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岩松勇人プロデュース@ビジネス本研究所:フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか 堀内都喜子

【フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか】はこんなあなたのための書籍です。

●ワークライフバランスを見直したい人
●仕事や人生に疑問を持っている人
●働き方を思い切って変えてみたい人
●人生の幸福度をあげたい人
●フィンランドの文化を知りたい人

【フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのかの目次】

第1章 フィンランドはなぜ幸福度1位なのか
第2章 フィンランドの効率のいい働き方
第3章 フィンランドの心地いい働き方
第4章 フィンランドの上手な休み方
第5章 フィンランドのシンプルな考え方
第6章 フィンランドの貪欲な学び方

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動画を観る時間がない方に、イラストと文章で解説👇

【要約】
今回は、「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」
という本を解説します。

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この本の著者は、
2000年代にフィンランドの大学に留学して、
その後現地で働いた経験を持つ堀内都喜子さんです。

現地で見聞きし、
体験したフィンランドの魅力と、
その魅力を可能にする背景がコンパクトに
まとめられています。

フィンランドは3年連続幸福度1位で、
日本よりも圧倒的に人口の少ない国なのに、
一人あたりのGDPは日本よりも高い。
そしてほぼみんな午後4時に退勤します。

国の制度、環境が日本とは違うため、
フィンランドの実践をそのまま日本に
適用するのは難しいですが、
見習える部分はいくつもあるはずだという希望が、
本書からひしひしと伝わってきます。

この本の結論は、

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という内容です。

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日本人って自分が知らず知らず、
「残業をするのが普通」
「趣味より仕事のほうが優先」
という考えにとらわれていますよね。

有給を平日に取得して、
家族サービスしようものなら、
「おたくのご主人は仕事してないのかしら?」
なんて嫌味を言ってくるおばさんに
遭遇することもあります。

変えるべき部分はこうしたメンタリティーにあります。

働き方改革の本当の目的を果たすためには、
フィンランド流の働き方や思想を
しっかり理解することが第一歩となる
のではないでしょうか。

これを機に、生き方・働き方を
問い直してみてください。

本書に書かれている特に重要な3つの
ポイントを解説します。

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まず1つ目のポイント

1 3年連続幸福度1位の国、フィンランド

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著者の堀内さんがフィンランドに関わるなかで
感じたことは、選択の自由度が高い国
だということです。
フィンランドは選択肢が多いというよりも、
選択を限定する要素が少ない。

日本だと、
大学を卒業して
それなりの会社に就職して、
結婚して家庭を築いて、
住宅ローンで家を買って、
子供を成人するまで育て上げて
年老いて死ぬ。

この流れが一般常識みたいに浸透しています。

人生の転機で大切な選択をしなければならないとき、
年齢、性別、家庭の経済状況などは、
フィンランドでは大きな制約になりません。

また、好きでやる気があれば、
複数の道を選択してよいとされます。

たとえば、文系と理系の学位を両方取ってもよいし、
仕事とプライベートを同じだけ大切にしてもよい。

これを可能にするのは、
フィンランドの教育の質の高さと、
それを支える様々な制度である。

自分にとって幸せな人生に近づくための
選択の機会を平等に持てるのがフィンランドです。

小さな国でありながら、
経済、教育、産業といったランキングで
上位にフィンランドはランクインします。

実際に訪れてみると、あくせくした感じがなく、
人々がゆとりのある生活をしていることがわかる。

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たとえば夏には、ブルーベリー摘みをし、
コテージでサウナに入り、白夜を満喫する。
そこには、夜遅くまで働いて、常に疲れ気味
という雰囲気はなく、生活のレベルも高い。

もちろん、フィンランド人も仕事、勉強、家事
などやるべきことは多くあります。

ですが、それらのバランスがとれていて、
人間らしい生活ができる。
仕事のために休みや睡眠時間を犠牲にせず、
与えられた有給休暇はしっかりと消化する。

びっくりしたのが、子どもたちも
2か月半の夏休みを与えられ、
その間宿題はほとんどないんです。

その理由としてフィンランド人は、
とにかく学ぶことに貪欲だからだそうです。

仕事に関連する分野はもちろん、
「持ち駒は多い方がよいから」ということで、
全く別の分野を学び、学位をとる人も珍しくないそうだ。

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時間と金銭、そして気持ちの余裕がないと、
新たなことを学び続けることは難しいだろう。

こうした状況も、フィンランド流のゆとりのある
生き方を物語っているのではないだろうか。

2 効率よく、心地よく働く

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外国人から見た、フィンランドの仕事文化で
一番いいところは、「ワークライフバランス」
がとれていることだ。

フィンランド人は残業をほとんどせず、
就業時間内にしっかりと働き、
それと同じぐらい休みも大切にする。

フィンランドでは、多くの人が8時から16時まで働く。
定時になれば帰り始め、16時半になると、
オフィスにはほとんど人がいない。

休むことも社会人の権利という認識が、
国レベルできっちり共有されている。

そのため、1日8時間、週40時間以内の
勤務時間が守られているのだ。
これは業界や企業規模を問わずあてはまる。

一部の人がまだ仕事をしていても
15時や16時に退勤するのを後ろめたく
感じる様子は見られない。

フィンランド人は、
「人は人、自分は自分。
 規定の時間数を働いたら帰るのは当然」
と考えているからだ。

堀内さんの経験によると、
「大変な仕事を簡単そうに、
 効率よくこなしてサーッと帰る人ができる人」
だという。

現代の仕事では、長時間同じ姿勢で
パソコンに向かっていることが多い。
そのためフィンランドでも、
効果的な休憩時間のとり方が重要視されている。

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その1つが「タウコユンパ(エクササイズ休憩)」である。

企業や大学などの広いスペースに、
毎日決まった時間に人が集まり、
簡単なエクササイズをする。

たった5分でも体を動かすと、いい気分転換になる。
座りっぱなしでいるよりも生産性が向上するなど、
良い効果が証明されている。

そのほか、「カハヴィタウコ(コーヒー休憩)」
という文化が根付いている。
この休憩は法律で定められており、
勤務時間に毎日10~15分のコーヒー休憩が
含まれている。

コーヒー休憩のタイミングを決めて、
同僚とのコミュニケーションを
促している職場もある。

休憩中はみんなリラックスしているので、
気軽に仕事の相談やプライベートの話をしやすい。

お互いの理解が深まるうえに、
そこから新たなアイデアが生まれることも多いという。

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フィンランドの組織はオープンかつフラットだ。
それは効率性や企業文化にも影響を与えている。

通常、組織のピラミッドの高さが
高くなればなるほど、階層が増え、
物事の決定に時間がかかる。

これに対しフィンランドでは、
できるだけ階層をつくらず、
一人ひとりに裁量権を与える。

また、それぞれの業務内容や責任範囲が
明確化されており、上司が細かく管理することはない。

また、組織内での上下関係は勤務年数や年齢、
性別に左右されない。
フィンランドでは転職も多いため、
勤務年数の長さはあまり重要ではないのだ。

年功序列もなく実力や成果で評価される。
そのため、20代の上司と50代の部下
という場合も珍しくない。


3 上手に休む

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フィンランド人は、家に帰ってから
どのようにして過ごしているのでしょうか。
周囲を見渡すと、家事はもちろん、趣味、
スポーツ、友達との交流、勉強など実に様々だ。

なかでも、身体的、精神的、社会的に良好な状態
を維持するために、余暇にスポーツをする人は多い。

統計によると、フィンランド人が平日にスポーツをしている時間は世界でも
トップクラスなんです。

これは、定時で帰れるゆとりと、
散歩に適した自然が身近に多くあるためだそうです。

人々のライフスタイルは変化してきているが、
週末は家で過ごすか、森や湖、コテージなど
遠方へ出かける人が多い。

さらに、週末はアウトドアも人気だ。
フィンランドには自然享受権という慣習法がある。

土地の所有者に損害を与えなければ、
誰もが他人の土地への立ち入りや
自然の恵みを受けることが認められている。

身近な森や小道には野いちご、
ブルーベリーなどがあふれており、
秋にはきのこも生える。

市場やスーパーで買えるのに、
それでもわざわざ出かけるのは、
自然の中で恵みを得る喜びを感じられるからだ。

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また、フィンランド人には猟を趣味とする人も多い。

狩猟には細かなルールがあり、
銃を扱うための許可や講習が必要だが、
野鳥やヘラジカなどを獲ってジビエ料理を
楽しむこともある。

企業同士の交流の場でも猟が登場することがあり、
ゴルフ接待ならぬ猟接待を行う企業もあるようだ。

ほかにも、冬には凍った湖の氷の上で
スケートやアイスフィッシングを行う。

このように、フィンランドには、
お金をかけずにアウトドアを楽しめる環境が豊富である。

サウナは、フィンランド人のライフスタイルや
文化を語るうえで欠かせない要素だ。

550万人の人口に対して、サウナの数は
200万~300万といわれている。
アパートの各部屋の浴室には、
小さなサウナがついている。

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それがない場合にも、共用サウナが
地下や屋上についていることが多い。
フィンランド人は週に1~2回サウナを楽しむという。

大学構内や職場にもサウナがあることは珍しくない。
これはリラックスするためだけでなく、
仲間との交流のための場にもなっている。

また、大使館でのサウナは、接待や
おもてなしの場としても使われていることで有名だ。

サウナには不思議なマジックがある。
そこではどんな立場の人も、
地位や肩書を脱ぎ去り、一個人として存在する。
だからこそ、平等な関係でサウナのある空間を
一緒に楽しめるのだ。

日本だとフィンランドのような
ゆとりある働き方はなかなか実現
できないので、幸福度も低ければ
自己肯定感も低いです。

他の先進国と比べると、
日本の幸福度は半分程度にまで落ち込みます。
結果、精神的に満たされない人が多く、
嫉妬、妬み、誹謗中傷など他人を
攻撃する人が異常に多いです。

こんな状況なので余計に
人間関係がオープンになりませんし、
フラットにもならないのかもしれませんね。

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精神的にゆとりがないと、
人間関係も仕事もうまくいきませんので、
フィンランド人のようにホワイトな
働き方ができる会社に転職したり、
体を動かす趣味を取り入れてみてはいかがでしょうか。


それでは最後におさらいしましょう。

1 3年連続幸福度1位の国、フィンランド

フィンランドは、選択の自由度が高い国です。
好きでやる気があれば、
複数の道を選択してよいとされます。

この文化がゆとりある生き方につながり、
仕事のパフォーマンスが高まります。

2 効率よく、心地よく働く

フィンランドの仕事文化で一番いいところは、
「ワークライフバランス」がとれていることだ。

また、組織内での上下関係は勤務年数や
年齢、性別に左右されません。
この実力主義が学ぶ意欲を生み出しています

3 上手に休む

フィンランド人が平日にスポーツをしている
時間は世界でもトップクラスです。

また、サウナがあることで、
リラックスして仕事仲間と交流を
深めることができます。

文化的にも物理的にも
フィンランドの文化を日本で取り入れるのは
難しい部分もありますが、できることから
日常に組み込んではいかがでしょうか。

著者略歴  堀内都喜子
長野県生まれ。フィンランド・ユヴァスキュラ大学大学院で修士号を取得。フィンランド系企業を経て、現在はフィンランド大使館で広報の仕事に携わる。

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