夜雨の蝶みたいに

見えなくて、触れられなくて
それでも確固として存在する“それ”を求めた日
どれだけ巡らせた想いも空想と化してボヤける
雨なのか霧なのか、溢れた涙なのか、
むしろ虚像であればいいのにと
簡単に受け入れられる気がした
どこか虚しくなった自分に嫌気がさす
単純で明快な疑問で埋め尽くされた時
自分でさえも見て見ぬフリをした

忽然と現れた蝶に目が留まるように
確証のないものを好んでしまう

曖昧で優柔不断な自分を強がらせてくれた
強がる自分を意図的に和らげてくれて
言葉にできないなにかを必要以上の無意識で汲み取ってくれて
ありがとうの快感に溺れかけた
溺れてしまっては悪夢を見そうだと必死にあがくのは無駄に終わりそうだ
悪夢と思うのはまだ夜の濃霧だからだろう

もう少し素直になれれば楽なのに

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