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【詩】“あ”と“い”の間

行間を読め、と
語られないものが
そこにあるかのように
教えられた

行間は単なる空白でなく
すでに何かに満たされていて
何かが隠れていて
溢れ出すのを
見つけ出されるのを待っている

今までは
何の疑いもなかった

言葉と言葉の奇跡的な連なりは
愛撫のように
わたしをいざなってきたから

だけど
どうしても埋まらないものがあるのだ

わたしが音にしたい言葉
文字にしたい言葉
しぐさで表したい言葉

その言葉と言葉の僅かな隙間は
まるで
宇宙に瞬く
星々の距離のよう

互いのことなど
見ず知らずな者同士のように
かけ離れた音で
混じり合わない色で
重なり合わない姿で

向き合ったと思えば
反発しあい
そっと添わせようとすると
そっぽを向き
繋ぎ合わせようとすると
綻びをつくり

かささぎの橋も
渡せないような
波を起こす

その言葉と言葉の隙間は
果てのない時間ときを奏で

“あ”と“い”の間で
永遠の物語を紡ぐ


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