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キャンプ場で十勝豚丼修行
2014年5月
北海道の長万部にあるスーパーでフライパンを買った。
おいしい十勝豚丼を作ろうと思い立ったのだ。
十勝豚丼とは甘辛い醤油ダレで仕上げてあるアレだ。
色の濃い生姜焼きみたいなアレである。
さっそくキャンプ場にて修行開始である。
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豚丼を作るためと言っておきながら、「まだ練習段階だから」と安くで買える鶏ムネ肉を焼く。
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醤油と砂糖を投入する。
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もはやただの「鶏の照り焼き」である。
そして白米ではなく茹でておいたパスタと和える。
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「練習だから」という言い訳が通用しないほど豚丼とかけ離れた妙な食べ物になってしまった。
(旅が長くなって米を炊くのが面倒になり主食はパスタになっていた。)
翌日、霧のなか洞爺湖へと向かう。
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雨が降ってきた。
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キャンプ場で「鶏の照り焼き」としか言いようのない、十勝豚丼づくりの練習をしつこく続ける。
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つまり私は十勝豚丼の作り方を知らなかったのである。
タレを先に作っておいて、肉が焼けた頃にジュワッとからめて仕上げるという事を知らなかったのである。
翌朝、ようやく晴れて美しい洞爺湖をおがめた。
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つづく
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