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「わたしを離さないで」感想

この悪趣味な物語に不快感を持ちながらも回想し、そこに何かしらの意味を見つけようとしている自分こそ、作者の狙いそのものかもしれない。

この物語はパラレルワールドではない。SFといわれてもシックリこない。ここに描かれているのは現実に存在している人間そのものに他ならない。

人には心がある。
人にはルーツがある。
そして人は滑稽で危険な「正義」という概念をもつ。正しさを信じ込んだ人は何処まででも残酷になれる…

おぞましい過ちのなかに自分もいる。
おぞましい過ちを正しいと信じている自分がいる。
止める勇気が私にはあるのだろうか?
この悪趣味な物語に思う。


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