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秋の音を 聴いて家路の 薄月夜
(六甲山掬星台にて) 瀬戸内に 船おだやかに 進みゆき 島の守りに この地ありたり 写真は…
「連鎖と伝播」 憎しみと悲しみは 激しく巻く渦に似て 境界を侵し 何もかも呑み込んでゆく …
ときはなそうとしたのは このからだだったのに ほどきたかったのは このこころなのに いつの…
わたしがあなたの目を見つめるのは あなたの目の奥を覗きたいのではなくて ただ あなたの目に…
今日は寂しいから 帰ったら 谷川俊太郎さんに 会いに行こう 気難しくて 偏屈なのに こそばし…
好きだった 好きだった 好きだった 好きだった 好きだった 失くした痛みが 埋もれた時間から よみがえるとき もう届かないなら 叫んでしまおう 好きだった 好きだった 好きだった 好きだった 好きだった 一回しか言えなかった言葉を 抱えたままの あのときのわたし 記憶の中のあなたに向けて その言葉を 届けるなら もう、過去形でしか言えなくて そう、過去形で言うのだから たくさん届けてもいいですか いっぱい叫んでいいですか 好きだった 好きだった 好きだった 好き
くるくる くるくる 何かにひっかかって ちょっと立ち止まったあなたに 追い打ちをかけるよう…
わたしは あなたとの時間の ひとつひとつを 玉に結ぶ あなたとわたしを撚り合わせた糸で あな…
(第一篇) あなたは うそつき おおうそつき わたしの くらやみを ふきはらうほどの おおう…
今夜も 賑やかにさざめく 糸たちを 経糸にくぐらせながら ほのかな灯りに 頬を照らし 川の汀…
仮の夜に 身を預けても 啼けぬ鳥 心の檻に とらわるるかな
手放そう こだわっていたもの 欲しかったもの 思いだけなら もう手放してしまおう 自分が手に…
あなたは わたしを 固結びの紐、と喩え 一本一本 解いていきたい と語る 固結びの紐の中に 何があるのかも知らずに 紐でぐるぐると巻かれているのは 巻かれた紐の中にあるのは 闇に沈んだ刃かもしれないのに 解かれた途端 それは あなたの指を切るのだろうか それとも わたしの胸を刺すのだろうか 固結びの紐の中で 刃は目覚めの時を待って 身を潜めている あなたが 見えない部分が見えてきた と言うのは その刃が 身じろぎするのが 見えたのでしょうか その姿は見えず