しおん

数年前のある朝、「わたし、今、更年期の長いトンネルを抜けた!」と目覚め、自身の新たなス…

しおん

数年前のある朝、「わたし、今、更年期の長いトンネルを抜けた!」と目覚め、自身の新たなステージの性と向き合って、感じ、考え、あがき、そして気付いたこと、ぼちぼち綴ります。時々、家族のことも。 降りてきたことばをもとに詩にしたり、他の人の表現からイメージしたことなども詩にしています。

マガジン

  • 自作の詩や詩にかかわる文章を掲載します。 自身が気付いたこと、他の人の表現からインスピレーションを得たもの、など、つぶやきを詩のような形にしました。

  • 返詩、または、連なる詩

    先に誰かの詩や表現があって浮かんできたことばをつぶやきのような詩にしたものです。 おもに、今は、noteクリエーターのCir さんの詩から浮かんだイメージをもとにしたものが多いです。 元のテーマと関係なく、一部の表現に惹かれ、勝手にイメージを膨らませたものは、本文に元の表現の紹介をしていないため、コメントで紹介しています。 独立できたと思えた詩は、マガジン「詩」にも掲載しています。

  • 雑記 性と生

    おもに性的存在としての自分について考えを深めるために、書き散らかしたものをまとめます。

最近の記事

  • 固定された記事

【ひとり語り】詩とわたし

わたしに なぜ 詩が降りてきたのだろう わたしは 誰に向けて 詩を届けようとしているのだろう noteを始めた動機とは 別の何かが 蠢くように この2ヶ月半 ノートの海に 撒き続けた、わたしの詩 きっと、詩とは言えない つぶやきを 書き留めたものたち 降りてきたり 触発されたり 突き動かされたり 心に響いて イメージが湧き出て 物語が生まれて オンナになり オトコになり 少女や少年になり ひとではないものにも なり 内から 外から 近く 遠く 表に 裏に

    • 【詩】啼けぬ鳥

      仮の夜に 身を預けても 啼けぬ鳥 心の檻に とらわるるかな

      • 【詩】手放す

        手放そう こだわっていたもの 欲しかったもの 思いだけなら もう手放してしまおう 自分が手にしているもので もういっぱいで 自分が手にしているものたちが わたしを待っているから 今、手にしていないものを 思い焦がれるだけなら 手放してしまおう それでも 生まれた余白に 帰り戻って来るものがあるのなら お帰りと迎えよう 待っていたと迎えよう 会いたかったと迎えよう 掃き清められた場は 扉の向こうの 微かな空気の震えを 静かに待っている なかなか、手放せないんですけど

        • 【詩】固結びの紐

          あなたは わたしを 固結びの紐、と喩え 一本一本 解いていきたい と語る 固結びの紐の中に 何があるのかも知らずに 紐でぐるぐると巻かれているのは 巻かれた紐の中にあるのは 闇に沈んだ刃かもしれないのに 解かれた途端 それは あなたの指を切るのだろうか それとも わたしの胸を刺すのだろうか 固結びの紐の中で 刃は目覚めの時を待って 身を潜めている あなたが 見えない部分が見えてきた と言うのは その刃が 身じろぎするのが 見えたのでしょうか その姿は見えず

        • 固定された記事

        【ひとり語り】詩とわたし

        マガジン

        • 97本
        • 返詩、または、連なる詩
          14本
        • 雑記 性と生
          5本

        記事

          【詩】しあわせの嘘

          しあわせですかと 自分自身には もう問わない 答えのない問いは 果てのないループに 絡め取られる 本物でないといけないですか 似たようなものではいけませんか 精一杯で手にしたものを 信じてはいけませんか 真実と嘘と どちらでもあり どちらでもない どれもあって どれもない そんなあわいの中が 心地よく感じるのは おかしいですか もし あなたにしあわせかと問われたら しあわせと微笑もう 微笑みの中の嘘を そのままに 今なら受け止めてもらえるだろうか もし、あ

          【詩】しあわせの嘘

          【詩】しあわせを吾に問ふ君は

          しあわせを 吾に問ふ君は 遠くなり ももとせちとせ こひこふふるふる

          【詩】しあわせを吾に問ふ君は

          【詩】しあわせについて

          しあわせですか と問いかけられて なぜ こんなにも 涙が溢れるのか 忘れていた とても大事なことを 忘れていた しあわせであることは 祈りであることを しあわせになることは あなたから託された 願いであることを もう届かない想いの距離に 反比例するように 心の中でのあなたの存在は 距離を縮め いつも傍にあるというのに しあわせのぬくもりは わたしから 手放してしまい しあわせの感覚は 道のどこかに置き忘れ しあわせの感受性は 擦り減ってしまい 気にも留めてい

          【詩】しあわせについて

          【詩】葦舟の手紙

          葦舟で届く手紙は いつも 真っ白で 初めのころは 言葉が流れてしまったのだろうかと 思い悩み 月の光に透かしてみたり 陽の光を受けて 炙り出そうとしたり あなたの言葉を受け取りたくて あなたの言葉の痕跡を感じたくて 真白き手紙に 頬を寄せ 指を添えた 月の道 辿る葦舟 ふみをもて 言の葉散りぬ 跡ぞ恋ひ恋ふ 今は知っている 初めから 言葉など 記されていなかったことを あなたは知っていたのだ どんなに言葉を重ねても 想いを想いのまま 伝えることはできない、と

          【詩】葦舟の手紙

          【詩】“あ”と“い”の間

          行間を読め、と 語られないものが そこにあるかのように 教えられた 行間は単なる空白でなく すでに何かに満たされていて 何かが隠れていて 溢れ出すのを 見つけ出されるのを待っている 今までは 何の疑いもなかった 言葉と言葉の奇跡的な連なりは 愛撫のように わたしを誘ってきたから だけど どうしても埋まらないものがあるのだ わたしが音にしたい言葉 文字にしたい言葉 しぐさで表したい言葉 その言葉と言葉の僅かな隙間は まるで 宇宙に瞬く 星々の距離のよう 互いのこと

          【詩】“あ”と“い”の間

          【詩】雨上がりの月

          まっさらな夜空に まっさらな月が 貼り付いて 一筋の迷いもなく 真っ直ぐに 届く輝き あまりにも天高く あるので 今夜も逃れられない ぐしょぐしょになった身体は まだ、雫をぽとぽと落とし 黒い影を広げる 罪を灌いだもののみが 住めるという 月は 洗い上がりの空で 全てを許すように 聖らかな輝きを放つ わたしの濡れた指一本でさえ 乾かせないくせに

          【詩】雨上がりの月

          【詩】月夜の手紙

          わたしのポストは 湖の中 配達員は 向こう岸から 手紙を葦舟に乗せて 送り出す 葦舟は 月の道を 滑るように辿り あなたからの言葉はそうして 届く 今夜の 風はどこを吹いているのか 雲はどこを流れているのか 静かな月夜でないと あなたの言葉は届かない 鎖編みの糸を 指に絡めたまま、 目を閉じ 耳を澄まし わたしの心も 葦舟のように 頼りなげに震える やがて、また、雨が零れる 心が震えると なぜ、溢れてしまうのか 湖面に漂う 葦舟に 濡れかかると あなたの言

          【詩】月夜の手紙

          【詩】みだれ髪

          昼月の 褥に降りる 霧の帳 みだれし髪に 濡れかかりたり

          【詩】みだれ髪

          【詩】言葉のかくれんぼ

          ほんのすこし むかしのこと 見つけて欲しいから 隠れてみた 誂えたような窪みに すっぽり収まった言葉は 想いを滲ませ 心はほうき星のように 宇宙に孤独な軌道を描く あなたは わたしの前を通り過ぎて 誰かが目の前に差し出した言葉を 受け止める かくれんぼだから 動くことも 声を出すことも 禁じられ ただ 見つけてくれるのを 一億光年 待っている

          【詩】言葉のかくれんぼ

          【詩】脇道-そして、ブランコと断頭台-

          脇道が好きだ 通りから脇に延びる 細い路地 連なる軒が 手を差し伸べるように 影をつくり 植木鉢に挿した棒には つるが巻き付き その先にはつぼみが揺れる 少し開いた扉の中には 食べかけの朝食が残されていて ある時刻、一斉に 違う時空に瞬間移動したような ほのかな温もりを漂わせた 静けさ その先には何があるのか 細い石段があるなら最高のご褒美だ 上に登れば、 地元の人しか行かないような公園があって そこでブランコに乗りながら 海を眺めるのはどうだろう ときには

          【詩】脇道-そして、ブランコと断頭台-

          【詩】媚薬

          その一滴は どこを滲ませたのだろう いつ 零れ落ちてきたのだろう その一滴は わたしの現実を揺るがせ 甘噛むような 痛みさえ請い願わせる 肌にひりひりと張り付くような 沈黙のなかで 疼くまま 蠢くまま 炙られ 衝かれるままに 手を伸ばした先は 内側に取っ手のない扉 そうだった 秘かに持っていた 小瓶の蓋を開けたのは わたし 甘やかな香りに誘われ その痛みに魅せられたのは わたし 扉に伸ばす手は もう 逃れる術はないことを 知っている 逃れられないなら そ

          【詩】媚薬

          【詩】満月の夜のスカボローフェア + 「note創作大賞」参加作品ハードボイルドの世界へのご招待

          満月の夜に スカボローフェアを聴きながら 胸の中を静かに満たしていくものに 心は揺らぐ 輝く月は 風に流される雲の隙間から 視線を投げかけ わたしを誘う パセリ、セージ、ローズマリー、タイム 呪文を唱えながら 緑の露に 足指を染め パセリ、セージ、ローズマリー、タイム 呪文の帷を降ろし 月の影が生み出すあわいの世に 聖なる結界を結ぶ あわいの世は ただ、在ることが そのままの意味になり パセリ、セージ、ローズマリー、タイム 緑の息吹の呪文に結ばれた 結界の

          【詩】満月の夜のスカボローフェア + 「note創作大賞」参加作品ハードボイルドの世界へのご招待