探検された天の世界 - Celestial Worlds Explored

鳥嶋真也  宇宙開発評論家┊宇宙開発史家┊宇宙作家クラブ会員 宇宙に関する取材、記事や…

探検された天の世界 - Celestial Worlds Explored

鳥嶋真也  宇宙開発評論家┊宇宙開発史家┊宇宙作家クラブ会員 宇宙に関する取材、記事や論考の執筆などを行っています。 お仕事のご依頼などはWebサイトの「お問い合わせ」からお願いいたします。 https://kosmograd.info/

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【概要】  フリーランスで宇宙に関する取材、執筆活動をしている鳥嶋真也と申します。  旅費交通費や機材代など、取材にかかる経費は基本的に私費でまかなっており、限界がみえてきています。  今後の継続的な取材、報道のため、皆さまのご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 【売上の使い道について】 1. 取材の旅費交通費  ロケットの打ち上げをはじめ、現地に赴いての取材には多額の旅費交通費が必要になります。  たとえば種子島への取材の場合、高速船や航空機、複数日の宿泊が必要になることから、1回の取材で約10万円かかります。  こうした旅費交通費は、取材にあたって毎回必ず掛かるものであることから、まず第一に充てさせていただきます。 2. 機材購入費  ロケットの打ち上げの取材にあたっては、数km離れたところから撮影することから、超望遠レンズや頑丈な三脚などの機材が必要になります。  現時点では、取材に必要な最低限の機材は揃っているため、旅費交通費ほど急を要しているわけではありません。将来的な機材の更新、拡充が必要になった際にあらためて検討したいと考えています。

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記事一覧

H3ロケット3号機、打ち上げ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年7月1日12時06分42秒、種子島宇宙センターから、H3ロケット3号機を打ち上げた。  ロケットは順調に飛行し、離昇から約16分44秒後…

H3ロケット3号機、機体移動が完了 明日昼に打ち上げへ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年6月30日、H3ロケット3号機の打ち上げに向けて、ロケットを組立棟から射点へ移動させる機体移動を実施した。  ロケットは20時30分…

LE-9タイプ1Aエンジンのスロットリングや、H3ロケットの30形態などについて

 LE-9タイプ1Aエンジンのスロットリングや、H3ロケットの30形態などについて、ぶら下がりで伺ったことをまとめました。 Q:今号機でスロットリングの飛行実証を行うこと…

H3ロケット3号機、7月1日に打ち上げへ 「試験機2号機の成功がまぐれではないことを証明する」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年6月28日、H3ロケット3号機の打ち上げ前ブリーフィングを開催した。  天候悪化が予想されることから、打ち上げは1日延びることに…

H3ロケット3号機、悪天候で打ち上げ延期 新たな打ち上げ日は7月1日に

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年6月28日、H3ロケット3号機の打ち上げを延期すると発表した。  当初、打ち上げは6月30日の予定だったが、打ち上げ前日と当日に天…

Jonathan's Space Report No. 830 日本語版

 本記事は、天文学者のジョナサン・マクダウェルさんが発行されている『Jonathan's Space Report(JSR)』No. 830の日本語版です。 オリジナル版はこちら 2024年3月1日…

Jonathan's Space Report No. 829 日本語版

訳者より 天文学者のジョナサン・マクダウェルさんが発行されている『Jonathan's Space Report(JSR)』の、日本語訳を作成しました。  JSRは、マクダウェルさんが発行…

教科書には書いてあるのに、公の資料では黒塗りになっている固体ロケットの燃料の成分

コンポジット推進薬の成分 先日の「カイロス」ロケットの打ち上げをめぐって、記者会見でこのようなやり取りがあった。  現代の固体ロケットには、ほぼすべて「コンポジ…

H3ロケット試験機2号機 打ち上げ経過記者会見 第2部<技術説明>文字起こし

日時2024年2月17日13:00~13:30ごろ 登壇者(敬称略)岡田 匡史(おかだ・まさし)……JAXA H3プロジェクトチーム プロジェクトマネージャー 新津 真行(にいつ・ま…

H3ロケットを1段目だけで飛ばしたら軌道に乗る!?――そんなことはないけどちょっとおもしろい話

 勇者ヒンメルの死から何年後かのある日、H3ロケットの打ち上げ計画書を読んでいると、不思議なことに気がついた。  計画書によると、H3ロケットの第1段の質量と推進薬…

H3ロケット試験機2号機打ち上げ成功 再挑戦果たすも「これからが正念場」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月17日、H3ロケット試験機2号機の打ち上げに成功した。試験機1号機の打ち上げ失敗からの"再挑戦"を掲げたミッションを完遂し、飛…

H3ロケット試験機2号機、射点への機体移動を完了 明日打ち上げへ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月16日、H3ロケット試験機2号機の打ち上げに向けて、ロケットを組立棟から射点へ移動させる機体移動を実施した。  ロケットは移…

H3ロケット試験機2号機、第1回GO/NOGO判断会議の結果はGO 15時から機体移動

 H3ロケット試験機2号機について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月16日11時11分、「第1回GO/NOGO判断会議」の結果、打ち上げ作業の開始について「GO」と判断した…

H3ロケット試験機2号機、15日の打ち上げ延期 天候悪化の予想で

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月13日、15日に予定していたH3ロケット試験機2号機の打ち上げについて、当日の天候の悪化が予想されるため延期すると発表した。 …

【速報】「小型月着陸実証機(SLIM)」、ピンポイント着陸の技術実証を達成

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年1月25日、20日に月面に着陸した「小型月着陸実証機(SLIM)」について、「主ミッションである100m精度のピンポイント着陸の技術実…

JAXAの「小型月着陸実証機(SLIM)」、今後復旧の可能性 着陸時や月面のデータ取得は完了

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年1月22日、月面着陸に成功した「小型月着陸実証機(SLIM)」の状況について明らかにした。  SLIMは1月20日、月面に着陸した直後、…

H3ロケット3号機、打ち上げ

H3ロケット3号機、打ち上げ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年7月1日12時06分42秒、種子島宇宙センターから、H3ロケット3号機を打ち上げた。

 ロケットは順調に飛行し、離昇から約16分44秒後に、搭載していた先進レーダー衛星「だいち4号(ALOS-4)」を分離した。

 なお、詳細な打ち上げ結果については、このあと開催される打ち上げ経過記者会見で発表される予定となっている。

H3ロケット3号機、機体移動が完了 明日昼に打ち上げへ

H3ロケット3号機、機体移動が完了 明日昼に打ち上げへ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年6月30日、H3ロケット3号機の打ち上げに向けて、ロケットを組立棟から射点へ移動させる機体移動を実施した。

 ロケットは20時30分、移動発射台(ML5)の上に立った状態で、ML5ごと2台の移動発射台運搬台車(通称「ドーリー」)によって、大型ロケット組立棟(VAB)を出発し、約500mを約30分かけて移動し、21時04分に第2射点に到着した。

 射

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LE-9タイプ1Aエンジンのスロットリングや、H3ロケットの30形態などについて

LE-9タイプ1Aエンジンのスロットリングや、H3ロケットの30形態などについて

 LE-9タイプ1Aエンジンのスロットリングや、H3ロケットの30形態などについて、ぶら下がりで伺ったことをまとめました。

Q:今号機でスロットリングの飛行実証を行うことになった経緯は

A:スロットリングを行うことはLE-9の標準仕様だった。タイプ1でも技術的には(ハードウェア的には)にはスロットリングは可能だったが、試験機1号機を早期に打ち上げるため、スロットリング機能については試験や認定を

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H3ロケット3号機、7月1日に打ち上げへ 「試験機2号機の成功がまぐれではないことを証明する」

H3ロケット3号機、7月1日に打ち上げへ 「試験機2号機の成功がまぐれではないことを証明する」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年6月28日、H3ロケット3号機の打ち上げ前ブリーフィングを開催した。

 天候悪化が予想されることから、打ち上げは1日延びることになったものの、打ち上げに向けた準備作業は順調だという。

 3号機では、試験機1号機で打ち上げに失敗した「だいち3号」と同じ名前をもつ「だいち4号」を打ち上げるほか、試験機2号機の成功がまぐれではないことを証明する、重要なミ

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H3ロケット3号機、悪天候で打ち上げ延期 新たな打ち上げ日は7月1日に

H3ロケット3号機、悪天候で打ち上げ延期 新たな打ち上げ日は7月1日に

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年6月28日、H3ロケット3号機の打ち上げを延期すると発表した。

 当初、打ち上げは6月30日の予定だったが、打ち上げ前日と当日に天候悪化が予想されるという。

 新しい打ち上げ予定日などは以下のとおりとなっている。

打ち上げ日:2024年7月1日(月)
打ち上げ時間帯:12時6分42秒~12時19分34秒(日本標準時)
打ち上げ予備期間:2024年

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Jonathan's Space Report No. 830 日本語版

Jonathan's Space Report No. 830 日本語版

 本記事は、天文学者のジョナサン・マクダウェルさんが発行されている『Jonathan's Space Report(JSR)』No. 830の日本語版です。

オリジナル版はこちら

2024年3月1日 マサチューセッツ州サマービル

国際宇宙ステーション(ISS) ISSでは、第70次長期滞在(Expedition 70)が継続中である。

 米民間企業アクシアム・スペース(Axiom Spac

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Jonathan's Space Report No. 829 日本語版

Jonathan's Space Report No. 829 日本語版


訳者より 天文学者のジョナサン・マクダウェルさんが発行されている『Jonathan's Space Report(JSR)』の、日本語訳を作成しました。

 JSRは、マクダウェルさんが発行されている宇宙開発に関するニューズレターで、最近の衛星打ち上げをはじめ、国際宇宙ステーションでの活動、特筆すべき宇宙活動などをまとめたもので、米軍などの機密ミッションに関する推測、NASAの発表やメディアの報

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教科書には書いてあるのに、公の資料では黒塗りになっている固体ロケットの燃料の成分

教科書には書いてあるのに、公の資料では黒塗りになっている固体ロケットの燃料の成分

コンポジット推進薬の成分 先日の「カイロス」ロケットの打ち上げをめぐって、記者会見でこのようなやり取りがあった。

 現代の固体ロケットには、ほぼすべて「コンポジット推進薬」と呼ばれるものが使われており、そしてその主な成分は、たしかに教科書にも書かれてある。

 一例として、先ごろ発売された『ロケットシステム』(田辺 英二 、森北出版)では、コンポジット推進薬の成分の一例として、以下のように記載さ

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H3ロケット試験機2号機 打ち上げ経過記者会見 第2部<技術説明>文字起こし

H3ロケット試験機2号機 打ち上げ経過記者会見 第2部<技術説明>文字起こし

日時2024年2月17日13:00~13:30ごろ

登壇者(敬称略)岡田 匡史(おかだ・まさし)……JAXA H3プロジェクトチーム プロジェクトマネージャー

新津 真行(にいつ・まゆき)……三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部 H3プロジェクトマネージャー

岡田プロマネより挨拶 皆さん、本当にお待たせいたしました。ようやくH3が「おぎゃあ」と産声を上げることができました。こ

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H3ロケットを1段目だけで飛ばしたら軌道に乗る!?――そんなことはないけどちょっとおもしろい話

H3ロケットを1段目だけで飛ばしたら軌道に乗る!?――そんなことはないけどちょっとおもしろい話

 勇者ヒンメルの死から何年後かのある日、H3ロケットの打ち上げ計画書を読んでいると、不思議なことに気がついた。

 計画書によると、H3ロケットの第1段の質量と推進薬質量は以下のようになっている。

(全備)質量(t)……約240

推進薬質量(t)(最大値)……224.5

 ここから、推進薬を抜いた純粋に機体だけの質量(構造質量、ドライ質量)は約15.5tであることが導き出せる。

 しかし、

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H3ロケット試験機2号機打ち上げ成功 再挑戦果たすも「これからが正念場」

H3ロケット試験機2号機打ち上げ成功 再挑戦果たすも「これからが正念場」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月17日、H3ロケット試験機2号機の打ち上げに成功した。試験機1号機の打ち上げ失敗からの"再挑戦"を掲げたミッションを完遂し、飛行実証を果たした。

 だが、H3の開発はこれからも続く。とくに安定した運用と、国際競争力の確保という挑戦は、これからが正念場となる。

H3ロケット試験機2号機 H3ロケットは、JAXAと三菱重工が共同で開発している次世代

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H3ロケット試験機2号機、射点への機体移動を完了 明日打ち上げへ

H3ロケット試験機2号機、射点への機体移動を完了 明日打ち上げへ

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月16日、H3ロケット試験機2号機の打ち上げに向けて、ロケットを組立棟から射点へ移動させる機体移動を実施した。

 ロケットは移動発射台(ML5)の上に立った状態で、ML5ごと2台の移動発射台運搬台車(通称「ドーリー」)によって、大型ロケット組立棟(VAB)から第2射点(LP2)へ、約500mの距離を約30分かけて移動した。

 射点到着後、射点設備

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H3ロケット試験機2号機、第1回GO/NOGO判断会議の結果はGO 15時から機体移動

H3ロケット試験機2号機、第1回GO/NOGO判断会議の結果はGO 15時から機体移動

 H3ロケット試験機2号機について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月16日11時11分、「第1回GO/NOGO判断会議」の結果、打ち上げ作業の開始について「GO」と判断したと発表した。

 このあと15時00分から、ロケットを組立棟から第2射点へと移動させる、機体移動が始まる予定となっている。

 組立棟から射点まではおよそ500mあり、約30分かけて移動する。

 機体移動が完了

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H3ロケット試験機2号機、15日の打ち上げ延期 天候悪化の予想で

H3ロケット試験機2号機、15日の打ち上げ延期 天候悪化の予想で

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月13日、15日に予定していたH3ロケット試験機2号機の打ち上げについて、当日の天候の悪化が予想されるため延期すると発表した。

 新しい打ち上げ日は未定で、これから毎日天候判断を行い、決まり次第発表するとしている。

 JAXAによると、打ち上げ前日に行う機体移動の時間帯から、雷が発生する可能性や、強風が吹く可能性があるほか、打ち上げ当日も上空の雲

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【速報】「小型月着陸実証機(SLIM)」、ピンポイント着陸の技術実証を達成

【速報】「小型月着陸実証機(SLIM)」、ピンポイント着陸の技術実証を達成

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年1月25日、20日に月面に着陸した「小型月着陸実証機(SLIM)」について、「主ミッションである100m精度のピンポイント着陸の技術実証は達成できた」と発表した。

 ただ、着陸後の姿勢が計画とは異なっており、太陽電池による発電ができない状態にある。今後、太陽光の角度が変われば、復旧できる見込みがあるという。

 搭載していた超小型月面探査ローヴァー「

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JAXAの「小型月着陸実証機(SLIM)」、今後復旧の可能性 着陸時や月面のデータ取得は完了

JAXAの「小型月着陸実証機(SLIM)」、今後復旧の可能性 着陸時や月面のデータ取得は完了

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年1月22日、月面着陸に成功した「小型月着陸実証機(SLIM)」の状況について明らかにした。

 SLIMは1月20日、月面に着陸した直後、太陽電池の発電ができない問題が発生した。プロジェクト・チームによると、着陸後、電源をOFFにするまでの間にさまざまなデータの送信を完了できたという。また、今後太陽電池に太陽光が当たり、復旧できる可能性もあるとしている

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