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安定している道を捨て、27歳の誕生日に起業!パワフルに生きる本間ゆみ子さんの選択【#わたしのセレクト】

ここは都内の小さなカフェ「CELECT(セレクト)」日々いろいろなお悩みを持ち寄った女子会が開催されている。さて、今日はどんなお悩み相談が舞い込んできたのでしょう……?

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MEGUMI:かわいい!それって海外のカフェの写真?

ARISA:そうなの♡数年前に行ったバリ島のカフェなんだけど、内装もオシャレだったな~。私もいつかは彼と海外でカフェを開きたいけど、経営って難しそうだよね。私にできるかな……。

MAKI:起業や経営について知りたいなら、向こうの席に座っている本間佑史子さんに聞いてみたらどうかな。ワンオペ育児と仕事を両立しているスーパーウーマンだよ!

夢である海外でのカフェ経営について、少し不安になっているARISA。起業や経営のいろはを学ぶべく、本間ゆみ子さんにお話を聞きました。

■プロフィール略歴

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本間ゆみ子(YUMIKO HONMA)さん
兵庫県神戸市出身。2009年、神戸外国語大学外国語学部英米学科卒業。トリンプ・インターナショナル・ジャパンに新卒入社し、主にECサイトを運営するEビジネス室にて「AMO'S STYLE(アモスタイル)」の公式サイト責任者を務める。

2013年にはスカラインターナショナル(株)、2016年6月にはAI人工知能による対経験値のプログラム開発を行うFITTIN (株)を設立。バストケアサロン、オーダーメイド自社製品の開発などを行い、内閣総理大臣賞などを受賞。現在は、caratのWebマーケティング事業部統括責任者を務めるほか、個人で事業設計やシステム開発などのプロジェクト統括を行う。プライベートでは、3歳と1歳半の子どもをワンオペ育児中。

【保有資格】
自動車免許/TOEIC900

【自身を表すキーワード】
#独立 #起業 #事業立ち上げ #マーケティング #コンサルティング #分析 #ワンオペ育児 #年子ママ

【自分の強み】
発想力/実現力/IT WEB/マーケティング/商品企画/経営の総合力

■ 入社1年半でECサイト責任者、最短で昇進!それでも安定したメーカーを離れたワケ

ARISA:二児のママでありながら、経営もされてるなんてカッコいいです!まずは、新卒で入社した大手下着メーカーを経て、どんな風に起業に至ったのか教えてください。

ゆみこさん①起業、②リクルート、③メーカーの3つの選択肢を比較したとき、メーカーこそが自分の特性を生かしながら本気で戦える場所だと感じました。

トリンプに入ってリクルートに転職の道はある。でも自分の文系英米文学の学歴で、リクルートにいってメーカーに入ることはできないだろう。新卒の今選ぶべきは発注側であるメーカーの狭き門!

そう考えた私は、面接の時点で「IT部署に入れてくれるなら」と生意気にも交渉をして(笑)。トリンプ・インターナショナル・ジャパンの主にECサイトを運営する、Eビジネス室に配属となりました。日本を牽引する企業の営業やコンサルタントに出会い、学ぶ機会も多い環境ですから。

私が入社した頃は、コロナの影響もなく、まだまだ店舗での販売が主力の時代。ECサイトにかかわる業務を扱う部署は、社内ベンチャーのような立ち位置でした。トリンプの中でも異色の部署だったからこそ、メンバーも他部署とは違って転職組ばかり。正社員は4人で、各自が楽天市場やAmazonといった各ECサイトの店長を任されていました。私は2ヶ月ほどの店舗研修を終えて、本配属になったタイミング、まだ何もできない、気合だけの私に、部長は「AMO'S STYLE(アモスタイル)の店長候補である」と告げ、そこからキャリアがスタートしました。

ARISA:4人しかいない部署で各ECサイトを運営するとなると、業務量もかなり多そうですね。

ゆみこさん:本当にARISAちゃんが言う通りなの。当時は、店舗のリスティング広告やアフィリエイト、売上目標の設定・分析、お客様対応、出荷指示など、あらゆる業務をすべて一人で担当していました。これって、もう経営者みたいな感覚ですよね。もっとも力を入れたのは、WEB限定商品の新規企画。デザインや色、モデル選定までのすべてをサイト会員のアンケートで決めるというコンセプトのもと、新しい製品を開発しました。結果的に、当時もっとも人気のあった「夢見るブラ」をも超えるヒットに。

企画が大成功して最短で昇進したはいいものの、どこか燃え尽き症候群のようになってしまって。

来年も、この先もずっと同じことをして、この席に座っていることのほうが、安心して企業に所属してお給料をもらうよりも不安で怖い。

と感じたことが一番大きかったかもしれないのですが、あまりポジティブな卒業はできませんでしたが、自分自身の成長と組織への貢献に限界を感じたので、入社6年目に退職を決めました。

■ 1社目を卒業してはじめて知った「自分の価値」。27歳の誕生日に会社を設立。

ARISA:結果を出していたなかでの退職だったんですね。そこから、どのような経緯で起業に至ったのでしょうか?

ゆみこさん:退職後しばらくはスタートアップでインターンをしながら、トリンプで培った知識と経験をいかして下着関連の企画を動かしていました。

周囲からの後押しもあり、27歳の誕生日である2013年に新卒採用・中途採用の運用代行や、システム・サイト委託開発を主軸に事業を展開するスカラインターナショナル(株)を設立しました。ただ、このときは今ほどの自信や覚悟はなかったかもしれません。言うなれば、卵から出て生まれたばかりのひよっこ経営者でした。何をしようか、どうしようかと考えているうちに、「総合的にECの設計を見て欲しい」と声をかけていただき、月2~3本ほど大きなECコンサルの依頼を受けるように。

「あ。なるほど、広告のプロ。エンジニア。デザイナー。マーケターには勝てないけれど、総合的にバランスをとって、ビジネスを設計することができるということは価値があることなのね!」

外の世界に出て、はじめて自分の市場価値に気付いたんですよね。

ARISA:ゆみこさんにとってはじめての経営、当時悩んだことはありますか?

ゆみこさん:一般的なスタートアップは資金調達を行い、その資金で開発を行う、将来的に生み出す利益でその穴埋めをしていきます。でも、その当時の私は数百万円という金額を借りることが、とんでもない負債のように感じて、そこに手をつけられませんでした。

なので、収益をあげるための、人材事業やコンサルでもらったお金を素でに、新規サービスの開発を進めるといったスタイルで事業をスタートしました。そんななか、次第に“人工知能開発に全力を注ぎたい私”と“結果を自分たちに還元してほしい社員”との間で思考のズレが生じるようになって。悩んだ結果、私のほうはやりたいことが明確に決まっていたので、別の方への会社譲渡を決めました。

■ 深夜や明け方も働く日々。「Carat」との出会いは、暗闇を照らす一筋の光だった。

ARISA:一社目を売却後、そのあとすぐに二社目を立ち上げたんですよね!

ゆみこさん:そう、売却費用を使って、2016年6月にAI人工知能による対経験値のプログラム開発を行うフィッティン(株)を設立しました。オーダーメイドでの自社製品の開発のほか、バストアップエステや下着のフィッティングを体験できるサロンも新宿で2店舗経営していたんですよ。この間に妊娠・出産を経験し、ふたりの子どもに恵まれました。

ARISA:経営者ママなんて憧れちゃいます。出産前後で「働き方」に変化はありましたか?

ゆみこさん:実は、第二子が生まれる少し前に、東京から実家のある関西に移ったんです。ちょうど新型コロナウィルス感染拡大のタイミングだったこともあり、里帰り出産を機に、オンラインフィッティングの事業はクローズすることに。

会社の清算手続きや社員たちの転職・独立のサポート、引っ越しに伴う長男の保育園探し、産まれてくる次男の通院など……当時は、本当にギリギリの状態で暮らしていました。ミニマルに経営していたこともあり、手取りはほとんどなく清算で貯金も底を尽きた状況だったんです。

もともと取り引きのあったコンサルティング案件1件のみを抱えての里帰り。金額的には大きな案件でしたが、一人で抱えるには難しい業務量でした。

泣き言なんて言っている暇はなかったので、とにかくやろう! と。子どもを一時保育に預け、深夜から明け方まで稼働し、なんとか以前と変わらないクオリティを提供していました。

ARISA:聞くだけで壮絶な日々ですね。休むという選択肢はなかったんでしょうか?

ゆみこさん:臨月まで働き続ける私を見て、両親からは「実家にいていいんだし、数年は休んだほうがいいよ」と声をかけられたことも。でも、私が戦っているのはITの世界。数年のブランクが大きな打撃に繋がってしまいます。そんな張り詰めた日々のなかで、大きな転機となったのは2020年春にCaratの事業立ち上げにジョインしたこと。もともとは友人だった中屋まりのチームに声をかけてもらい、参加させてもらいました。

Caratに入ったばかりの頃はHR/採用支援事業をメインでやっていましたが、WEB案件が増えたタイミングからWEB事業に注力するように。現在は、Caratのボードメンバー(事業部統括責任者)兼 Risouチームの統括として、各企業のサービス立ち上げや戦略立案、販売戦略、分析、コンサルティング、SEOコンサル、サービス開発、コンテンツ設計、コンテンツ制作周りなどを幅広く担当しています。

ARISA:聞きづらいんですが、女性同士の経営チームってどんな感じですか? なんとなくバチバチしているイメージがあって……。

ゆみこさん:あはは(笑)! たしかに、「女性同士で経営して上手くいってるの珍しいね」って言われることも多いですね。どこか男前な気質は似ているんですが、私が保守的な経営をする「守備」だとすると、彼女はガッツリ「攻め」。お互いが別の仕事を獲りながら上手にリスク分散できています。異なる強みを持っているからこそ、補い合っていけるのかもしれません。もちろん、チーム全体とっても仲がいいですよ!コロナ渦で、保育園も休園が続き、登園しても病気はやつ熱続きで安定して働けない中、先頭をきって経営やリードが難しい状況だった私にとって、caratは安心して働くことができる「居場所」になりました。

MEGUMI:27歳で一社目を設立して以降、どんどんステップアップしているゆみこさんカッコいいなぁ~。たった1時間でファンになっちゃった!

ARISA:でも思っていた以上に、起業や経営って苦労が多いんだね。私もゆみこさんみたいな経営者になりたいけど、どんな風に仕事と向き合えばいいのかな?

MAKI:じゃあ、もう少し話を聞かせてもらおうよ! 仕事の極意だけでなく、お子さんとの過ごし方や今後の目標についても気になるな。

後編はこちら:40歳で海外移住!?2児の子育てをしながら事業も育てていく。本間ゆみ子さんの一日

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