきか、、、、、、、、
というように、書くことは沢山あります。
私は、昨年退職願を作るために買ったB4用紙が沢山余っていたので、それに書いてます。音楽のことは音楽ノートを作ってそれに記入。出先で書く時はメモ帳。といった具合に使い分けています。

おわりに

さて、完全に独断と偏見、ぶっちぎりの主観MAXでお送りした本記事ですが、如何だったでしょうか。
私は書きながら、自分の考えに対しての理解をより一層深めることが出来て楽しかったです。我得です。これで誰得にはなりえませんから、少し安心しています。誰得なことは今すぐやめましょう。
思い付きで書き始め、そして最終的には「本気で生きる」という松○修造みたいなノリになってきて、ついついニヤけてしまいました。
ひきこもりと気合・根性の邂逅マリアージュです。

そろそろ筆を置く時機が迫って来たようです。
最後に、改めて今の私視点で要点をまとめると、

  1. 自分のことを他人任せにしない

  2. 紙に書いて考える

  3. 益にしかなりようがないことを実践する(リスクは負わない)

といったところでしょうか。
今後も時折ひきこもり関連のnoteを書くと思いますから、その時はまた一読いただけると幸いです。
それでは、また。


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