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世代間ギャップと共通言語の差をチーム内で共有していく3つのポイント

この5つのキーワードについて知っていますか!?

とある経営者さん達の会合でおもしろい話を聞きました。

「世代間ギャップって知っているの!?」と質問をされ、「はいっ!?世代間ギャップってなんですか?」とついつい間髪を入れずに聞いてしまった。

「達成と快楽と人間関係と意味合いと没頭できる環境がキーワードなんだけどね…」ドヤ顔で質問をしてきたので、「えっ!?知らないですね〜教えてくださいっ!」とついついいつものように切り替えしてしまった。

例え知っていることであったとしても、目上の人には知らないふりをするのが必要な時もあるから。

そうすると、こんなことを話し始めた。

「これは私の私見だけどね。アファフォー以上のバブル〜ロスジェネ世代とアラサーのゆとり世代、さとり世代、Z世代では違うんだよ。」

そこから演説会がはじまったのは間違いありません。

バブル世代〜ロスジェネ世代までは、目標を達成することで快楽を得ていた。

会社に貢献をしているし、会社を支えているという自負があった。

がんばった分評価ががあがり、昇進して、給与も右肩上がり、インセンティブで稼ぐこともできた。

ゆとり世代、さとり世代については全く違う。

弱いつながり、6次の隔たりということばがあるように、人間関係を重視している。

SNSでつながったり、ネットとリアルをうまく使い分けている。

働く意味合いもあり、社会貢献したいということから起業や複業をはじめる人もいる。

場合によっては転職をすることもあるから不思議ではない。

昔からご縁ということばがあるけれど、まさにそれが今の時代を象徴している。

没頭できる環境というのはすぐに気の合う仲間とフットワーク軽く何でもやってみる環境を作ること。

今で言えばコミュニティの運営者がそうじゃないかな。

正社員でいられることの安泰だけを求めている人もいるし、ロスジェネ世代のようにギラギラして一発ホームラン狙おうという人が少なくなってきた。

嫌われたくないという気持ちがそうさせていているのかもしれないけれど、世代格差のようなギャップが明確になってきている。

世代間ギャップはいつでもあること

いくつかの課題はありましたが、個人やチーム全体での収益目標の達成に何度も、しかも皆で楽しく盛り上がりながら成功しました。

またチーム内部に対立はほとんどなく、「大きな事件」も起こりませんでした。

ミレニアル世代社員の特徴とされるマイナスイメージを繰り返すつもりはありませんが、あえて言えばこの若いチームにもその特性がよく見られました。

しかし結局はそれも大した問題ではありませんでした。

世代ギャップをうまく乗り切ったわけですが、それには三つの重要な「swipe right=いいね!」をこのチームに取り入れる必要がありました。

「swipe right(右にスワイプ)」とはマッチングアプリなどで画面を右にスワイプする動作で、「好き」「いいね!」の意味です。

1:学びの場を定着させて、いいことをシェアする環境をつくる

これは私自身の学習体験から得た一番重要な教訓です。プロジェクトの早い段階で戦略を立てつつ、もしこのチームに「学びの文化」を定着させられたら、ターゲットの達成も届かない望みではないと実感しました。

チームメンバーの大部分は大学を出ておらず、ビジネス感覚のない人も多くいました。

そのことは、彼らが幹部や他の上級管理職と交わす書面や口頭でのやり取りからも明らかでした。

しかしメンバーの一人ひとりに何か特別な、秀でた特技がありました。

こうした個々の強みを皆で活用し共有できれば、チームメンバーが過去につかみ損ねた自信を取り戻せるだろうと考えたのです。

そこで、それぞれの専門領域のグループをつくって、グループ内で他のメンバーや新人社員に自分の専門知識を教えられるようにしました。

専門領域はソフトの基礎知識、コールセンター・システムのトラブルシューティング、電話/eメール販売テクニック、ソーシャルメディアによる販促、ソフトウェアのベータテストと多岐にわたり、そしてもちろんパーティー企画までありました。

程なくして、チームメンバーからもっと正式な技術・営業面での研修を受けたいという希望がでるようになりました。

それに加え、今ではメンバー同士が盛んに対話して情報を共有し、学び合うようになりました。

雑談で話題に上るのも、最新のアプリやドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のストーリーばかりではなくなりました。

その代わり、今ではプロセスの改善方法について話し、互いに知識を教えるようになりました。

学びの文化があると、自尊心、互いへの尊敬の念、謙遜の気持ちが生まれます。

そうです、なんとミレニアル世代と謙遜が結びついたのです。

実際にこうした場面を数えきれないほど何度も目撃しました。

2:KPIを共有して当事者意識と一体感を醸成する

今回のプロジェクトでは、私は売上高に加えて5つのKPI(重要業績評価指標)を重視していました。

社内の既存の規定では、私のKPIをチームメンバーと共有することは求められていませんでした。

しかし週の定例販売会議をやっていたある日、ちょうど1カ月経ったので自分のKPIを記録しなければならないと私はたまたま話題にしたのです。

するとすぐに質問が殺到しました。KPIって何ですか? 自分や自分の上司たちとKPIはどんな関係がありますか? 

メンバーから同意を得る絶好のチャンスだと感じ取った私は、KPIについて非公式ながら入門的講義を行いました。

最後にはチームからの質問が私の知識を超えてしまいました。

彼らは自分の業務と私が追っていたKPIの関連性をすぐにつかんで理解しましたが、その能力は驚くべきものでした。

その日のミーティングは通常よりも90分長くかかりましたが、プロジェクト成功のカギを握る重要なものでした。

それ以降、我々は常に毎週KPIをレビューするようになりました。

ミレニアル世代の人たちにとって、チームの一体感と調和は明らかに重要な動機付けになりますが、同様にKPI達成の推進力となることもモチベーションになります。

ベビーブーム世代は、口先では「チームワーク」と唱えながら、チームとして失敗しても個人の努力で活躍できる余地があることをなぜか気休めにしがちです。

こうした考え方は、今回のチームではまず見当たりませんでした。彼らは成功を収めるのも失敗するのも全員一緒でした。

彼らのチームワークの原動力になったのは、幹部がどの数字を監視しているかを正確に把握している点でした。

もしメンバーの一人が目標を達成できないと、それはチーム全体の失敗であると感じるのです。

こうした考え方で仕事をする彼らを見て私が心から感動しました。この時に紛れもなく明白だったのは、このメンバーたちは私のためにではなく、私と一緒に働きたいのだということでした。

彼らは私にチームワークとは何かを教えてくれました。

そればかりでなく、チームが見せた問題解決の起業家的アイディアやリアルタイムで情報更新を求める姿勢によって、我々のKPIの成果は自然と上昇しました。

私が営業チームの管理業務に日々追われているときも、彼らの姿から事業の全体像を再認識することがよくありました。

このチームは、私の世代ではまず見たことのないレベルのイノベーションと献身ぶりを発揮していました。

これではどちらが先生で、どちらが生徒なのでしょうか? その境界が曖昧になり始めました。

まさに学びの文化の賜物です。

3:個別育成と目標設定

優秀なマネジャーがチームメンバーの育成と目標設定を個別に行うのは当たり前のことだと思うかもしれません。

しかし、生活体験のあらゆるものがカスタマイズ化、個別化されている世代にとって、この点は特に重要なのです。

逆に言えば、自分が気にかけていたものが一般大衆向けに作られたものだと知ると、興味が冷めてしまう傾向があります。

チームメンバーの個人化へのニーズをどうしたら活用できるでしょうか。

初日から私は、チームの一人ひとりと定期的なマンツーマンの対話を始めました。

彼らについて、例えば好きなこと/嫌いなこと、家族、不安、夢などを知る必要がありました。

そして、個人的な目標を混ぜ合わせることで、職務上の目標を達成しやすくなり、目標を上回ることが分かりました。

メンバーとのマンツーマンの対話を毎週は実施できなかったため、育成目標の達成状況を登録し、問題や心配があれば私に知らせることができるツールを活用しました。

そこで驚かされたのは、彼らが専門的な「目に見える具体的」目標をKPIと結び付け、「目に見えない」目標を学習や相互尊重といった文化的価値観と結びつける能力を持っていたことでした。学びの文化やKPIによって、彼らはごく自然にこの関連づけを行っていました。戦略が良い方向に進みつつありました。

 

この企業での彼らとのプロジェクトは終了し、私は現在、次のプロジェクトに移っていますが、今でもこの元々のチームメンバーのほぼ全員と連絡を取っています。

ミレニアル世代と自分のギャップを埋めるには、彼らを色眼鏡で見るのではなく、その強みを見つけ「いいね!」と認めて活用する心持ちなのだと思います。

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