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cectne9
【詩】活版印刷の校正
文字は、幼き者のように自由だ
自在に飛び散って
入れ替わって
ひっくり返る
わたしの仕事は
奔放な文字たちを
あるべき姿に整え
あるべき場所におさめること
それでも、どこに逃れていたのか
うまれたての本を開けた途端に
目に飛び込む
無惨にひしゃげた文字
(時には、のうのうと扉にはりついていたりいる)
節穴だ
わたしの目は節穴だ
あぁ、
本当にわたしの目が節穴なら
言葉になる前のわたしの思いを
そのままあなたに届けることができるのに
今は、勤務時間中
あなたを見つけることができたのに
幼き者は見失ってしまう脳を
まずは校正しなくては
そして、わたしは
呆けた顔に穿たれたふたつの穴に
レンズをはめ直す
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