雨音に佇む明朝



塞げば遮断され
覆えば存在しなかったように
幼な子のような感覚に取り憑かれる
虚無な時間を待ち侘びて
音のない空想にひとり身を潜める

不甲斐なくなったあたしを
ひとり受けとめきれる自信は裏切られた
押し殺せば予想外にも溢れ出す
決壊したダムの修復には労力が要った
失ったもの。
取り戻すには時間が溶かされる
方法もカタチも知らない“それ”は
探し集めるものだろうか
作り出すものなのだろうか


取り扱い説明書なんかがあればいい
と言いかけた口を噤んだ
欲しがったものはなんだろう
追っていたものはどこだろうと

問いで埋め尽くされた世界線と感情線
眺めるだけになりたくなかった
記憶なく派生する答えを
あたしだけに紡がせてくれるのなら

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