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ハルシオンを嗜む

前回の通院日記、マイスリーをつまみながら書いたせいでほとんど内容を覚えていません。


見事に健忘しました。あそこまで鮮やかな健忘は久しぶり。
誤字脱字も多い上に読みづらく、文体が普段と違うのもそのせいです。
しかも健忘中にほとんどのマイスリーを飲み干してしまい、通院日まで持ちそうにないのが悩みどころ。

そんなわけで今日はみんな大好き青玉アップジョン銀春こと、悪名名高いハルシオンを引っ張り出してみました。

ハルシオンとは

ベンゾジアゼピン系超短時間型睡眠導入剤

一般名:トリアゾラム(英:Triazolam)
商品名:ハルシオン
剤形:0.125mg錠0.25mg錠

Tmax:約1時間
作用時間:約2時間
T1/2:約2.9時間

適応:不眠症(0.125mg~0.5mg)
   麻酔前投与(0.25mg~0.5mg)

副作用:眠気・ふらつき(5%未満)、倦怠感(0.77%)、頭痛・頭重(0.70%)一過性前向性健忘(0.12%)、他

ベンゾジアゼピン系唯一の超短時間型眠剤

超短時間型は、作用時間2~4時間以内の睡眠導入剤です。
現在日本で発売されている超短時間型睡眠薬は、ハルシオン、マイスリー、アモバン、ルネスタの4種類。
マイスリー以下は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
この4種類の中で最も古い1982年に発売されたハルシオンのみ、ベンゾジアゼピン系睡眠薬睡眠薬になります。
ジアゼパム等価換算表では、トリアゾラム0.25mgでジアゼパム5mgと等価(同等の作用を持つ)となり、比較的強い薬と言えるでしょう。

ハルシオンは悪なのか?

欧米諸国では、ハルシオンに対して承認取り消しや処方制限など厳しい措置が設けられています。
日本でも1980年代半ばから1990年代前半にかけて濫用が問題視され、マスコミの報道が加熱し、処方をしない医師も現れたそうです。

しかし、ハルシオンより効果の強いベンゾジアゼピンは山程あります。
なぜハルシオンだけがこんなにもクローズアップされたのでしょうか。

一つは、超短時間型で効果が実感しやすいということがあるようです。
デパスなどの短時間型抗不安薬も最近は取締が厳しくなりましたが、一般的に向精神薬は作用時間が短いほど効果を実感しやすい傾向にあります。
効果の発現が早いため実感しやすく、キレが良いため抜けるときがわかりやすい。
このようなことから、超短時間型、短時間型が濫用に用いられるケースが多いそうです。

また、超短時間型睡眠薬に見られる健忘やアッパー系の作用も人気の理由となったのでしょう。
超短時間型睡眠薬は、自分のやっていたことを忘れてしまう健忘が起こりやすく、服薬すると元気が出るという人もいるようです。
実際、現在処方されているマイスリーを服用すると記憶をなくしたり、掃除をするやる気が湧いてきたりします。
精神の病気で疲れ果てている方が、この効果に救いを求めるのも一種やむを得ない部分があるのではないでしょうか。

ハルシオンはキレが良いため翌日に残らず、耐性の無いうちはすっと寝付くことができるお薬です。
特に早起きをしなければならない社会人の方や、重度の入眠障害を抱える方には必要な選択肢でしょう。
危機感を煽る過剰報道や、国・行政の大げさな対応によって、重度の入眠障害で悩む方々が苦労を強いられた、という話しも耳にします。
果たして、ハルシオンは本当に悪なのでしょうか?

ハルシオン健忘の実態

私は普段マイスリー10mgとロヒプノール(現在はフルニトラゼパムですが、この名称が好きなのであえて使用します)2mgを併用しています。
ロヒプノールは、バルビツール酸系を除いたベンゾジアゼピン系睡眠薬の中では恐らく最強クラスなのではないでしょうか。

一方、ハルシオンは超短時間型による健忘の発生率はともかく、基本的には安全な睡眠薬です。
ベンゾジアゼピン系向精神薬は、万単位で服薬しないと致死量に至らないという説もあるほどです。

私はロヒプノール、フルニトラゼパムを服用して8年になります。
今でもロヒプノールの効果は実感できていますが、さすがに8年も連用していれば多少なりとも耐性がついているはずです。
そのせいか、同じベンゾジアゼピン系のハルシオンでは強烈な健忘が起きたことはあまりありません。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリーは、同じく8年間服用しているにも関わらず、未だに健忘やラリ体験があります。
お薬の効果には個人差がありますが、この違いはいつも不思議に感じます。

ハルシオンが夢の跡

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一時はアップジョンだの、青玉だの、眠れるやつだのと、六本木や渋谷で持て囃されたハルシオン。
確かに銀色でアルミシートのような包装はどこか惹きつけられるものがあります。
珍しい色付きの錠剤ということもあり、「いかにも効きそうな雰囲気」があったのでしょう。

ハルシオンは今でも現役の睡眠薬です。
入眠障害が重い場合0.5mgまで処方される方も少なくはなく、多くの患者様を救っているのは間違いありません。
そしてベンゾジアゼピン系向精神薬にはどれにも少なからず依存性があり、この依存性も辛いほど顕著になる方もいれば、全く感じない方もいます。
ハルシオンだけが悪の薬のような論調には、違和感を覚えます。
一時の加熱した報道が誤ったイメージを作り上げてしまった、その弊害によって薬物治療の選択肢が狭められることでなにかメリットはあるのでしょうか?

今でこそ当時のような若者人気や憧れ、濫用騒ぎは下火になったように思います。
ハルシオンが夢の跡。
しかし、今でも多くの方に処方されています。

この記事を書き終えるまでに

5%のチューハイ2缶と、1.75mg(0.25mg*7)のハルシオン、ロヒ(2mg)とリボトリール(1mg)カクテルのスニッフを行いました。
それでも、自己認識では正常な記事を書けたと思っています。
少なくとも冒頭にリンクした、マイスリーで健忘を起こしたときのような誤字脱字や、突飛な文章は無いはず。

このような摂取方法は当然推奨できるものではありません。
ただ、以前ハルシオンを服用した際、効果がどうも弱いような気がしたので人体実験をしてみたかったのです。
今のところ健忘は無し。眠気も無し。単にチューハイで酔っているだけです。

正しく使えばハルシオンは怖くない

ハルシオンの最大投与量は0.5mgです。
この量でも健忘を起こさない、逆にこの量でなければ眠れないという感想も頻繁に目にします。
ハルシオンには、時代の荒波に揉まれ、悪役を押し付けられた悲劇の睡眠薬というイメージがどうも拭えません。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の普及率が低い状態では、ハルシオンの処方率が高く、問題が顕在化しやすかったことも容易に想像できます。
マイスリーと同じく、ハルシオンを服用したらすぐお布団に入りましょう。

ハルシオン健忘の難しさ


ハルシオン健忘、ハルシオンハイには何度かチャレンジしていますが、毎度失敗に終わっています。
8年間のロヒプノール服用歴で、ベンゾジアゼピン系への耐性がつきすぎてしまったのかな、と考えています。
こう考えると、非ベンゾジアゼピン系であるマイスリーでらりらりできる理由にも説明が付きそうです。
今日も健忘の気配は訪れそうにありません。
同時に、今のところ気分がハイにもなっていません。

睡眠薬には人によって合う合わないがあります。
自分に合った睡眠薬を、用法用量を守って快適な睡眠を送れるようになれば一番ですね。
不眠症の重症度を問わず、あなたに合う睡眠薬が見つかることを願っています。

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