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大人とはなんぞや<1>【韓国エッセイ・試し読み】


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「どうしようもないことはどうしようもない」と考えるのがよい時もある。でも「どうしようもなかった」とクールにふるまおうとしても思い通りにいかないのが平凡な私たちの人生。

 韓国から届いた、自分甘やかし系(いい意味で)エッセイ『怠けてるのではなく、充電中です。』(ダンシングスネイル 著/生田美保 訳)。

今回はその中から、「大人」としてふるまうことに疲れたあなたに贈りたい一遍をご紹介します。

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■■■ これが大人ということか ■■■

 日々増える小じわと開いていく毛穴が身体的にはしっかり大人になったことをまざまざと思い知らせてくれるが、精神的にも大人になったと感じる瞬間は別にある。

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• 朝までオールで遊べるチャンスがあっても、ほどほどに切り上げて早く布団に入りたいとき
• クレヨンしんちゃんやドゥーリー(※1)の気持ちに共感するより、みさ
えやキルドンおじさん(※2)が気の毒に思えるとき
• 雪が降っても、もうワクワクしないとき
• その日どんな気分であれ、ポーカーフェイスで黙々と1日を乗り切る自分を発見したとき

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 ひとつずつ年を取り、その数字に比例して人生が複雑になるほど、シンプルなものを好み、心の雑音はグラスに注いで飲み干すようになる。どんなことでもいちいち打ち明けていた友人にも、わざわざ自分の顔に泥を塗る結果になるような気がして、もしくは、よくない出来事を回想するのにエネルギーを使いたくなくて、詳しい説明は省略するようになる。全部忘れてただもう寝てしまいたい。明日はまた明日のことをしなくてはいけないから。

 そんな自分の姿がどこか切なくも、「これが大人ということか!」と誇らしい気持ちがむくむくとわき起こることがある。実のところそれさえも、大人になったねと褒められたい子どもじみた欲求かもしれないが、まあ、だったら何さ。


 頑張って働いたコドモな大人は、ごほうびシールよりも素敵な「今日も1日頑張ったで賞」をもらう資格がある。もちろん賞品は、自分で稼いだお金で自分にご馳走するお酒!



※1『. 赤ちゃん恐竜ドゥーリー』という漫画の主人公。過去からタイムスリップしてきた恐竜の赤ちゃんで、コさん一家のもとで暮らしている。わんぱく盛りで、いつも周囲を困らせる。※2. ドゥーリーが暮らす家のお父さん。いつもドゥーリーのやることに腹を立てて、怒ってばかりいる。

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今日という日が、あなたにとって優しい一日でありますように。




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