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沖縄上陸直後に自転車つぶれる

2013年11月6日~8日 自転車日本一周の旅 51~53目 鹿児島~沖縄

鹿児島港から沖縄行きのフェリーに乗り込む。

この船は途中でいろんな島に寄港しながら丸一日かけて沖縄に向かう。
長時間の航行だが、最低クラスのチケットでは雑魚寝スタイルである。
(いちおう指定席制ではある。)

翌日の夜。
終点の那覇市に到着したところで船のスピーカーから夏川りみさんの歌う「童神」が流された。

それが無性に胸に沁みて、「帰って来たなぁ、、、」と涙が出そうになった。
高校の修学旅行以外で来たこともないのに。

下船してから少し自転車を走らせ、野宿予定地にしていた道の駅に向かう。
街から少し離れたところで河口にかかる大きな橋が現れた。

大きく登って、大きく下る。
歩道を軽快に下っていくと、前方に交差する信号の無い車道が現れた。

夜で交通量も少なく、見通しのいい道路だったので、勢いそのままに横断しようとしていた。

しかし、「見通しがいいからって油断しちゃいけねぇ」
と思い、軽快に走りながらも左右をしっかり確認する。

「よし!車は来てない!」

シャーッ!と素早く車道を横切ろうとして、視線を前方に戻す。
その瞬間、どう見ても勢いで乗り越えらない高さの縁石が、どっしりと足元で待ち構えているのが目に映った。

同時に、前輪に大きな衝撃がはしる。

気付いたら、自転車と一緒に道路に横向きになって倒れていた。
あぶねぇ、あぶねぇ、車が通る前に歩道に逃げないと、、、

自転車を起こすと、「あ、あれ、、、前輪が動かへん、、、」

暗闇のなか、目を凝らしてみると、、、

「フレームが曲がっとる!!」

下り坂の勢いと、山盛りの荷物+私の体重の全てをのせて縁石に突っ込んだ衝撃で、フレームが手前にめり込んでしまっていたのだ。

翌日撮影の写真

前輪に挟まった泥除けを取り除いたら、車輪は回った。
ただ、手前にめり込んだ車輪がフレームに干渉し、ハンドルが右側にしか曲がらなくなってしまっている。

幸い、道の駅近くで転倒していたので前輪を持ち上げ、歩いてたどり着けた。

一夜明けた翌日、沖縄の太陽が照りつける中、汗を流しながら自転車を押して歩く。

唯一の救いは、今晩の宿があったということ。
大学時代のバイト先の先輩の同級生が沖縄県に住んでいるらしく、この日、泊めていただけることになっていたのだ。

しかしその方の家にも辿り着けるだろうか、、、

つづく


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