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本日の読書

昨年末からドハマリし、再読を続けている梁石日作品。
エンタメよりも、かなり文学寄りな作品群で、大きなエピソードが
なくとも、「読ませる力」が強力で、心を掴まれる。
で、この作品だ。

「めぐりくる春」梁石日(著)

出版社紹介文。
1937年、貧しい17歳の淳花は従軍慰安婦にされた。同じ場所で、
日本人兵士に無理矢理体を開かされた韓国人女性の中には、
拒否した為に殴り殺される者、梅毒にかかり気がおかしくなる者、
アヘンに溺れる者、自殺する者もいた。地獄で淳花は、
死んだように生きていた。著者が現地に入り、元慰安婦への取材を経て
描き上げた、悲劇の物語。

梁石日作品で、始めて途中で挫折してしまった。
僕は慰安婦問題については、日韓の主張することは
どちらも信じていない。
韓国は、「歴史的な事実」だとし、強制的に連行されたと主張し、
日本側は、「合法的で、職業的女性達だった」と言う。
ここまで真逆の主張がある場合、どちらが正しいとは言えないと思う。
その中間というか、どっちの主張も、半分は本当で半分は嘘だろう。

で、「めぐりくる春」は、梁石日氏自身が在日韓国人ということもあり、
韓国側の主張に沿った物語になっている。
人間は、その置かれた環境、立場によって、いかようにも変わり得る
と僕は思っており、仏様にも、悪魔にもなれる。
がしかし、慰安婦に対し、日本兵がここまで「悪魔的」に
なったとは、どうしても思えないのだ。
日本兵も過酷な環境にあり、また、若いから暴発するような性欲も
あっただろう。
がしかし…….(以下略)

韓国も政権交代をし、今の大統領は、かなり親日であり、
日韓関係も修復しつつある。
徴用工問題は、韓国側の企業が、見舞金を調達するという
方向で話がすすんでいるが、果たして慰安婦問題に進展は
あるだろうか。
前述した通り、双方の言い分が真逆だから、「解決」は
ありえないのだと思う。

そして最後に指摘したいのは、特攻隊が、最後の言葉として
「天皇陛下万歳」と叫んだとされるが、実際は「お母さん」であり
「お父さん」であったという事も、何かのヒントになりそうだ。


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