入谷マサト

仕事で家具を作ってます。

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最近の記事

商品開発の生産性を考察する

昨日「商品開発の話だよ!」と提案されたものが欠点ばかり思いつく案件だったもので、逆に開発手法を見直すのが面白くなってしまいました。 ハンコと入れ物を木工所から出る廃材で自社製品化したいとな。 うん。安価でエコなこと以外利点が思いつかん。 自分が開発から一歩退いてしまうと、客観的な評価が進んでしまうものなのですね。今後の自分に活かすためにも、ここで商品企画の初期評価の方法について再定義したいと思います。 まず、木工所員の私に寄せられる商品開発企画は、市場の既存品をかなり模倣

    • デザインと関わって日々が豊かになった

      婚活中で空き時間がめっぽう少なくなりました… 非モテでも付き合ってあげるよと言ってくれる女性が少なからずおられるなんて、世間のマッチングってまだ全然上手くいってないんですね。 仕事と関係ないところで「好きを仕事にしてるんですね」と言われたものの、私はデザインを心から好きだと思ったことはありません。ただ、技術系だったころからデザインの将来性を信じて心を躍らせていただけです。そして、実際そのとおりになりました。 好きを仕事にするよりも情熱を注いだ仕事を好きになることのほうが良

      • コラボの仕掛けは自分の売り込み

        今年は同僚の物作りを支援しよう!と決めてはいるものの、元来職人気質で物作りが好きな人は自分のペースで好きなように手を動かすのが性に合ってるものです。木工所作業員の職業柄ですね。これが他人に依頼して物を作ってもらう職種、営業や企画設計だと共同企画はすんなり受け入れられてしまいます。 職人にコラボを受け入れてもらうには、危機的状況を理解してもらうこと、それからメリットを認識してもらうことが必要です。これは明白な社内営業です。しかも、論理的でスマートな見せ方ではなく率直な方法で。

        • 企画者をサポートする道

          自発的に物作りに精を出す木工所員はそこそこ存在します。ただ、マーケットを見据えて行動に移す人が希少なだけ。だから、木工所の売上に何かしら寄与してほしいと考えるならば、彼らの物作りを良い方向へ支援するのが一つの解決策だと考えて今年は実行しようと思っています。 さて、ここで絶対に必要なのは、彼らが企画のリーダーとなって動くだけの意欲を維持し続けられる支援です。業務外で商品開発する上で第一の要になるのは、リーダーの情熱であり、その人の負担が最も大きくなります。この場合でいうと、何

        商品開発の生産性を考察する

          外部交渉を見据えて専門知識を磨く

          昨日はサプライヤーの方と、本日は特注製作の検討をしている方と秩父木工所にてお話をしました。サプライヤーのほうは営業の方で、年齢は40歳である私と同じくらい、十数年間おなじ会社で勤務をされており、業界の知識も豊富な方でした。商品の紹介もさることながら、最近思考する機会の多い「化粧板を使った木工品と無垢材を使った木工品の利点は何か」というテーマについて意見をいただくことが出来たので、大変有難い機会でした。 今日は、お子様用の特注机を検討されている秩父の方と打ち合わせを行い、どの

          外部交渉を見据えて専門知識を磨く

          小規模製造業に改善は必要か

          昨日、秩父木工所の元経営者で現在の顔役を請け負ってくれている人と飲みながら会話している最中、改善は大規模な製造業でこそ意味があるんだよ、という意見を頂きました。至極もっともな意見である、受け入れるつもりはないですが。投入できる資本量の大きさ、生産ロット数の多さ、改善の効果が出やすいであろう要素が大企業にはあります。とはいえ、その規模の工場では既に相当量の改善作業が積みあがっているわけで、規模の大小で一概に改善パフォーマンスを推し量ることは不可能です。 問題は何か。改善を必要

          小規模製造業に改善は必要か

          繁忙期に思うこと

          1月2月は特注品の製造が多くて、普段気付かないことも多々思い知らされます。特に、製造の許容量を超えてしまうと、納期が4月になってしまうことを先方にお伝えせねばなりません。この時期を味わうのは今年で3度目ですが、この腹を括る覚悟が出遅れがちで、いつにもまして強く反省することとなりました。来年は木工所全体の製造キャパシティを見極められるよう精進いたします。 今日のトップ画像は、鮨アカデミーの体験授業を受けた際ににぎらせてもらった寿司を撮ったものです。今週末も行く予定をしており、

          繁忙期に思うこと

          労働環境の是非

          先日、会社が提供しているストレスチェックを受けた際に労働環境の良し悪しを尋ねられました。小規模の木工所で気温・湿度・衛生(埃対策)なんて期待できるはずもなし、そこについては不満であると回答しました。平時はともかく、真冬真夏の悪環境たるや確実に生産性を落としています。こればっかりはしっかりとした設備投資をしないと改善できません。秩父は夏よりも冬が過酷ですが、北海道の木工所などはどう対策してるのだろう?と思いきや、床はコンクリ打ちっぱなしのようですね。そこは本当にどうしようもない

          労働環境の是非

          記事を書いて考えをまとめる

          先週、自分の仕事の大テーマである「改善と開発」を軸に2000文字程度の文章を4分割して書いてみました。構想を下書きしてはいたのですが、④は完全にアドリブで書きました。少し時間を空けたことで考えがまとまったのでしょう。独力で思考が大きく前に進む機会は本当に貴重です。今後は硬直している課題がないか注意を払い、随時書き出していくつもりです。

          記事を書いて考えをまとめる

          改善と開発は同時進行④

          他人を動かしたければ自分がやってみせるべし、率先垂範!…それで同僚が居残り作業をしてくれるようになるわけないです。リーダーシップの原則には適っているし、一目置かれはするのですが、人間の腰は想定よりも遙かに重かったようです。 自発性を高めるには、インセンティブ設計が必要です。目標を持って達成した時の報酬を設定すること、あるいは、達成による利点を認識させることです。典型的な例が社内コンペ。報酬も明確でキャリアアップにも直結します。ただ、小規模な事業所でありそうなのは、社内よりも

          改善と開発は同時進行④

          開発と改善は同時進行③

          では、木工所から商品開発ができる人材に必要な要素は何でしょうか。 業務外でも時間・体力を費やすことのできる動機 マーケット感覚 1が大前提です。そもそも納期が迫ってきている仕事があるのに、業務中に中長期目標の商品開発ができる人間はまずいません。なので、普通の木工所では業務時間外で企画や試作を行うのが常です。ここを自身の力で突破できる人材は創造性に富んでいるタイプであり、そうした人が木工所で働いていることは前述したとおり珍しくありません。つまり、十分ではないものの、素地は

          開発と改善は同時進行③

          開発と改善は同時進行②

          タイトル画像は、浜松駅近くのドイツ料理店「マイン・シュロス」にて撮った写真です。料理もさることながら、すさまじく飲みやすいグレープフルーツの地ビールが最高でした。 誰かに商品開発をやってもらいたい! 経営者の方ならほぼ全員思っていることじゃないですかね。やれば売り上げが上がる営業活動と同様、商品開発もやれば売り上げが上がります。ただし、攻めの領域である為、自発性や見返りがないと成功はあり得ません。新商品は当たるか外れるかハッキリしているので、やる時は可能な限り早く、最大限の

          開発と改善は同時進行②

          開発と改善は同時進行①

          私は製作所の仕事を3つに分類しています。 製造や事務、管理など、運営に不可欠なこと 外部への営業や商品開発といった、売上全体を伸ばす活動 生産効率化や仕入れ先開拓あるいは交渉など、現行製品の利益率を伸ばす活動 十人以下の事業所だと、全員が一つ目に相当な時間を費やしています。景気がそこそこの現在、ここを圧縮して営業や開発に時間を割く事が衰退に歯止めをかける鍵です。少なからぬ事業所が店じまいをしていますが、2番目の売上向上はおろか、3番目の利益率改善にも全く着手せず廃業し

          開発と改善は同時進行①

          現場で取った設計メモは見せられたものじゃない

          デザイナーが公表しているデザインスケッチってすこぶる見栄えがいいですね。学生のポートフォリオに載っているスケッチも、自己アピールに使うだけあって、どれもこれも小奇麗にまとまっている。私も、レポートに添えるスケッチやプレゼン用のイメージはそこそこ意識をして描きます。もちろん、noteに載せるスケッチもそれなりに清書します。ただ、今日書いた設計メモは「分かればいい!」感が満載の、ザ・走り書きになってました。そして、家に帰ってちょっと洒落た感じに描き直してようやく「見せられるスケッ

          現場で取った設計メモは見せられたものじゃない

          0→1か1→2か

          同僚が引き違い戸を製作していたら、タワーが出来ていました。存外スキのない形になっていて吃驚です。気質がアーティストというか、当木工所には創造力のある方が多いです。 自発的に何かを作り出す人間は稀だと思っていたのですが、ここで一緒に働いている人の大半がそうだと知ってから考えを改めました。反面、環境を整えたり改善したりといった人がいないので、私がそちらを担おうと決心しました。どちらも創造性のあることなので苦痛ではありませんが、この木工所のように材料から最終製品まで一人で完結できる

          0→1か1→2か

          本格的に仕事が始まって

          徐々にやることを増やしたせいか、時間が足りなくなってきました。8時間寝る!を目標にすると、一日の締め切りがタイトになって焦燥感が募りますね。この感覚が密度の高い一日に必要なんだなと思うとちょっと諦めるのは早いかな。良い一年にしましょう。

          本格的に仕事が始まって