
地方Webライターが「好きなこと」と「できること」で新しい働き方を作ろうとしている話。
仕事と繊細さんの子育ては想定外ばかりで両立には苦心してきた。
ミーティングの日程調整だけでひたすら消耗するぐらいなら、個人事業者とはいえ実質「雇われる」というスタイルを変えたほうがいい。
もっと違うやり方を、この先10年20年見据えて考えてみようと始めていたことがだいぶ進んでいる。
具体的には移住前、Web屋をしていた頃によくお客様に言われていた
「自分で更新できて、自分で作るよりもきちんとしたホームページが欲しい。サポートも欲しいし、コストも抑えたい」
に応えられるような制作サービスを準備中だ。
元々移住する一年前までは小規模事業者向けのホームページ制作や、非デザイナー向けに作成支援をしていた。
移住後も何度かホームページが作れないか相談されていたけど、その時は1人で制作からサポートまでは難しいからと、受けかねていた。

個人が企業とコラボ
今準備している制作サービスは1人ではなく、企業とやる。
1人で制作やサポートまでやると、多くの人には提供できないことは分かっていた。
幸い以前から仕事で関わりがあった会社と協力してやってもらえることになった。
制作会社ではなく、北九州市から女性起業家支援を委託されてきたコンサルティング会社で、最近は北九州市外の自治体でもオンラインのセミナーを開催している。
以前、社長の郷田さんから「起業したての人たちにちょうど良いサイズ感のホームページが無い」と耳にしていた。
そのサイズ感とはこれからホームページが欲しいという小規模事業者向けでもあった。
会社の顧客層、私がこれから出会う地域の人たちにちょうどよいホームページ制作サービスを一緒に作れないだろうかと相談し、それに応じてもらえた。
コラボすることで自分はコンテンツを作ることとに集中できるし、企業と仕事をするのは個人事業者の自分にとって学びが大きく楽しい。
郷田さんの会社は以前からリモートワークを導入していたので場所を変えずに仕事もできる。
フリーランスとも協業していたからコラボの話も相談しやすかった。
いつか他の人にも渡したい
郷田さん自身が4人のお子さんの母。
場所や時間に囚われない働き方を模索していた自分の気持ちを理解してくれていたと思う。
女性の起業支援や働き方をサポートしてきた郷田さんたちの力やネットワークを借りて、制作のノウハウをほかの人にも渡していきたい。
郷田さんたちは、条件が合う在宅仕事が見つからずに困っている女性たちが数多く存在することを知っていた。
完全オンラインで10時〜15時は在席という仕事はあっても、本当に空き時間でできる仕事はなかなか見つからない。
元々の職種や業種によってはいきなりフリーランスは難しくても、このやり方であれば基本的なビジネススキルがある人なら十分可能だろう。
仕事もプライベートも垣根なく発信
会社の協力により、利用規約や申込フローなどの部分まで強化され、したいことにより力を入れられそうだ。
仕事もプライベートも関係なく、個人という立場をフルに活用して自由に発信したい。
noteでは移住日記、インスタグラムでは観光者向けの動画、ローカルメディアでは各地域の人たち向けの記事、Twitterでは感覚や属性が似ている遠くの人たちに。
メディアを選び、切り口を変えることで結果多くの人に届けたい。
日々発信していけば、どんなコンテンツを作るのか、仕事は何をしているのかがそれぞれのメディアを読む人に伝わると思う。
知り合うことが目的なのだから、報酬にこだわらなくていい。
小さなお店こそWebの力を
自分で作ってみたい人向けにも既に簡単なホームページの作り方を無料公開している。
このコンテンツでは作るだけでなく、使いこなすためのノウハウも伝えている。
読んで「やっぱり自分には難しい」「手間をかけられない」という人は制作サービスを利用してもらえれば良いと思っている。
小さなお店こそネガティブな口コミの影響は大きい。
ホームページやSNSで自己発信して防衛してもらいたい。
地方にはホームページ制作を依頼するところも、学ぶ場所も少ないと思う。
「ホームページは自作もできる」ことを遠くの人に届けたい。
「これいい!」を表現することが好きだから無理なく続けられる
移住して豊前の暮らしに癒されたのか、シンプルに好きなことやしたいことが分かってきた。
していて楽しい、ワクワクする感覚が蘇ってきたのかもしれない。

豊前の自然や登山、人との関わりのなかで「これいい!」と感じたことを文章や写真、動画で表現していくことは楽しい。

人やサービスの良さをインタビューして、他者に分かりやすくコンテンツで表現するのも好きだ。
ホームページ制作も、無料コンテンツの公開だって「Webは小さなお店の方に役立ちますよ!」という表現でもある。
楽しいのだから、この先年を重ねても、無理なく続けられるだろう。
スキルで直接稼げないではないかと思われるかもしれないが、情報過多で埋もれてしまう今の時代、沢山の人に知ってもらうことは大きな力になる。
無料だからこそ広く知ってもらえるなら、自分のスキルを報酬考慮せず提供する価値は大いにアリだ。
人の役に立ち、喜ばれる発信ができてこそ広がる。
それに好きなことをやって喜んでもらえるのは嬉しいし楽しい。
好きなことは仕事にならないと思っていた
子供の頃から歴史が好きだったけど、漠然と好きなことは仕事にならない(お金にならない)と考えていた。
子供が生まれてからもずっとその感覚は続き、したいことよりできること、できることの中で人に求められるものが仕事になると思ってきた。
できることを続け、その中で好きだと思えることはできたけど、「これいい!」を自由に発信することは趣味レベルにしかならないと固定観念はあった。
それが仕事と子供との両立で「もうこれ以上無理」と道が途切れた時点で、好きなことと、できること、人に求められる(喜ばれる)ことが重なり合うことを考えたら新しい仕事のアイデアにつながった。
以前夫から「目先の利益ばかり追っちゃダメだよ。先に人が喜ぶことや困りごとの解決かな」と言われていたことで、とことん逆を進んでみたからつながった道かもしれない。