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【詩】言葉の世界

ある言葉は、それとそれでないものを分ける。
「あったかい」という言葉だったら、「これはあったかい何か」「これはあったかくない何か」と、分別することを可能にする。
逆に、「あったかい何か」と「あったかくない何か」が両方とも存在することで初めて「あったかい」という言葉が存在できるとも言える。

「椅子」もそうだ。
椅子的な何かとそうでない何かを分ける。
「◯◯国」もそう。
「鳥」もそう。
「優しさ」もそう。
「正義」もそう。
「戦争」もそう。

言葉は境界である。
言葉は境界という、両者の真ん中になる。
何かと何かを分ける二元論の世界だ。

言葉の世界は二元論の世界なのだろうか?

もし私達が、言葉のある場所に立っていたらどうなるだろう?
言葉が境界なら、私達が境界の真上に立っていたら?
私達が両者の真ん中に立っていたら?

「あったかい何か」と「あったかくない何か」の間で、両者の真ん中で、私はどちらにも染まらずにいるだろう。
「椅子」と「椅子でない何か」の間で。
「◯◯国」と「◯◯国でない何か」の間で。
「鳥」と「鳥でない何か」の間で。
「優しさ」と「優しさでない何か」の間で。
「正義」と「正義でない何か」の間で。
「戦争」と「戦争でない何か」の間で。

言葉は真ん中を知るためにある。
真ん中を知るために、「あったかい何か」と「あったかくない何か」があるのかも知れない。
言葉の世界は真ん中を知る世界だ。


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