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pretendするあたし
書き始められなかった便箋には
罫線だけが行儀よく並んだままだった
乱暴に置いたペンは思いのまま姿を消した
滴り滲み始めた水滴が
乾いた夜風にさらされる
きっと残ってしまうそれは
天然の刺青だとどこか言語化された
物体でも肉体でもいつかは灰と化しては
この世から失われる
だれかの記憶に
なんて執着な欲は葬っておくのが妥当だ
読み取り方を間違えた感情は暴徒化する
傷つけてしまうのではないかと恐れる先
明けない夜があるのなら
真夜中の天井と少し肌寒い夜風は
無駄のないあたしの感情を刺激して
寂しさを助長させた
明日の朝、起きられないと困るからと
少し開けたカーテンの隙間から
差し込む月明かりに
“明けない夜があったら”と問いかける
正解なんてないのだから“うん”とでも
答えていてくれればいい
求めるべきでないところへ求めてしまうほど
何かに追われているのだろうか
言語化できない
ミクロな表出の積み重ねに襲われる
需要
“おもしろい”を探す旅で
仮に名前をつけるなら“居場所”だろう
自販機の横のような
一昔前の喫煙所のような空間
欲求を失ったような意識と
無意識に持ち合わせたカタチのない虚しさ
途切れない音楽とアルコールに溺れきる前に
覚ますべきだとわかっている
大事なことを失ってしまう前に気づけるように
気づけた時に後回しにしてしまわないように
人混みに身を隠す
後付けのような文字列にも意味を持たせたい
熱をもった頬は更に闇を求めて紛
ミルクレープなわたし
繋いだ手とは反比例に離れた気持ち
連絡が途絶えれば愛想を尽かされたかと不安になった
求められることには嫌気がさして
安定を望んだのとは裏腹に
習慣化されたコトは物足りなさに支配された
自発的なことに面倒臭さを感じ始めトンネルの終わりは告げられる
視野が開けて光が差し込まれた
道標は足りなかった
鎖でもリードでもつけてくれればよかったのに
所有者の名札を乱暴にも縫いつけてしまって欲しかった
わが
居てもいいということ
ひとり足を踏み入れる“居場所”で考える
ただ思いのままにする行動に
思考回路はスイッチを切る
聞こえる言語に耳を傾けどれくらいわかるだろうかとセルフリスニングテストをしてみる
なんだか嬉しくなれる内容と
勝手に盛り上がって書き留めた
突然にも偶然にも下準備があるのだと知らされた
準備運動の公開には恥ずかしさと喜びを覚えること
0から1の大きな一歩じゃない、1から始まる小さな繋がりと輪
連鎖と消滅