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英語と留学vol.2 その留学計画は必要なのか①

皆さん、おはようございます。「旅する留学、時々、趣味」、コディネータのKen先生です。

毎週水曜日は「英語と留学」のお話をしています。

今日のテーマは「Vol.2 その留学計画は必要なのか①」というお話をしたいと思います。

みなさん、なぜ、留学するんでしょうか? それを志す大原則、私はこう思います。

(一)留学を志す大原則
留学の大原則は「行きたい人は行けばいい、行きたくない人は行かなくていい!」
ということです。例え、それが海外の大学で学位取得を目指そうと、語学力を身に付けるためだろうと、海外旅行のように遊びながら留学しようと、はたまた移住や移民を目指すなど、その目標や目的が何であろうと、「行ってみたい人は行けばいい、興味のない人は行かなくていい。」という視点から考えることが大切です。なぜなら、留学は、語学(英語)学習の計画以前に、まとまったお金や時間が必要であることに留意しなければなりません。そのため、資金繰りを気にしている方、さらに、将来のキャリアに生かそうとしている方こそ、「その留学は本当に必要なのか?」という視点を注意深く考えなければなりません。むしろ、遊びに行きたい、ただ行きたいという方こそ、迷わず行くべきだとも言えます。

例えば、私が高校の英語教諭として勤めていた時の教え子が大学に進学後、こんな相談を持ち掛けてきました。

卒業生:「今の時代、留学ぐらいしておいた方がいいですよね?」
  私:「なぜ、そのように思ったの?」
卒業生:「将来、英語が必要になるでしょうし、自己アピールにもなると思いまして。」
  私:「将来、やりたいことは決まっているの?」
卒業生:「はい、公務員です。」
  私:「外務省や入国審査官、検疫官、教員など、英語が必要になる公務員?」
卒業生:「いいえ、地方公務員、市役所希望です。」
  私:「公務員の予備校に通うことは考えてみた?」
卒業生:「いいえ、留学と予備校、両方に使えるお金はありません。」
  私:「留学と公務員の予備校、どちらがキャリアを実現するに当たって大切か、もう一度、考えてみようか。」

というようなやり取りをしたことがあります。つまり、周りからの情報が多すぎて「留学に行きたい!」という気持ちよりも、「今の時代は必要、英語ぐらいできた方がいい!」という考えで留学を決めようとしている人が近年、多く見受けられます。そこで、特に、漠然と留学した方がいいと考えている方、キャリアプランが明確でないのに何となく留学してしまおうと考えている方こそ、もう一度、立ち止まって、その留学は自分に何をもたらすのか、何のために留学するのかという原点に戻って考える必要はないでしょうか。

一方で、単に遊びたい、単に行ってみたいという方もいらっしゃるように、「行きたい人は行く、行きたくない人は行かなくていい!」という自らの好奇心にもっと素直になることも大切です。行きたければ、遊びに行くだけの留学も、もっとポジティブに自分を認め、他人からの否定的な考えに捉われる必要もないのではないでしょうか。まずは、留学の大原則として、「行きたい人は行く、行きたくない人は行かない!」ということを抑えましょう。

いかがでしたでしょうか。何とかしてお子さんに留学や英語学習をさせてあげたいと考えている保護者の方、自力で留学や英語学習をしようとしている成人の方、海外に縁もゆかりもなく、周りにもそのような環境がない中でチャレンジしようとしている方などを対象に、お金や時間などの貴重な資源を無駄にすることのないように、自ら最適な留学計画、英語学習計画の考案のヒントになれば幸いです。

なお、批判的応用言語学の知見に基づいて執筆しようと心掛けていますが、学術論文ではないため、一部、根拠の確認をしていない個人的な見解、単なる個人の経験に基づく記述も多く含まれており、客観的に正しい答えではないということをご了承ください。また、展開されている議論は、たくさんある視点のひとつであり、それぞれの状況によって見方が変わることもあらかじめ断っておきます。


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