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その1 私は『私』

この世に生を受けた時から私は試練を与えられていたのかもしれない。記憶は毛頭ないが柔らかい組織で形成された顔が裂けて生まれる痛みとはどれほどのものだったのか…。
自ら経験しているとはいえ想像しただけでも耐え難い痛みを感じてしまう。
ここで改めて説明しておこう。
口唇口蓋裂とは

先天性異常の一つであり、軟口蓋あるいは硬口蓋またはその両方が閉鎖しない状態の口蓋裂と、口唇の一部に裂け目が現れる状態の口唇裂の総称。症状によって口唇裂、兎唇、口蓋裂などと呼ぶ。俗語では「ミツクチ」「兎口」などと呼ばれた。日本では500人に1人の割合で生まれてくる。
             

ウィキペディア調べ


私は右側の口唇口蓋がどちらも裂けて生まれている。鼻の軟骨も当時はなく潰れている状態。両親は青ざめたそうだ。30年程前の出来事である。今では医療も進歩し計画的に治療もできるそうだ。



福岡の田んぼ広がる田舎で生まれたが状態が状態のため即手術→入院生活。
当時大学病院の先生がたまたま来ていたこともあってすぐに手術された。命の恩人と言っても過言ではない。
生まれた時と数ヶ月後に手術を経験してるがまるで覚えていない。そこに関しては心境などは語れないが味気ない入院食が嫌でなかなか食べなかったそうで母の食べるものを母が口で柔らかくしそれを与えたら食べていたそう。
(今ではこのやり方は衛生的にあまりオススメされないのかもしれないが)

当時父、母、姉、祖母、そして私の5人暮らしであり私は父が苦手で母に甘えたな子だったそうで年の少し離れた姉ともずっと過ごしていたためそれが私にとっての「普通」へとなった。
男の子らしく、女の子らしくではなく私は私と当時から答えていたよう。
姉とゲームをし、可愛いものに興味を惹かれ、女性モデルのポーズを真似て写真を撮ったり、話し方も柔らかく時に甲高い声で喜怒哀楽を表現する。でもそれが『私』なのだ。それは今でも変わらない。




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