岩松勇人プロデュース@ビジネス本研究所:明日の自分が確実に変わる 10分読書 吉田裕子
【明日の自分が確実に変わる 10分読書】はこんなあなたのための書籍です。
●先人の教えを最短でインプットしたい人
●読書のハードルを低くしたい人
●効率よく学びたい人
●コロナで在宅率が上がった人
●読書でビジネス的な成長を図りたい人
【明日の自分が確実に変わる 10分読書の目次】
序章 「読書」はコスパが抜群!
第1章 本を読むことで得られるもの
第2章 1日10分読書から始めよう
第3章 「今すぐ効く本」「じわじわ効いてくる本」
第4章 「吉田式読書」私が読書で得てきたもの
第5章 読書後のアウトプットの楽しみ
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今回は、
「10分読書」という本を解説します。
本を読みたいけど読む時間がない、
読んでもすぐに役に立つわけじゃない
そう感じているビジネスパーソンは
少なくないと思います。
本書は、読書が自分の人生を変えてくれた
と感じている著者が、読者にも同じ体験を
してもらうことを願って書かれた
「10分読書」のすすめです。
著者である吉田裕子さんは、
地方の学校出身でしたが、
本を読むうちに東京に憧れ、
本で培った能力をもってして独学で
東京大学に現役合格した人物です。
しかも彼女は受験のみならず、
その後の人生でも本に助けられてきたんだそうです。
この本の結論は、
「自由時間の10分を読書にあててみよう」
という内容です。
吉田さんが伝えたいこと。それは、
「本を読むと可能性を広げることができる」
ということです。
そうはいってもなかなか時間がない、
何を読めばいいかわからないという方のために、
吉田さんは「10分読書」を提案しています。
たった10分と思うかもしれませんが、
積み重なれば大きな差を生みます。
10分を継続していくうちに、
もっと深く読書ができるようになるかもしれない。
それはあなたの糧になって、
仕事や人生に活かすことができて、
未来を変える力を持つこともあるでしょう。
そんな可能性を感じさせてくれる本書を読みながら、
今の限られた自由時間をどう活用していくか
計画を練ってみてはいかがでしょうか。
本書の重要なポイントを
3つに絞って解説します。
それでは順に解説していきます。
まず1つ目のポイント
1 読書はコストパフォーマンスがいい
読書とは、その大切さをわかってはいても、
慣れていない人にとってはハードルが高いものです。
大学受験塾で中高生の国語を教えている吉田さんは、
「読書」と耳にしただけで敬遠モードを
漂わせる生徒たちがいることを身をもって知っています。
ですが、高校生も大人も、ぜひ本を読んでほしい。
なぜなら、読書は自己投資の中でも
コストパフォーマンスが抜群にいいからです。
お金、時間、どちらにも効果がある。
読書は、勉強や仕事の基盤となる力を
伸ばしてくれるため、読書することで
かえって時間を捻出することができるのだ。
実際、吉田さんが公立高校から塾や予備校を
利用せずに東京大学に現役合格できたことには、
読書の力が大きかった。
国語の学力が向上したことだけではない。
読解力を高めることによって全教科の
問題文の理解力が上がったからこそ、
参考書を用いて独学することができた。
さらに、分厚い本を読み切る経験は、
「粘り強さ」「自信」「やり抜く力」
を育ててくれたし、本が好きだからこそ、
教科書を読み物として楽しめたとも振り返っています。
また、一冊の本には、人を変える力がある。
そう実感した吉田さんは、誰もがそうした
本に出会えることを願って、まずは自由時間
のうち「10分」だけ読書に充ててみることを勧める。
好きな場所、好きなタイミングで、
一日のうちのほんの10分間だけ読書する。
それだけでも、あなたの未来は着実に変わっていきます。
吉田さんのエピソードをご紹介しましょう。
小学校高学年の頃、著者は一冊の本に出会った。
『少女パレアナ』(エレナ・ポーター)という本です。
みなしごになったパレアナは、
叔母さんの家に引き取られることになる。
叔母さんに厳しく当たられ、辛い思いをするパレアナは、
亡くなったお父さんとの約束に勇気づけられていた。
それは、「喜びの遊び」というゲームをすること。
いつでもどんなときでも、喜びを見出そう
とするゲームです。
やがてこのゲームは町中に広がって、
叔母さんも含めた街全体を明るく変えていく
というストーリーです。
吉田さんはこの本に感動し、何度も読み返した。
パレアナのように、辛いことがあっても常に喜びを見出し、
ポジティブに乗り切る癖をつけていった。
それは大人になってからも変わらない。
新しい環境に飛び込むときなど、
「喜びの遊び」を思い出して、
前に進む力に変えているんだそうです。
2 読書は自分の世界を広げるもの
読書は他の趣味とは異なり、大人のたしなみ
であるかのように思われている。
しかし、読書をしていないことを恥ずかしい
と思う必要はまったくない。
私たちは普段から、意識しないうちに文章を読んでいます。
学生時代は国語の授業を受けていたし、
他の教科の教科書も読んできています。
大人になってからは、日常的にメールをやり取りしたり、
ニュースサイトに目を通したりしている。
テキストを読んで資格の勉強をしたことがあったり、
レシピ本を買って料理を作ったりしている人もいます。
「そんなのは読書とは言えない!」
と思う人もいるかもしれません。
まとまった文章を読むことはひとつの読書体験です。
雑誌に載っていた好きなアーティストの
インタビュー記事を読むことも、読書である。
著者の定義する「読書」は、
「言葉を読むことによって、自分の世界を広げること」
教科書を読んで知識を得ること、
物語を読んで価値観が変わること、
ビジネス書を読んでアクションすること、
誰かのツイートを読んで大笑いすること、
雑誌で紹介されていたスポットに出かけてみること
……心や身体が動けば、それは立派な読書体験なのだ。
本を読んで得られる力として、
「語彙力」「客観力」「想像力」の3つが挙げられる。
読書をしても、すぐに目に見える効果が得られるわけではない。
だが読書は、必ずじわじわと効いてくる。
まずは語彙力。
人は年を重ねるたびに、公的な場の会話にも
通用するような語彙力を身につけていかなければいけない。
語彙力がなければ、知識や教養がない人
だとみなされてしまいます。
語彙には、意味を何となく知っている「認知語彙」と、
実際に会話や文章で自然に使いこなせる
「使用語彙」の2つがある。
認知語彙を増やすだけならば、
辞書や漢検の問題集などで言葉を覚えるだけでも
いいかもしれません。
一方、使用語彙にするためには、書き言葉である
本を通じて継続的に新しい言葉に触れる必要がある。
次に、客観力です。
読書を通して、自分自身を客観視する力が身につく。
本という自分の外側にあるものを読むことで、
自分の置かれた状況や内なる思いを冷静に捉え、
理解することができるようになります。
読書を通して自分が抱える課題への対処法を見つけたり、
自分と同じような悩みを抱えている人がいることに気づき、
元気になれたりすることもあるだろう。
最後に、想像力。人を理解するためには、
相手の気持ちになって考える想像力が必要です。
想像力は、異なる他者と本で出会い、向き合い、
理解しようとすることによって養われる。
3 10分読書のすすめ
あなたが通っていた小学校や中学校では、
「朝の10分読書」という時間が設けられていただろうか。
10分の読書は、小学生にとってだけでなく、
大人の読書にもちょうどいい。
コーヒーを飲みながら、通勤電車の中で……
どんなに忙しい毎日でも、10分くらいなら
時間を作れるかと思います。
たった10分では大したものは読めない!
と思うかもしれませんが、実は10分あれば
けっこうな量を読むことができます。
エッセイやビジネス書は見開きから10ページほどで
一つのトピックスになっている本も多く、
1日10分で1項目ずつ、1話ずつ読んでいける。
インターネット上にアップされている試し読みも、
10分読書にはもってこいです。
試し読みで気に入れば、実際の本を読んでみればいい。
長らく読書から離れていた人が読書習慣をつけるには、
時間の確保を意識するよりも、
環境を整えることを考えてみるといいです。
たとえば、コーヒーを飲むときは読書をすると
決めてダイニングテーブルに本を置いておく、
湯船に浸かるときは本を読むと決めて
脱衣スペースに本を置いておくといった工夫が効果的。
読書の質を高めていくには、
自分の心が動くかどうかで本を選ぶこと。
「これは読んでおかなきゃ!」といったことには縛られず、
気になる本、読みたい本を読むべきである。
そのうえで、読書体験をさらに向上させるために
知っておくといいのが、
読書体験には4種類あるということだ。
エモーショナルとロジカルを横軸に、
フローとストックを縦軸にマトリックスを描いて
現れる4つの象限に注目してみよう。
フローは、今すぐ、あるいは一時的に役に立つ情報だ。
一方、ストックは、自分の中に蓄積されて
長期間役立つ情報だ。
感動するものはエモーショナル、
勉強になるものはロジックにあたる。
読んだ本がこのマトリックスのどの部分に
位置するかを分類してみると、
自分の読書傾向が一目瞭然(りょうぜん)になる。
ただし、4つの領域のどこに含まれるとしても、
それはすべて「読書」であり、それぞれの間に優劣はない。
また本は、時間軸で「今すぐ効く」本と
「じわじわ効いてくる」本という分け方もできる。
今すぐ効く本とは、目の前の課題を解決してくれたり、
トレンドにキャッチアップしたりするために必要です。
それとは対照的に、じわじわ効いてくる本とは、
小説や古典などの文学作品、時間をかけて
自分の心の中で熟成して、知らず知らずのうちに
影響を受けているような本だ。
あなたが気になった本から読んでみて、
ご自身の人生に取り入れて
活用してみてください。
それでは最後におさらいしましょう。
1 読書はコストパフォーマンスがいい
読書は自己投資の中でも
コストパフォーマンスが抜群にいいです。
お金、時間、どちらにも効果があります。
読書は、勉強や仕事の基盤となる力を
伸ばしてくれるため、読書することで
かえって時間を捻出することができます。
2 読書は自分の世界を広げるもの
吉田さんの「読書」の定義は、
「言葉を読むことによって、自分の世界を広げること」
心や身体が動けば、それは立派な読書体験なのだ。
本を読んで得られる力には、
「語彙力」「客観力」「想像力」の3つがあります。
3 10分読書のすすめ
10分の読書は、大人の読書にもちょうどいい。
どんなに忙しい毎日でも、10分くらいなら
時間を作れると思います。
実は10分あればけっこうな量を読むことができます。
著者略歴 吉田裕子
国語講師。地方の公立高校から塾・予備校を使わずに東京大学文科三類に現役合格。教養学部超域文化科学科を学科首席で卒業。働きながら、慶應義塾大学文学部を卒業、放送大学大学院を修了。通信制大学の学業と、仕事とを両立する中で編み出した勉強法・思考法などを発信している。大学受験Gnobleで教えつつ、カルチャースクールでの大人向け古典講座、言葉遣いや文章術の企業研修も担当する
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