違法の冷蔵庫。　＃ショートショートnote杯

時々部屋を間違える。
最近扉の色を塗り替えたことをすっかり
忘れていた。

温暖化のせいなのか、ひとりになりたい
性分なのか。

いつしかここはわたしの居場所になった。

そこが居場所でいいのか？

いいよ、ここがいい。

そんな家族の会話が幾度か続いた。

みんなどうして決まり切っていることを
たずねるんだろうと思った。

レイがわたしの部屋を訪ねる時の脚のリズムは
憶えてる。

時々、猫が空足を踏んだみたいにリズムが
ずれる。

それがレイのリズムだ。

少しだけお金が入ったからわたしはまず
大きめのそれを買った。

いつかレイとふたりで住めるぐらいのそれを。

子供がいつかできたらそれはその時考える。

このアロンタウンを空からみる。

碁盤の目のように冷蔵庫たちが並んでる。

そのひとつひとつにひとりひとりが住んでいる
のだ。

最近うわさが立っているらしい。

レイが教えてくれた。

アロンタウンに、野菜達が入居した
冷蔵庫がやってくるんだって。

だめだよ、冷蔵庫に食べ物なんか
入れちゃね。

🖋　　　　　　　🖋　　　　　　🖋

今日はこちらのショートショートに挑戦してみました。

お忙しい中お読みいただきましてありがとう

ございました。

いつもエッセイを書いていましたが、エッセイは

どうも逆三角形のようにじぶんがしぼまって

小さくなった気がします。

ちょっと解き放たれたいのでしばらく、

リアルから遊離したようなショートショートを

書いて行こうかなって思っています。

また気が変わるかもしれないですが。

また遊びにいらっしゃってください。

お待ちしております。

伝えたい　りんかくさえも　声にならない
たいせつな　言葉をいれる　冷蔵庫があれば