香りを失い酸化したコーヒーが美味しかった理由
コーヒーは再加熱したり、保温し続けたりすると香りが抜けて美味しさが減ります。
コーヒー以外でも、長時間放置した食べ物は酸化したり鮮度が落ちたりで美味しくなくなりますよね。
我が家のコーヒーメーカーには保温機能が付いていて、コーヒーを淹れた後、時間が経ってしまっても温かい状態で飲むことができます。
すごく便利ではあるのですが、長時間ずっとそのままにしておくと、当然酸化して味も落ちます。
在宅で仕事をする際は、作業のお供にもれなくコーヒーを淹れる習慣があるのですが、ある日、忙しすぎて淹れたコーヒーを飲まずに放置してしまっていました。
やっとひと息つける、となった時には既に数時間経過していて、「やってしまった…」と思いつつも折角なのでコーヒーをカップに注ぎました。
当然、いつもより香りが弱くなっていました。
美味しくはないんだろうな、と期待せずに口に含むと…
悪くない…!
というか、何故か脳内の「快」のスイッチが入るような不思議な感じがしたのです。
風味も香りも失われているのに何故だろう…?
あまり体験したことがない感覚に驚きながら、必死に記憶を探ってみると…
解りました。
このコーヒーの味は、海外の空港のラウンジなどにあるコーヒーの味にそっくりだったのです。
私がよく利用していた空港のラウンジのコーヒーは、セルフサービスで自由に飲むことができたのですが、コーヒーを飲む習慣があまりない国だったせいか、大して補充もされず、管理も適当でした。
長時間保温されながら放置された空港のコーヒーは、決して美味しいものではなかったのですが、楽しい旅の思い出補正なのか、とても良いものとして私の中に刷り込まれていたのでしょう。
コロナ等もあり、その国にはもう何年も行っていません。
でもずっと大好きな国です。
旅先の美しい記憶を意外な形で呼び起こされた体験でした。
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