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DIYカントリー家具の作り方1(準備編)

以前のコラムでは実際に作ったDIYカントリー家具をご紹介しました。

前回書ききれなかった詳細や、道具・材料などについて書いていきたいと思います。


そもそもDIYって?

Do It Yourselfの略で、家具だけではなく、アクセサリー作りなど手作りをすべてDIYと呼ぶようです。
国内のホームセンターの増加とともに、アメリカのDIY文化が輸入されたものと考えてよいでしょう。
アメリカではDIYが当たり前のようで、壁紙の張替えや、既製品家具の塗り替えも一般的だそうです。

昔、日本ではDIYのことを「日曜大工」と呼んでいました。
素人が休みの日にやるから「日曜大工」なんですが、今「日曜大工」なんて言葉を使ったら若者につっこまれそうです…。

DIYとホームセンターの増加に関しては、下記サイトに詳細がありましたが、面白いことが書いてありました。

「消費者の志向が物質的な豊かさから精神的な豊かさへと変化し、さらに余暇時間の増大にともない、文化的、創造的生活を求める新しい生活価値観が生まれた」

年間総売上高とホームセンター数の推移(推計値)

これは、社会学的にも、たいへん興味深い視点だと思います。

このように、DIYの概念自体は以前からありましたが、昔は今よりももっとハードルが高かった。
ホームセンターが増えたおかげで、材料や道具が格段に買いやすくなり、DIY文化は日本でも身近になりました。
また、なかには作業する場所を提供してくれるホームセンターもありますので、作業場所問題まで解決できてしまいます。

皆さんも、小学校で図画工作、中学校や高校で木工を習ったはずです。
壁紙の張替えなんて教わりませんでしたが、家具作りのほうなら、こうした学校での授業の延長線上にあります。
小さいものや簡単な家具から始めれば、思っているほどハードルは高くはないかもしれません。

私の師匠

実は私の家具DIYには、師匠がいます。
DIYが日本で流行る前から、本場アメリカでカントリー家具作りを習っていた義母、つまり妻の母です。
妻の実家はDIYカントリー家具だらけ。
実家に遊びに行くたびに、ほぼ必ず新しい家具が増えています。
しかも、壁の漆喰塗りや腰壁作り、カントリー楽器までDIYしています。

私たちが結婚したときには、多くの家具を義母に作ってもらいました。
引っ越しなのに、ほとんど新しい家具を買わずに済んでしまったくらい。

その後、新居を建てたときに、自分たちでもDIYをしたいと話したら、余っていた工具などを譲ってくれて、アドバイスをもらうようになりました。
はじめは、妻がDIYをやるつもりだったようですが、私のほうがハマってしまい、妻はまったく作らなくなりました(笑)

ちなみに師匠は、私の作品なんかより、もっとかわいいカントリー家具を作ります。
私の作品のほうはカントリーというにはずっとシンプルですが、基本は義母から教わった技術を踏襲しています。

DIYのメリット

これだけDIYが親しまれる理由は、当然たくさんのメリットがあるからです。

・置き場所や収納したいものにぴったりサイズの家具が作れる

これがもっとも大きなメリットだと思います。
既製品で、置きたい場所や収納したいもののサイズに、完璧にあう家具を探すのは至難の業です。
今はwebでも探せるので、昔に比べれば理想の家具に出会える確率は、遥かに上がりましたが、それでも見つかれば奇跡。
むしろ、既存の家具のサイズに、部屋のレイアウトをあわせるのが当たり前だと思います。
私も、義母に家具を作ってもらう前はそうでした。
でもDIYでは理想のサイズの家具が手に入ります。

例えばこれは、キーボードを乗せるミュージックラックなのですが、天板はキーボードのサイズ、いちばん下の段は、ギターアンプの高さで作りました。

これも、段は漫画のサイズで、全高はちょうど屋根裏の天井の高さにあわせました。
このように、空間を無駄なく活かせます。

・デザインの統一感

部屋の雰囲気にあわせて、色や金具などのデザインを選べます。
同じ色、金具を揃えて複数の家具を作れば、さらに部屋の統一感がだせます。

我が家は、このように黒の金具にウォールナットのオイルステンで統一しています。

実家に家具を作ったときは、壁紙がオレンジ色だったので、暖色系のオークのオイルステンを使いました。

・達成感

プランを考える楽しさもありますが、なんといっても完成したときの達成感が、もっとも大きな報酬です。
しかも、その後、日常生活で使用するたびに、その完成時の達成感を思い出せます。
できた家具を眺めてはニヤニヤ、想定していた場所に置いてみてニヤニヤ、中身を置いてみてまたニヤニヤ、使ってみてニヤニヤ…止まりません。

・愛着

自らの手で作り上げるのですから、当然、既製品にはない愛着が生まれます。
それに、少しくらい失敗しても、それも思い出になります。
もちろん、失敗したら納得いくまで作り直すことができるのも利点です。

・材料を再利用できる

余った木材や、不要な木材、あるいはネジや金具も、新しい家具を作るときに再利用できます。
木材は好きな形に再加工できるので、パーツから作れる自由なレゴみたいなものです。
引っ越しや、生活環境が変わって使いづらくなった家具を解体して、新たな家具に生まれ変わらせることができます。
例えば、これは今の家に引っ越してくる前に、師匠に作ってもらった収納棚を解体して、作り替えた作業机です。

古い収納棚を解体したところ
新たに作り替えた机


・心のケアにもなる

以前のコラムで、セルフケアの一例としてDIYを挙げました。

達成感や手作りに、自分が癒されるというのも、大きなメリットです。
上記では日本DIY協会の一文を引用しましたが、DIYは、現代人が失いがちな人間性の復権だと思っています。

・総合的に考えて低コスト?

材料費だけを考えるなら、既製品を買うよりも安く済む場合がほとんどですが、実は、それ以外の工具費、工賃、運搬コストも存在します。
次回また詳述しますが、工具がを持っていなければ、当然イニシャルコストはかかります。
作るほど減価償却していきますが。
運搬コストとしては、ガソリン代と手間がかかります。
工賃は自分で作るのでもちろんかかりませんが、その分の手間と時間もコストと考えられます。
それでも、上記に挙げてきたようなたくさんのメリットがあるため、コストに比して見返りが大きいということになります。

まとめ

長くなってしまったので、次回に続きます。
次回はいよいよ実践編として、揃えるべき道具や、具体的な作り方について書いていきます。


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